ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2002年11月21日(木)

ハナちゃんが死んでしまってから、半年が過ぎた。5月の眩い日差しから、冷たい曇り空へ季節は変わった。5月に感じる日差しは夏の暑さを予感させる。たとえ同じぐらいの気温だったとしても11月のそれは、冬への抵抗を試みる、寂しげな暖かさを感じさせる。

そう、季節は変わったのだ。一方で、11月には職業訓練校で後期の授業が始まる。ハナちゃんの写真を使ったトレースの課題は、ちょうどこの時期と重なっている。同じ写真が僕のパソコンのデスクトップにも壁紙として飾られている。少し前までは、ハナちゃんの写真を壁紙にはしなかった。自分で描いたハナちゃんのイラストを、それに使っていた。コンピュータに向かう時間が比較的長いので、画面にハナちゃんの写真があると、ついつい想い出や悲しみ、そして後悔の念に引きずり込まれてしまうからだ。ある程度の創作が加わったイラストであれば、客観視することができた。

さすがに半年も経つと、想い出にもある程度は“自然”に接することができるようになった。そして過去に撮りためた写真の中から、印象深いポーズのハナちゃんを探し出し、それをトレースしてイラストを作ったりしている。カメラに関してはたいした技能を持っていないので、そうした写真はピンボケしたものが多く、イラストにすることで想い出を再構成しているわけだ。描き直されたハナちゃんは、ある意味では過去のものではなく、制作している間は“現時点”の存在だ。

曖昧さと鮮明さが混在しているのが人間の「脳」であり、「記憶」そのものである以上、僕はハナちゃんのイメージを、幾度でも再構成する作業を続けていくだろう。

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