白黒写真に着色する その6

マージモードの変更

マージモードの種類は、他にも多数あります。例えば、「追加」「オーバーレイ」「カラー焼き付け」なども試してみるとよいでしょう。

追加

オーバーレイ

カラー焼き付け

「マージモード」リストこの「マージモード」リストボックスは、「リアルタイム プレビュー」機能を持っているので、リストの項目上でマウスのカーソルが移動すると、クリックしなくてもマージモードの変更をプレビューできます(註6)。

ただし、背景画像の色合いや明暗によって、このケースでは何の効果ももたらさないモードもあります。また、著しく画像が変化し、使用に耐えないものもあります。このあたりは、実際に試してみるしかありません。

とはいえ、マージモードは後から変更できるようになっています。「乗算」を選んだ後で「カラー焼き付け」に変えたとしても、乗算されたものにカラー焼き付けが加わるわけではありません。「標準」を選べば、マージモードはキャンセルされ、不透明の塗りつぶし状態に戻ります。ですから、変更を恐れる理由はまったくありません。

不透明度

同様に、「マージモード」リストボックスの右隣にある

  • 「不透明度」テキストボックス

を使って、選択オブジェクト全体の透明度(註7)も変更することができます。この不透明度も、後から変更が可能です。

不透明度を100%未満にした場合、オブジェクトに透明度が設定されるので、マージモードが「標準」であっても背景画像が透けて見えます。

マージモード「標準」 不透明度「50%」

当然、不透明度は他のマージモードとも併用することができます。不透明度も調整することで、背景との“混ざり具合”を調整できるでしょう。

オブジェクトの保存

オブジェクトは、ファイルをPHOTO-PAINT(CPT)形式のファイルにすることで、設定をそのまま保存しておくことができます。一度ファイルを保存して閉じ、再びファイルを開いた後でも、マージモードや不透明度を変更できます。これは、「レンズ」オブジェクトの場合も同じです。

JPEG, TIFF, BMPなど、オブジェクトをサポートしていない形式で保存すると、すべてのオブジェクトはバックグラウンドに結合され、オブジェクトの再編集はできなくなります。まあ、その際は警告が表示されるので、間違うことは少ないと思います。

警告ダイアログ

ただしAdobe Photoshop(PSD)形式は、注意が必要です。PSD形式はオブジェクトを「レイヤー」という方法で維持できるのですが、PHOTO-PAINTとはマージモードの仕様が一部異なります。このため、編集結果と違う画像になっていないか、確認する必要があります。

まとめ

色の上乗せ

カラーバランスは、見た目としては背景画像に色を上乗せしたことになります。

また、その機能的な特徴として、画像の濃淡(階調)に色の変化を合わせることができます。白黒の背景画像は、それ自体が明暗の階調を表しています。その階調分布を範囲指定して、着色できることがメリットです。

階調と色の置き換え

サンプル/ターゲットバランスは、階調そのものを色で差し替えています。つまり、着色というよりも、階調と色の置き換えを行っているといえるでしょう。

オブジェクトによる自由な着色

オブジェクトも色の上乗せですが、カラーバランスとは異なり、自由に色を乗せることができます。しかも単色だけでなく、グラデーションのようなパターンを使うこともできます。そこが、第1のメリットでしょう。

そしてマージモードで合成することで、背景画像の階調からは独立して色合いを上乗せできることも、第2のメリットです。


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脚注
註6
ただし、「緑」「青」のマージモードにはリアルタイムプレビューが動作しない不具合があります。もちろん、プレビューが効かないだけで、リスト項目をクリックすれば正常に適用されます。
註7
“不”透明度で設定するので、0%が透明、100%が不透明になります。