ドロップシャドウ効果
ドロップシャドウで輪郭をぼかすといっても、ただグロウシャドウ(光彩)を適用してごまかす――という単純な話ではありません。
では初めに、オブジェクトの塗りつぶしが単色で構わない場合から、操作法を見ていきましょう。
ドロップシャドウを輪郭ぼかしに利用する
- ツールボックスバー「選択ツール」をクリックして選択
- 目的のオブジェクトをクリックして選択
- カラーパレットの任意のカラーボックス(無色カラーボックスを除く)をクリック、オブジェクトに標準塗りつぶしを適用
※無色以外ならどの色を選んでもでも構いません。 - ツールボックスバー「インタラクティブなツール フライアウト」から「インタラクティブ透明ツール」をクリックして選択
- プロパティバー「種類」リストボックスをクリック、「標準」をクリックして選択
- プロパティバー「始点の透明度」テキストボックスに[100]を入力、確定
※オブジェクトは完全な透明になり、見えなくなります。 - ツールボックスバー「インタラクティブなツール フライアウト」から「インタラクティブドロップシャドウツール」をクリックして選択
- プロパティバー「プリセット」リストボックスをクリック、「グロウ(小)」をクリックして選択
※「グロウ(大)」「グロウ(小)」でも構いません。オフセットが0のドロップシャドウを適用します。 - プロパティバー「ドロップシャドウの不透明度」テキストボックスに[100]を入力、確定
- プロパティバー「ドロップシャドウのフェード」テキストボックスに[4]を入力、確定
- プロパティバー「ドロップシャドウのフェードの方向」をクリック、「中央」をクリックして選択
- プロパティバー「ドロップシャドウのフェードのエッジ」をクリック、「四角の反転」をクリックして選択
- プロパティバー「マージモード」リストボックスをクリック、「標準」をクリックして選択
- プロパティバー「ドロップシャドウのカラー」をクリック、任意のカラーボックス(例:「ブルー」)をクリックして選択
以上の方法で、再編集可能であり、なおかつオブジェクトの形状変更に連動する輪郭ぼかしを適用できます。
この場合、手順10の「ドロップシャドウのフェード」が、ぼかし具合を左右します。現実的な数値は、2~10程度でしょう。また、手順14の「ドロップシャドウのカラー」が、オブジェクトの標準塗りつぶしカラーを代替えします。
しかし、やはりこの方法では単色の塗りつぶしにしか対応できません。
ドロップシャドウの分割
そこで、CorelDRAW X3で拡張されたドロップシャドウの機能を応用します。
分割したドロップシャドウオブジェクトの利用
- ツールボックスバー「選択ツール」をクリックして選択
- ドロップシャドウ部分をクリックして選択
- メニューバー「アレンジ」-「~のドロップシャドウグループの分割」をクリック
- ツールボックスバー「選択ツール」をクリックして選択
- 描画ウインドウ内の何もないところをクリック、選択を解除
- ドロップシャドウの適用元オブジェクトをクリックして選択
- [Delete]キーを押してオブジェクトを削除
※この状態で、ドロップシャドウ部分のオブジェクトだけが残ります。CorelDRAW X3では、このオブジェクトは長方形オブジェクトになります。 - 長方形オブジェクトをクリックして選択
- ツールボックスバー「インタラクティブ塗りつぶしツール」をクリックして選択
- プロパティバー「塗りつぶしの種類」リストボックスをクリック、「テクスチャ塗りつぶし」をクリックして選択
- プロパティバー「テクスチャライブラリ」、「塗りつぶしのドロップダウン」をクリック、任意のパターン(例: 「サンプル9」「CMYK」)を選択
- インタラクティブ塗りつぶしツールでオブジェクト上をドラッグ、塗りつぶしタイルを調整
以上の操作で、テクスチャ、パターンといった単色以外の塗りつぶしを使った、輪郭ぼかしオブジェクトを作成できます。
分割したドロップシャドウは、長方形オブジェクトに「ビットマップパターン透明」を適用した状態になっています。透明パターンは、ドロップシャドウ設定時の不透明度やフェードを元オブジェクトの形状に適用した状態の、グレースケールビットマップ画像です。
ドロップシャドウは分割してしまったので、このパターンのぼかし具合や輪郭形状は、再編集できません。調整は、分割前に行っておく必要があります。
一方、透明パターンが適用されているのはベクトルオブジェクトですから、あらゆる塗りつぶしを使用することができます。