ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2002年6月26日(水)

今、僕の隣では猫の「力太郎」が寝ている。薄汚れた、白い大きな猫だ。力太郎はハナちゃんが現れる数ヶ月前に、やはり家の前のゴミ捨て場にやって来た。力太郎は野良猫とは思えないような人懐こさで、餌をねだって頭を擦り付けてきた。黄色がかった白い毛皮にも、ピンク色の肉球にも、野良猫の苦労の跡は見られなかった。捨てられたばかりだったのかもしれない。

数週間、力太郎は家によく遊びに来ていたけれど、ぱったり姿を見せなくなった。やはり飼い猫だったのかな、と寂しく思っていたとき、入れ替わるようにハナちゃんが現れた。ハナちゃんの餌付けに苦労していたとき、風来坊の力太郎が帰ってきた。そして、ここは自分の縄張りだと言わんばかりに、ハナちゃんを追い立てていた。しかし、子猫だったせいもあったのか、ハナちゃんはいつの間にか力太郎に懐いていた。そして、力太郎にくっついて、家にも入るようになった。隣のアパートの床下から力太郎が飛び出すと、後を追って走り出すハナちゃんの姿を何度も見た。

パソコンに向かう僕の隣にある椅子が、力太郎のお気に入りだった。ハナちゃんの場所は、まだなかった。狭い僕の部屋では、2匹の猫の居場所は確保できない。僕が仕事をしているときは膝の上、寝ているときは僕の椅子でハナちゃんは寝ていた。そんな僕の苦労を知っていたとも思えないが、力太郎はまたいなくなってしまった。そして、僕はハナちゃんを飼うことに決めた。ハナちゃんが家に定着した頃、力太郎はまた姿を見せ、この1年ぐらいはよく姿を見かける。しかし、家はハナちゃんの縄張りになっていて、力太郎が入ってくるとハナちゃんが怒るようになった。怒るといっても、小柄で臆病なハナちゃんは、ちょっとだけ威嚇し、あとは僕を間に挟んで様子を伺うだけ。そんなこんなで、2匹がともに暮らすことはなかった。

力太郎も、野良猫暮らしが続いたせいで毛皮は汚れ、傷跡も無数に増えた。食い意地の張っているところは、以前と変わらないが。ハナちゃんがもう怖がることはないので、久しぶりに隣の椅子に力太郎を寝かせてあげた。そういえばハナちゃんの死んだ日、力太郎と見知らぬ猫が1匹、お悔やみの挨拶にやって来た。

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