昨日は、半年コースの訓練校の修了生たちによる、早目の忘年会に参加した。彼ら・彼女らが修了したのは、もう1年以上も前になる。その後にも、2期分の生徒60人弱が、修了している。その前にも、3期の生徒たちがいる。もうひとつの一年制の学校でも、既に4期に渡ってクラスをみてきた。そのせいか、顔は思い出せても名前が浮かばない修了生が、だいぶ増えてきた。
考えてみると、初めて講師の仕事に就いたのは、まだハナちゃんが生きていた頃だった。というよりも、ハナちゃんと出会った直後だった。初めの頃は、訓練校に行っている間、ハナちゃんは外にいた。ハナちゃんのことが気がかりだったが、それは忘れて講義を行い、家に帰ってきてほっとした。半年コースの訓練校でも仕事をするようになった頃には、ハナちゃんは家の中で待っているようになっていた。
何十年も過ぎてしまったわけではないが、人の名前とともに、遠くへ行ってしまったものがある。さすがに昨日の帰りは遅かったので、北浦和には寄らなかった。今日の午前中に、自転車でいつもの場所を通ってみた。ハナちゃんが死んだ場所の前には、もうすぐアパートかマンションが建つようだ。駅前には、相変わらず自転車をとめる場所がないので、よそ者のように北浦和を通り過ぎなければならなかった。
家に帰れば、大きくなった小太郎がじゃれついてくる。ハナちゃんに出会う前から応援し、ハナちゃんと同じようにその成長に一喜一憂させられた浦和レッズも、一昨日、遂にステージ優勝を決めた。運よく駒場スタジアムでその瞬間を直接体験することができ、思わず涙も流したが、そのあとは家に帰って小太郎と静かに余韻に浸った。そこに、ハナちゃんは、もういない。