ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2004年4月1日(木)

僕の住む、世界一美しい街「浦和」は、周辺のどうでもよい市と合併し、現在は行政区分上「さいたま市」と呼ばれている。さらに、僕が現在住んでいる場所は、住民アンケートでは「東浦和」か「浦和東」区になるはずだったのに、勝手に「緑区」などと縁もゆかりも無い名前で、市の官僚どもが区政を布いてしまった。いや、“強いて”しまったと言うべきか。

その「緑区」の区役所に、一昨日と今日、出かけた。一昨日が、この忌まわしい区役所に、初めて足を踏み入れたことになる。まあ、国民保険税を過去に滞納していたので、その分納の手続きに出かけたのだから、自業自得には違いない。しかし、この区役所、家からは自転車で10分もかからないのだが、「緑区」はやたらと広い。家から自転車で1時間はかかろうという、あの「埼玉スタジアム」がある美園地区も、同じ区だ。あの辺りが、同じ区役所の管轄する共通生活圏だとは、到底思えない。だいたい、見沼代用水東縁よりも、さらに東北自動車道よりも東側に位置する地域は、別世界だ。その住民を、浦和駅からも、東浦和駅からも離れた陸の孤島にある緑区役所に通わせるなんて、めちゃくちゃな区分けとしか言いようが無い。まあ、どこかに市役所の出張所があるのだろうけれど、そうだとしたら、区に求心性など生まれることも無く、元の浦和市のままでよかったのだ。

と、心の片隅で憤慨しつつ、区役所からの帰りは見沼田圃を周回して気分直しをした。明日は雨のようなので、満開の桜を眺める、絶好のタイミングだ。ここ数回、見沼田圃の桜見物に出かけたときは、デジタルカメラで花を撮影するのに気を取られていた。今日はカメラを持たず、自転車で走りながら桜を眺めてみた。そろそろ花吹雪が舞い散り、やや霞んだ青空との絶妙な対比に、「今日」を写真に残せないのは惜しいかな、とも思った。しかし、カメラを持ってしまうと、景色に対して欲張りになってしまう。のんびり、風情を味わうには、やはり眺めるだけのほうがよい。

来週には、もう桜の花は、散り痩せ細っていく。桜は散り際も美しいのかもしれないが、樹の生命力がみなぎるのはその後だ。花が散ったかと思うと、いつの間にか隆々とした葉桜に、生まれ変わっている。そして、新緑の季節こそ、見沼の斜面林も呼応して、ほんとうの輝きがこの地に訪れる。花見目当ての野次馬たちもいなくなる。毛虫が増えるのだけは、御免だが。

四月は、そんな移り変わりの季節だ。暖冬や温暖化のせいで、新緑の時期も五月初旬から四月中旬ごろに早まるだろう。「美しの五月」の清清しさは四月に渡して、哀しみだけが五月に残るのかもしれない。

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