デミアン イラスト
ビットマップ編集前
ワイヤーフレーム
荒野の狼
解説
「デミアン」(註1)とは、ヘルマン・ヘッセの小説の題名です。悪魔の子、ダミアンとはちょっと違います。
ヘッセの小説の中で、私の最も好きな作品が、この「デミアン」です。そして、小説中に出てくる象徴的な鳥をイメージしたものが、このイラストです。
新たな世界を生み出すものとして、荘厳に輝くイメージを銅版画のように再現したかったので、主としてCorelDRAWでは等高線効果を利用しました。さらに、“燻し銀”のような雰囲気も加えたかったのですが、その作業はPHOTO-PAINTに譲りました。つまり、「CorelDRAWでの元イラスト」をPHOTO-PAINTで編集した結果が、一番上に掲載した完成作品ということです。
背景の模様は、同じ図形を並べるので、シンボルオブジェクトを利用しています。
なお、同じくヘッセの「荒野の狼」をモチーフにして、連作で狼も描いてみました。シベリアンハスキー犬のようにも見えますが、れっきとしたSteppen Wolfなのです。
最後に、「デミアン」の一節を紹介しておきましょう。
鳥は卵からむりに出ようとする。卵は世界だ。生まれようとする者は、ひとつの世界を破かいせねばならぬ。鳥は神のもとへとんでゆく。その神は、名をアプラクサスという。
岩波文庫版「デミアン」実吉捷郎訳より