今日は、浦和の歴史に残る一日となった。我らが浦和レッドダイヤモンズがナビスコ杯決勝で鹿島アントラーズを4-0で制し、Jリーグ発足以来となる、クラブ初タイトルを獲得した。強い浦和レッズに、僕は涙した。
昨年も、同じナビスコ杯決勝の舞台で浦和レッズは闘った。そして初優勝の夢は潰えた。1年前のその日は、僕も国立競技場のスタンドに立っていた。しかし今年はチケットが手に入らず、やむなく自宅でテレビ観戦となった。去年、全身で受け止めたレッズサポーターの大声援は、一生忘れることはないだろう。今日は、あの日を上回る大声援と、歓喜の叫びが上がったはずだ。それを体感できなかったことは、残念だった。しかし、ダフ屋や、ダフ屋まがいの“ネットオークション”で、法外に高い“プラチナチケット”を入手するなんてことは、僕の信条に反する。そんな奴らの懐を潤すくらいなら、テレビでも十分。そしてレッズは、ブラウン管の向こうからでも素晴らしい感動を、僕に与えてくれた。レッズの優勝を告げる笛を聴いたときには、小太郎を抱きしめて喜んだ。まあ、小太郎は嫌がっていたけれど。
国立競技場には行けなかったが、凱旋するチームの面々を迎えに、駒場スタジアムへ出かけた。優勝報告セレモニーが開催されたのだ。小雨の降りしきる中、さすがに1万人ぐらい (当初、5000人と書いていましたが、埼玉新聞の報道によれば約1万の誤りでした)のサポーターしか集まらなかったが、ここでも熱いハートが滾っていた。現チームキャプテンであり、浦和市出身の内舘選手が簡潔な報告を行う。そして、選手たちがスタジアムを一周。こうした光景は、レッズがJ2へ陥落したとき、ペトロヴィッチの最後の試合、そしてJ1へ這い上がったとき、同じ駒場スタジアムで目の当たりにした。これらの3試合では、2万のサポーターがスタジアムにあふれかえっていた。今日は、ここで試合があったわけではない。その分、スタジアムの客席は閑散としている。それでも、 約1万人だ。そして、今日は優勝なのだ。
このあと、リーグ戦でも「レッズ優勝」の光景を見られるだろうか。その日は、いずれやって来る。ハナちゃんとは一緒に見ることができなかった、夢。小太郎に、そのプラチナチケットをハナちゃんは譲ってくれたのだ。