ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2004年8月16日(月)

昨日は、久しぶりに涼しく、快適な一日だった。愚かな閣僚や国会議員、そして愚か過ぎる「国民」たちが靖国神社を参拝したことを除いては、ほんとうに気持ちのよい日和だった。

一昨日は、暑さを省みずに、友人たちとサイクリングをした。川越のほうまで足を伸ばし、大宮の指扇や日進周辺を経由しての、神社めぐり。こんもりと茂った林を見つけると、そこに神社があるのでは、と急行する。また、区画整理された真っ直ぐな道路から不意に脇にそれる、弧を描くような道を進むと、その先にも神社が建っていたりする。

浦和周辺には氷川神社が多く、たいていのところは地名などを冠した「○○氷川神社」だった。これらは大宮氷川神社を勧請したものだ。まあ、荒川沿いの田圃地帯にある神社は歴史が浅く、この一帯で有力だった大宮氷川神社に肖ったのだろう。その本家も、出雲からやってきた外来の神を祀っている。「吾妻」を征服した大和朝廷が、支配の証に押し付けた神だ。

神社なんて、所詮はその程度のもの。そこに鎮座する神なんて、紛い物に過ぎない。神社が現在に残しているものの意味は、その場所が元々、居住者たちにとって「聖なる場所」であったことであり、神の系統に価値があるわけではない。もし、神の系統に意味を見いだすとしたら、それは畿内地方の権力者による、侵略と支配の痕跡を留めていることぐらいだ。

友人たちはどう考えているかは知らないが、僕は、そんな「聖地巡礼」が好きだから、神社を訪れる。しかし、政治的な意味しか持たない靖国神社などには、批判的視線で観察するために出かけることはあっても、決して参拝などしない。

再び暑くなりそうな今日、ニュースは日本人のアテネオリンピックでの活躍に熱くなっている。トップニュースが、オリンピックで金メダルだ、銀メダルだと、はしゃいでいる。予選落ちした男子サッカー代表のニュースは、その影でひっそりと報じられた。

サッカーに限らず、僕はオリンピック中継は観ない。日本の応援もしない。ニュースは、後に続くイラク情勢を知りたいために、仕方なくオリンピック報道に耐えている。もっとも不快なのは、君が代が流れ日の丸が掲揚される表彰式だ。日本が、メダルなど獲らなければ、間違ってその場にチャンネルを合わせてしまうこともなくなるのだが。

サッカーでは、オリンピックの前にフル代表のアジア杯が注目されていた。サッカーファン以外の耳目を集めたのは、中国人サポーターの「反日」感情だった。僕の気を引いたのは、現地で観戦した若いサポーターが、「どうしてこんな目に遭うのか分からない」と、ニュースのインタビューで語っていたことだ。さらに、同じニュースでアナウンサーが、「愛国教育が徹底している中国」では、過去の歴史や尖閣諸島問題で反日感情が醸成されている、かのようなコメントをしたことだ。

たしかに、教育は大事だ。それも、日本での歴史教育だ。日本史の授業は、第二次大戦や日中戦争のことがそれなりには記述してあっても、侵略したアジアに対する加害者としての反省は、皆無といってよい。まあ、載せても検定で削除されてしまうのだろう。そして、授業自体、近現代史まで到達するのは稀だ。まして、受験教育に歴史認識など必要とされていない。

そんな教育を受けた日本人が、「重慶」という場所の意味や、強制連行や、そもそも日中戦争のことなど「どうしてこんな目に遭うのか分からない」ぐらい、知らないのは当然の結果ともいえる。そうだとしたら、原爆投下や、シベリア抑留といった「被害者」としての歴史も、知らないほうがよいだろう。少なくとも、自分の頭で歴史の勉強を始めるまでは、中国でスポーツ観戦などしないほうが無難だ。

この、中国人サポーターの「マナーの悪さ」は、日中両政府とも問題視し、「スポーツに政治を持ち込むな」という冗談のような理由で、槍玉に挙げていた。それ自体が、政治問題だというのに。そして、挙国一致の政治ショーとして、今日もオリンピック熱は猛威を振るっている。

猫には、個体間の生存競争しかない。そして、室内飼いの小太郎は、その生存競争からも無縁だ。まあ、本能までは消えることはないので、窓の外に猫を見つけると、警戒を怠らないし、窓から飛び出てしまうこともある。それでも、国歌も国旗も振り回すことなく、のんびり昼寝をしている。ハナちゃんには完全に与えることができなかった、安寧を満喫している。人間は、こんな風には守ってもらえない。だから人間には、民族国家と国威発揚、そして戦争が必要なのだろうか? しかし僕は、そんなことには背を向け、ハナちゃん以上に、小太郎を守ってあげよう。

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