CorelDRAW X3 新機能ツアー① その4

仕上げ

複製と再配置

さて、これで中心となる模様は完成したのですが、より複雑な模様に、しかも手軽に仕上げるため、模様のオブジェクトを小さくして、背景に連続して並べます。

そうです、今度は数がやや多いので、「連続複製」が役立ってくれるでしょう。

模様を複製して縮小
  1. [Ctrl]+[D]キーを押してオブジェクトを複製
  2. メニューバー「効果」-「効果の消去」をクリック、エンボス効果を消去
  3. プロパティバー「スケール率」テキストボックスに[25]を入力、確定。オブジェクトを1/4に縮小
  4. 「デフォルトRGBパレット」の「ゴールド」カラーボックスをクリックし続け、「カラー諧調ピッカー」を表示
  5. 中央から2つ右のカラー諧調ボックスをクリック、塗りつぶしカラーを適用

小さくした模様は、やや暗い色にしています。

小さい模様の作成

次に、小さくした模様を、大きい模様の左上に揃えます。

オブジェクトの整列を実行
  1. [Shift]キーを押しながら複製元オブジェクトをクリックして追加選択、2つのオブジェクトを選択
  2. [L]キーを押して左に整列を実行
  3. [T]キーを押して上に整列を実行

小さい模様の配置

そして、連続複製の再登場です。

連続複製を実行
  1. 描画ウインドウの何もないところをクリック、選択解除
  2. 複製したオブジェクトをクリックして選択
  3. ドッキングウインドウ「連続複製」タブをクリック、「連続複製」ドッキングウインドウを表示
  4. ドッキングウインドウの「部数」テキストボックスに[3]を入力、確定
  5. 「垂直方向の設定」の「距離」テキストボックスに[0]を入力、確定
  6. 「適用」をクリック、オブジェクトを複製
    小さい模様の連続複製結果 その1
  7. [Shift]キーを押しながら複製元オブジェクトをクリックして追加選択、4つのオブジェクトを選択
  8. 「連続複製」ドッキングウインドウ「垂直方向の設定」の「オフセットの種類」リストボックスをクリック、「オフセットなし」を選択
  9. 「水平方向の設定」の「距離」テキストボックスに[0]を入力、確定
  10. 「適用」をクリック、オブジェクトを複製

これで、小さい模様の数は16個に増えました。あとは、大きい模様の方を前面へ移動させて、完成です。

小さい模様の連続複製結果 その2

重ね順の変更
  1. 大きい模様オブジェクトをクリックして選択
  2. メニューバー「アレンジ」-「重ね順」-「レイヤの最前面へ」をクリック、オブジェクトを最前面へ移動

幾何学模様 完成

GIFファイルの作成

最後に、完成した模様を、Webページに掲載できるGIF形式に書き出します。

CorelDRAWPHOTO-PAINTには、バージョン10以来、「Webイメージの最適化」という機能があります。これで変換した場合の画質やファイルサイズを確認しながら、GIFJPEGに書き出すことができます。

表示環境の設定

ただし、CorelDRAWのこの機能には少し“癖”があり、表示環境を調整しておかないと、書き出される画像のサイズを原寸にできません。

そこで、初めに表示環境の設定を行います。なお、これは17インチの液晶ディスプレイで、1280x1024ピクセルの画面の解像度で表示している場合の設定です。

ルーラーのキャリブレーションと実寸にズーム設定
  1. メニューバー「ツール」-「オプション」をクリック、「オプション」ダイアログを開く
  2. ツリーペイン「作業領域」-「ツールボックス」-「ズーム/スクロールツール」をクリック、「ズーム/スクロールツール」パネルを表示
  3. 「ルーラーのキャリブレーション」をクリック、「ルーラーのキャリブレーション」ウインドウを開く
    「ルーラーのキャリブレーション」ボタンの位置
  4. 「水平方向」および「垂直方向」テキストボックスにそれぞれ[96]を入力、確定
    水平/垂直解像度の設定
  5. 「OK」をクリック、ダイアログに戻る
  6. 「実寸にズームする」チェックボックスをクリックしてチェック
    「実寸にズーム」チェックボックス
  7. 「OK」をクリック、ダイアログを閉じる

この状態で、描画ウインドウのズーム倍率を100%にすると、オブジェクトを原寸でGIFに書き出せるようになります。

実寸での表��は、本���、画面上で実際のサイズのままに表示するということです。そして、実寸にすると、たとえばA4縦の用紙であれば、画面上で幅が実際に210mmになります。

その際の「実寸にズームする」というオプションは、“100%を選択すると実寸で表示できる倍率にズームし直す”ことを意味します。ですから、100%を選択しても、96%等に自動的に倍率が変わります。

まあ、CorelDRAWは紙を意識したソフトですから、ミリやインチ単位のページ設定にした場合に、実寸を保証する表示メカニズム を優先させているということでしょう。

GIFファイルの書き出し

それはともかくとして、GIFへの書き出しを実行します。

Webイメージの最適化を実行
  1. 標準バー「ズームレベル」コンボボックスをクリック、「100%」を選択
  2. メニューバー「ファイル」-「Webへの書き出し」-「Webイメージの最適化」をクリック、「Webイメージの最適化」ダイアログを開く
  3. 最適化ファイル側(通常、右側)の「ファイルの種類」リストボックスをクリック、「Gif」を選択
  4. 「アドバンス設定」をクリック、「パレットに変換」ダイアログを開く
    「Webイメージの最適」ダイアログ
  5. 「スムーズ化」テキストボックスに[1]を入力、確定
  6. 「パレット」リストボックスをクリック、「最適」を選択
  7. 「ディザ」リストボックスをクリック、「フロイド-シュタインベルク」を選択
  8. 「ディザの強度」テキストボックスに[100]を入力、確定
  9. 「カラー」テキストボックスに[256]を入力、確定
    GIFオプションの設定 その1
  10. 「OK」をクリック、「GIFへのエクスポート」ダイアログを開く
  11. 「透明度」の「なし」ラジオボタンをクリックして選択
  12. 「イメージをインターレース」チェックボックスがチェックされていないことを確認
    GIFオプションの設定 その2
  13. 「OK」をクリック、「Webイメージの最適化」ダイアログに戻る
  14. 「OK」をクリック、「Webイメージをディスクに保存」ダイアログを開く
  15. 「保存する場所」を指定、「ファイル名」を入力し、「保存」をクリック、ファイルに保存

GIFは対応する色数が最大256色までなので、フルカラー(約1677万色)の画像をそれらしく再現するには、ディザという処理を行います。手順4~9まででわかるように、CorelDRAWではGIF変換のための詳細なオプションが用意されています。

もちろん、減色には限界がありますが、ファイルサイズを抑えることよりも色の再現性を望むなら、

  • スムーズ化: 1
  • パレット: 最適
  • ディザ: フロイド-シュタインベルク
  • ディザの強度: 100

という設定が、ベストです。

GIFは、特定の色を透過させて、画像を切り抜いたように見せることができますが、今回の幾何学模様は長方形であり、透過させる部分もないので、GIF透明は使用していません。

また、低速回線環境で画像を段階的に表示させる「インターレース」も、ブロードバンドの普及下ではあまり意味がないので、オフにしています。

ここまでの手順を実行すれば、見本と同じ、幾何学模様の図形が完成するはずです。その過程で、CorelDRAW X3新機能の可能性も、確認できたと思います。

しかし、新機能の「スマート塗りつぶし」について、まだ紹介しきれなかったことがあるので、話を少し延長したいと思います。埼玉新都市交通も、終着駅だった浦和美園からさらに岩槻まで、延伸するそうですから。


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