ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2002年6月14日(金)

昨日は夜の講義がなかったので、夕方浦和に帰ってきた。ハナちゃんはもういないので、以前のようにひとつ手前の浦和駅で電車を降り、繁華街を抜け住宅街を通り、家に帰ってきた。

駅前では本屋に立ち寄り、猫の本を立ち読みした。そこで出会った面白い記述に、「猫に雑種はいない」というものがあった。ネコ科イエネコは単一の種であって、シャムネコ、ペルシャネコ、アメリカンショートヘアといったものは種ではなく、人間が選択繁殖させたバリエーションにしか過ぎない――とのこと。イエネコの祖先はリビアヤマネコだという話は常識だが、それがいくつかの種に別れたのではなく、外見を選んで人間が繁殖に介入した結果が、一部の人たちがありがたがる「血統」というわけだ。

僕は、ペットショップで売られているハイカラな猫より、近所をうろついている普通の猫のほうが好きだ。本来の鼻の突き出た猫の顔を平たく押しつぶしてしまったり、一見して無毛の“毛皮”にしてしまったりする、人間の愚かな繁殖介入には、うんざりさせられる。

犬の話だが、以前、犬の繁殖業者をめぐる殺人事件があった。そのときの報道では、「愛犬家」という呼称が使われていた。友人とその話をしたとき、お互いの意見は「売犬家」と呼ぶことで一致した。まあ犬の場合、「野良犬」はほとんど街中では見かけなくなってしまったが、今でも捨て犬はいる。そして猫の場合は、野良猫は どこにでもいるし、捨て猫も多い。ペットショップには、餌や爪とぎなどを買うときお世話になっているが、 しかし猫を売っていることは受け入れられない。そして、猫を飼うのではなく、買う人たちがいるのも残念だ。

ハナちゃんへの想いは変わることはないけれど、僕は近く子猫をもらうことにした。5匹生まれた中の1匹。行き場のない野良猫を見つけたい、という気持ちもあったけれど、たくさん生まれた子猫たちも、やはり里親を求めている。そんな猫に、血筋は関係ない。ハナちゃんが、そうだったように。

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