デミアン

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荒野の狼

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解説

「デミアン」註1)とは、ヘルマン・ヘッセの小説の題名です。悪魔の子、ダミアンとはちょっと違います。

ヘッセの小説の中で、私の最も好きな作品が、この「デミアン」です。そして、小説中に出てくる象徴的な鳥をイメージしたものが、このイラストです。

新たな世界を生み出すものとして、荘厳に輝くイメージを銅版画のように再現したかったので、主としてCorelDRAWでは等高線効果を利用しました。さらに、“燻し銀”のような雰囲気も加えたかったのですが、その作業はPHOTO-PAINTに譲りました。つまり、「CorelDRAWでの元イラスト」をPHOTO-PAINTで編集した結果が、一番上に掲載した完成作品ということです。

背景の模様は、同じ図形を並べるので、シンボルオブジェクトを利用しています。

なお、同じくヘッセの「荒野の狼」をモチーフにして、連作で狼も描いてみました。シベリアンハスキー犬のようにも見えますが、れっきとしたSteppen Wolfなのです。

最後に、「デミアン」の一節を紹介しておきましょう。

鳥は卵からむりに出ようとする。卵は世界だ。生まれようとする者は、ひとつの世界を破かいせねばならぬ。鳥は神のもとへとんでゆく。その神は、名をアプラクサスという。

岩波文庫版「デミアン」実吉捷郎訳より


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脚注
註1
清廉さと安寧に包まれた家庭に育った10歳の少年、エミール・シンクレール。しかし彼は、街の不良少年にふとしたことから弱味を握られ、苦悶の日々に追いやられる。その苦境を、不思議と大人びた印象を漂わせる転校生、マックス・デミアンが救ってくれた。それは、安穏とした世界とは異なる暗く激しい「もう一つの世界」を、シンクレールが追い求める契機となる。そして、シンクレールが青年へと成長していく中、いくつかの出会いや挫折を経験しつつも、背後では常にデミアンの印象と影響が、彼を導いていた。デミアン同様、額に「カイン」の徴を持つ者として、シンクレールは、「自分の中からひとり出てこようとしたところのものを生きてみよう」と欲し、その困難な道を歩んでいく。