用紙からはみ出した図形を消す方法 その1

目的の用紙サイズより大きく描いてしまった図形の、用紙外にはみ出してしまった部分を消す方法について解説しましょう。こうした操作を、「トリミング」と呼びます。

トリミングを実現するには、「パワークリップ」「レンズ」を使う2つの方法があります。はみ出した部分を「パワークリップ」は隠し、「レンズ」は削除します。

パワークリップでトリミング

では、「パワークリップ」から説明していきましょう。

環境設定

はじめに準備作業として、パワークリップの環境設定をします。

  1. メニュー「ツール」-「オプション」をクリック、「オプション」ダイアログを開きます。
  2. パネル左の「作業領域」-「編集」をクリック、「編集」パネルを表示します。
  3. 「新規のパワークリップの内容を自動的に中心に配置」チェックボックスをクリック、チェックを解除します。
    「編集」パネル

作成手順

では、実際の作業に取り掛かりましょう。ここでは、ハガキサイズに図形をトリミングしてみます。

  1. CorelDRAWを起動し、新規ドキュメントを作成します。
  2. プロパティバー「用紙の種類/サイズ」をクリック、リストから「ハガキ」を選択し用紙サイズをハガキ(100×147㎜)に設定します。
    プロパティバー「用紙の種類/サイズ」
  3. オブジェクトを作図・配置します。この段階では、描画ページ(註1)の外側に図形がはみ出してしまっても構いません。
    描画ページからはみ出したイラスト
  4. ツールボックスバー「長方形ツール長方形ツール」をダブルクリック(註2)し、ハガキサイズの長方形を作図します。この長方形は最背面に作られます。
  5. (ハガキサイズの長方形が選択されている状態で)メニュー「アレンジ」-「重ね順」-「最前面」をクリック、ハガキサイズの長方形を最前面へ移動します。
  6. [Ctrl]+[A]キーを押し、全オブジェクトを選択します。
  7. ツールボックスバー「選択ツール」をクリックし、このツールを選択します。
  8. [Shift]キーを押しながら「選択ツール」でハガキサイズの長方形をクリックし、このオブジェクトのみ選択を解除します。
  9. メニュー「効果」-「パワークリップ」-「コンテナ内に配置」をクリックします。
    メニュー「効果」-「パワークリップ」-「コンテナ内に配置」
  10. 表示される矢印で、ハガキサイズの長方形をクリックします。
    矢印で長方形をクリック

トリミング結果以上の操作で、ハガキサイズの長方形(コンテナ)の中に他の図形(コンテント)が組み込まれ(註3)、結果的にハガキサイズの外側部分が切り落とされたようになります。

なお、最初の環境設定で、「オプション」の「新規のパワークリップの内容を自動的に中心に配置」を解除したのは、このオプションが有効になっていると、コンテントオブジェクト全体の位置がコンテナオブジェクトに合わせて中心揃えで移動してしまうからです。

「新規のパワークリップの内容を自動的に中心に配置」

パワークリップの配置の違い

「オン」に設定した上図・右側は、ハガキの枠に合わせて中心に配置されるように、文字や猫のイラストが移動させられている。

もちろん、「オン」にした方が便利な場合もあるので、ケースバイケースで判断してください。


記事内のナビゲーション
記事中の各見出しは、クリックすると「目次」(Contents)に戻ることができます。「目次」の各項目は、クリックすると記事内の見出しに移動できます。
目次とそのリンクは、JavaScriptによって自動的に生成しているため、JavaScriptを無効にしている場合、機能しなくなります。

脚注
註1
作業画面上の用紙サイズを表す枠線内が、「描画ページ」です。
註2
「長方形ツール」のオプション機能です。このツールをダブルクリックすると、現在のレイヤの最背面に用紙サイズの長方形図形が作図されます。
註3
パワークリップでは、他の図形が組み込んだ“入れ物”側を「コンテナオブジェクト」と呼びます。また、組み込まれた“中身”の側は「コンテントオブジェクト」です。