CorelDRAW X7 Update 1提供開始
内容
機能の拡張
Corel社より、CorelDRAW Graphics Suite X7 Update 1の提供が開始されました。
Update 1で拡張された機能は、以下の3点です。
- ウインドウの枠色変更
- ステータスバーの上部表示
- VBA オブジェクトモデルの拡張
ウインドウの枠色
X7では、アプリケーションやダイアログ ウインドウやの枠色が、白色に固定されていました。それを、「オプション」ダイアログの「カスタマイズ」-「ウィンドウの枠」カラーボックスで指定できるように変更されています。このボックスをクリックするとカラーパネルが表示され、色を選択できるほか、スポイトツールでWindowsデスクトップから色を拾ってくることも可能です。
ただし、ここで指定した色は、各ウインドウ枠に常に表示され、非アクティブ ウインドウも同じ色になります。また、設定した色は、すべての作業環境に反映されます。さらに、「オプション」ダイアログで「コントラスト」の項目を変更すると、「ウィンドウの枠」は白色に戻ってしまうので、操作順序には注意が必要です。
ステータスバーの上部表示
従来(X6まで)、CorelDRAWやPHOTO-PAINTでは、ステータスバーをアプリケーション ウインドウの下辺だけでなく、上辺にも表示させることが可能でした。X7では、そのオプションが無くなっていたのですが、Update 1で復活したということです。
具体的には、ステータスバーを右クリック→コンテキストメニューの「カスタマイズ」-「ステータスバー」に「位置」項目が復活し、「上端」もしくは「下端」が選択できるようになっています。
VBA オブジェクトモデルの拡張
これは、VBAを利用したCorelDRAWのアドオンプログラムの作成をより容易にするため、新しいAPIセットを追加したというものです。
以上のように、今回のアップデートでの本質的な機能拡張はVBA関連で、他の2つはオマケのようなものです。私自身には、VBAプログラミングを行う技量は無いので、今回のアップデートはウインドウ枠の色を変えて楽しむ程度のものでした。なお、プレミアムメンバーシップの特典である「新機能の早期追加」は、今年後半に予定されているUpdate 2で行われることになります。
性能と安定性の修正
以上、3つの機能拡張の他に、Update 1では以下のような性能と安定性の修正が施されています。
- カラーマネジメント
- 「デフォルトのカラーマネジメント設定」ダイアログで「プライマリ カラー モード」をCMYKからRGBへ変更可能
- ファイル入出力
- タイトルバーで「&」を含むファイル名を正しく表示。および、こうした名称のファイルを正しく保存
- Dropboxフォルダー内にあるファイルの編集/保存が可能
- カスタム ビットマップ透明度のコピーによるプログラムの停止を修正
- モノクロ ビットマップにおけるソフトマスクをPDFエクスポートで保持
- X7とそれ以前のバージョンがインストールされている環境で、旧バージョンファイルのサムネールを保持
- エクスポートにおける、リンクファイルの正確な更新
- PHOTO-PAINTでPhotoshopファイルを開く際の、フォントの保持
- CorelDRAWおよびPHOTO-PAINTで、ファイルを開く/インポート時に起きるダウンロードビットマップの変形を修正
- CorelDRAWファイルを開くとき、特定のフォントによるテキスト表示の問題を修正
- 塗りつぶしとスタイル
- PHOTO-PAINTにおいて、「塗りつぶしの編集」ダイアログからのビットマップパターンおよびテクスチャ塗りつぶしの適用が可能
- 切り抜きツールで切り抜いたオブジェクトで、グラデーション塗りつぶし位置を保持
- グラデーション塗りつぶし/透明パターンの、インタラクティブツールによる自由変形/斜変形が可能
- カラースタイルの編集をやり直した場合、当該スタイル適用オブジェクトは元の色を維持
- フィルター
- PDFエクスポートにおいて、透明とグラデーション塗りつぶしを適用したオブジェクトは(境界ボックス無しで)期待どおりに表示
- AutoCADで作成したPDFファイルのインポートが可能
- Microsoft Publisher 2010で作成したPDFファイルのインポートで、すべての文字を保持
- Adobe Illustratorファイルのインポートで、レイヤの順序を保持
- PDFエクスポートにおいて、非表示かつプリント可能なレイヤを保持
- オブジェクトとその属性
- 「オブジェクトの座標位置」ドッキングウインドウにおいて、値を正しく更新
- エンベロープ効果において、長方形オブジェクトを作成元の形状として利用可能
- PHOTO-PAINTにおいて、1ピクセルの線や境界に透明度を適用した際の問題を修正
- PHOTO-PAINTにおいて、ズームレベル100%未満での整列ガイドの問題を修正
- オブジェクト原点の設定に係わらず、反射オブジェクトのサイズを保持
- OLE
- Microsoft Wordのウインドウ内でCorelDRAWもしくはPHOTO-PAINTのOLEオブジェクトを編集する際、Wordのリボンインターフェイスを非表示にしてCorelDRAW/PHOTO-PAINTのインターフェイスを表示
- パレット
- ドッキングウインドウにおけるカラーパレットの位置を保持
- 「マイ パレット」フォルダー外に保存したカスタムパレットを正しく表示
- 印刷
- インポジション レイアウトにおいて、テンキーパッドのキーでページ番号の追加と削除が可能
- プリント プレビューにおいて、オブジェクトの削除を不可
- テキスト
- CorelDRAWファイルにおいて、埋め込みフォントを適切に保存/表示
- サイン シンボル フォントの、期待どおりの使用
- キーボード ショートカットキーによる、フォントサイズの変更が可能
- テキストの、正確なオブジェクトとの整列
- フォント リストボックスとライブ フォント プレビューの、期待どおりの動作
- 「テキストの編集」ダイアログにおいて、キーボード ショートカットキーによるコピー&ペーストが機能。
および、同ダイアログのサイズ変更において、テキストが期待どおりに適合して表示される - ユーティリティ
- CorelDRAW/PHOTO-PAINTファイルの作成が、CONNECTに即座に反映
- X3以前のクリップアートが、英語以外でも正しく検索可能
- QRコードのMe-CardやV-card情報を、サーバーに正しく送信
- 作業環境とカスタマイズ
- ツールバーがロックされていない状態において、ツールボックスバーのフライアウトをフロート表示可能
- コマンドにカスタムアイコンを指定可能
- 「オプション」ダイアログ「カスタマイズ」-「コマンド バー」パネルでの変更が、コマンドバーの表示に正しく反映
- 「F8」キー起動(出荷状態への初期化)時に、アプリケーションがアクティブ ウインドウの背面には表示されない
- ページタブ上へのオブジェクトのドラッグ操作で、ページが切り替わってしまうことを修正
- フロート表示したドキュメントでも、正確なズームレベルで表示
- ページサイズに「名刺」プリセットを使用しても、ページ方向の変更が可能
- ステータスバーを上部に表示させることが可能