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黒住浩司 Webサイト

32bitと64bitをインストール

内容

動作環境

CorelDRAW Graphics Suite X6は、32bitとともに64bitアプリケーションが提供されていますが、64bit版(以降、X6 64bit)には一定の制限があります。
まず、Windowsも64bit版でなければ、X6 64bitはインストールできません。X6の動作環境にはWindows XPも含まれていますが、64bit版XPは対象外です。ですから、X6 64bitの動作環境は、Windows VistaとWindows 7の64bit版に限られます。

機能の制限

また、X6 64bitでは、一部の機能が動作しません。まず、TWAINやWIAの32bitドライバを使ったスキャナによる画像の取り込みができません。たとえば、私は複合機のEPSON PM-A890を使っていますが、64bit版として提供されているドライバを使っても、認識されませんでした。同様に、32bit版のプラグインソフトも、X6 64bitでは認識されません。これらの問題は、特にPHOTO-PAINTで、従来の作業に支障を与える恐れがあります。

32bitと64bitの両立

そこで本題なのですが、こうした問題は現時点では解決されていないので、X6は32bit版と64bit版を同じシステムにインストールできるようになっています。つまり、X6 64bitで利用できない機能は、X6 32bitで代行しようという、妥当な解決策です。

インストール

実際に、私も2つのX6を同じコンピューターにインストールしてみました。なお、インストールに使用したのは、Corel社サイトからダウンロードした、いわゆるESD版そのままではユーザー登録が必要な期限付き体験版ですが、ライセンスコードを入力することで、製品版に切り替わりますです。

32bit版
CorelDRAWGraphicsSuiteX6Installer_EN32Bit.exe
64bit版
CorelDRAWGraphicsSuiteX6Installer_EN64Bit.exe

私は製品版とアップグレード版の2つのライセンスを持っていますが、このうち、製品版の場合は、初めに32bit、次に64bit版をインストールし、双方を問題なく使用できるようになりました。

トラブル

しかし、私の環境による問題かもしれませんが、アップグレード版の場合、32bit版のインストール後、64bit版のインストールを実行すると、オプションの選択等までは進むものの、実際にフォルダーやファイルがコピーされる最後のプロセスに進めず、「ライセンス番号が違う」という意味の警告で中断されてしまいました。ちなみに、アップグレード版は、X6のライセンス番号を入力した後のウィザード画面で、X5の番号の入力を求められます。

X6 インストール画面
アップグレードコード入力画面

そこで、初めの32bit版では、ライセンス番号を入力せず、体験版としてインストールし、その後の64bit版のインストールで、ライセンス番号を入力したところ、無事インストールに成功しました。

体験版は、初回起動時にユーザー登録を求められますが、64bit版で入力したライセンス番号は正しく引き継がれたようで、32bit版も製品版として起動します。起動後にライセンスを確認したところ、やはり双方に同じ番号が登録されていました。

ですので、32bitと64bitを両立させるには、後からインストールするほうでライセンス番号を入力したほうが良いと思います。

インストール後の動作

32bitと64bitは、標準では、それぞれ以下のフォルダーにインストールされます。

32bit版
C:\Program Files(x86)\Corel\CorelDRAW Graphics Suite X6
64bit版
C:\Program Files\Corel\CorelDRAW Graphics Suite X6

プログラムの実行ファイル名(CorelDRAWはCorelDRW.exe)は同じですが、インストールフォルダーが分けられていることで、両者が物理的に干渉することはありません。また、スタートメニューのプログラムフォルダーやショートカットのアイコンも区別されます。ですので、それぞれを同時に起動・実行することが可能です。

X6 プログラムグループの比較

 

また、両者の区別は、タイトルバーで確認できます。

X6 CorelDRAW タイトルバー比較

一方、CDRやCPTファイルをダブルクリックしたときは、X6 64bit実行されました。ファイルの関連付けは、レジストリを見ると、X6 64bitに対して設定されています。そうなることを予想して、あとからX6 64bitをインストールしたのですが、X6 32bitを後からインストールするとどうなるかは、試していません。

プラグイン関連では、PHOTO-PAINT X6に付属するPhoto Zoom Pro 2は、64bit版も添付され、PHOTO-PAINT X6 64bitで使用可能です。また、私はPhoto Zoom Pro 4を別途購入して使用していますが、こちらの64bit版も、PHOTO-PAINT X6 64bitで動作します。

なお、「錬金」のようなPHOTO-PAINT自体に装備されている「効果」は、当然、X6 64bitで使用できます。

まあ、このような感じで、デフォルトはX6 64bitととして、32bitと64bitを両立させることができました。将来的には、64bitプラグインやドライバの普及や対応強化がなされ、X6 64bitだけですべての作業ができることを願っています。