タイトル

2005年

「e解説 CorelDRAW 12 機能活用編」発売

㈱イーフロンティア社から、CorelDRAW 12のトレーニングソフト第三弾「e解説 CorelDRAW 12 機能活用編」(税込価格3,800円)が7月8日に発売されます。

「機能説明編」「ツール活用編」に続く本編では、

  • Step1: 「色の原理」に基づいて色指定する
  • Step2: 高度な色/塗りつぶし指定法を学ぶ
  • Step3: テキストの書式指定法を学ぶ

の三部構成で、カラーモデルや色彩理論に則った色の操作方法や、塗りつぶし色の編集方法を扱っています。Step3のテキスト関連では、「テキストのフォーマット」ダイアログの機能を詳細に扱っています。

なお、過去の2編も含めたe解説CorelDRAWシリーズ「優待販売ページ」を、イーフロンティア社が用意してくださいました。定価より20% OFFの価格設定(「機能活用編」は税込3,040円)になっていますので、こちらからご利用ください。

更新: 2005年7月3日

Paint Shop Pro、P&Aからコーレル㈱へ移管

旧Jasc Software社の買収によってCorel製品となっていた画像編集ソフトPaint Shop Proシリーズですが、2005年7月1日以降、国内でも販売元が株式会社P&Aからコーレル株式会社に移管されることになりました。これにより、ユーザーサポート等もコーレル㈱に引き継がれます。

当初、Paint Shop Proシリーズを主力製品としていたP&Aは、Jasc Software買収後もPaint Shop Proの取り扱い継続を表明していましたが、Corel社との代理店契約が6月30日で終了するため、移管が決まったとのことです。

一般向け画像編集ソフトとしての知名度は、Corel PHOTO-PAINTよりもPaint Shop Proの方が上ですから、Corel社が他社にその販売を委ねるのではなく、日本法人(コーレル㈱)に一本化させるのは当然の帰結でしょう。

なお、既存のユーザー登録情報は、個人情報保護法の観点からP&Aからコーレル社へは引き渡されないそうです。コーレル社への再ユーザー登録 は、コーレル社の「ユーザー登録(Paint Shopシリーズ専用)サイト」から行ってください。

更新: 2005年6月28日
部分更新: 2005年7月3日

サイト管理者近況

突然ですが、私の近況報告です。今年度に入り、いくつか受け持っている職業訓練校の講義の内容が再編・拡充されたため、その課題と資料作りに追われています。そのひとつとして、以前から運営していた「浦和探検隊」WebサイトにCSSデザインやJavaScriptを組み込んで作り直す作業にも、趣味も兼ねて没頭しています。

その一方で、CorelDRAW 12の解説PDF作成ですが、全体の1/3程度の文章のみを書いたところで、中断しています。訓練校が夏休みに入ったら、再び執筆を再開する予定ですが、このままいくと、CorelDRAW 13向けになるのでは、などと考えています。とはいえ、13がいつ出るかは分かりませんので、“天職”と考えている訓練校講師の仕事との兼ね合いを計りながら、徐々に進めていこうと思っています。

まあ、最近の中国反日デモやイラクでの邦人拘束事件等を巡り、特にインターネット上では不快な保守主義、民族排外主義的言動が(しかも匿名で)横行しているのを見るにつけ、“日本”語版や“日本”語解説書のために何かをするのは、まるで“日の丸”でも背負わされているかのようで、うんざりさせられることも多いこの頃です。CorelDRAWユーザーには、そうした言動に煽られるような人は少ないことを願って、やるべきことをやっていきたいと考えています。

更新: 2005年5月17日

コーレル㈱、価格改定版
「CorelDRAW Graphics Suite 12 SP」を
5月27日より発売

Corel社の日本法人であるコーレル株式会社は、CorelDRAW Graphics Suite 12の価格を改定した「CorelDRAW Graphics Suite 12 SP」を5月27日から発売するそうです。

CorelDRAW Graphics Suite 12は、通常版が定価88,200円(実売76,000円程度)で販売されていましたが、SP版は定価が52,290円に改定され、2~3万円程度の値下げということになります。このほか、乗り換えアップグレード版、アップグレード版、アカデミック版も用意されています。

  • 通常版 定価52,290
  • 乗り換えアップグレード版 定価41,790円
  • アップグレード版 定価26,040円
  • アカデミック版 定価31,290円

乗り換えアップグレード版は、主要な他社グラフィックス製品(Paint Shop Pro等、一部Corel製品を含む)を対象としているので、実質的にほとんどのユーザーが購入できそうです。詳細は、コーレル社サイトを参照してください。

アップグレード版は、CorelDRAW Graphics Suite 12を含む、CorelDRAW Graphics Suite、CorelDRAW、PHOTO-PAINTの旧バージョンが対象です。ただし、11以前のユーザーにはアップグレードの価値がありますが、12の場合は、敢えてSPにアップグレードする必要は無いでしょう。

旧12とSPの構成製品では、「CorelDRAW Design Collection Volume 1」がSPに追加されています(購入者にダウンロードで提供するようです)。CorelDRAW Design Collectionは、専用のインターフェイスで選択できるテンプレート集で、Corel本社ではVolume 1、2、3がそれぞれ単体で発売されています。私はこれらを入手していないので、詳しい内容は分かりません。Corel本社サイトでは、見本を閲覧することができます。この見本から察するに、やはり海外向けの内容、デザインで構成されたテンプレートのようです。

オマケ情報として、国内販売があるかどうかは知りませんが、CorelDRAWの「刺繍」ソフト、「Corel DRAWings」がバージョンアップされ、Corel DRAWings 2になっています。また、上位版のCorel DRAWings 2 Proもラインナップされています。Corel DRAWingsは、CorelDRAWのインターフェイスと描画機能を持ち、描いたベクトルグラフィックスを刺繍のパターンに変換できる、繊維・衣料品業界向けのアプリケーションです。これらは、Corel社サイトで販売されています。

更新: 2005年5月17日

Corel社日本法人設立発表会

1月20日、カナダ大使館でCorel社日本法人「コーレル株式会社」の設立と、「Corel Painter Ⅸ」の発表会が開催され、私も出席してきました。

Painter Ⅸに関しては、詳しくはPainterユーザーの間で話題に上がると思いますが、個人的には「アーティスト オイル ペイント」という油絵を完全に再現するような機能に、興味を持ちました。

それはそれとして、以前もこのようなニュースを扱ったと思いますが、今回の「Corel日本法人」再設立は、2003年にベクターキャピタル社に買収されたCorel本社の業績回復、それを受けたCorel社による「PaintoShop Pro」のJasc Software社買収といった流れを受け、日本市場の重要性を再認識した上での結果ということだそうです。以前のMicrografx社買収により自動的に設立された「コーレル株式会社」は、ベクターキャピタルがCorel買収に乗り出した頃のリストラ策によって、すでに消滅していました。

まあ、いろいろと複雑な過程を経てきたCorel社の“日本戦略”ですが、ここでやっとCorel日本法人が、本社の意向によって確立されたというわけです。代表取締役社長には、Ulead社日本法人の社長だった下村慶一氏が就任しています。本人曰く、「日本市場を知り尽くしている」そうなので、販売面でのてこ入れには期待できそうな雰囲気でした。

この結果、Corel製品の販売やサポートも、現販売代理店の㈱イーフロンティア社からコーレル㈱にすべて移管されるそうです。登録ユーザーに対しても、3月中旬ごろまでに変更通知が届くとのことです。メーカーと販売窓口の一本化が、やっと実現されることになりました。

また、以下のような疑問点があったので、発表会場で質問してみました。

  1. PaintoShop ProユーザーもCorelユーザーになるのか?
    PaintoShop ProユーザーもCorelユーザーである
  2. CorelDRAWやCorel DESIGNERなどのCorel製品ユーザー向けPainter Ⅸ優待販売はあるのか?
    現時点では用意されていないが検討する
  3. CorelDRAWの日本市場向けた今後の展開は?
    テンプレートなどの充実を図りたい

そして、上記のような回答を得られました。「1」については、私もJasc Software社買収のついでにPaintShop Pro 9を購入していたので、Corel、イーフロンティア、P&Aのどこの管轄になるのか、確かめてみました。「2」に関しては、個人的に「アーティスト オイル ペイント」で油絵を描いてみたいと思ったので、CorelDRAWユーザーがPainterを少しでも安く買えないのかなぁ、と思い尋ねました。「3」についてはCorelDRAWユーザーとして当然の関心事なのですが、今回はPainterの発表会ということもあり、まだ具体的な内容まで踏み込んではいないようでした。それでも、受けた感触は、今後に期待大というところです。

なお、コーレル株式会社のWebサイトは、以下のアドレスで新設されています。
http://www.corel.jp

更新: 2005年1月20日

2004年

「e解説 CorelDRAW 12 ツール活用編」発売

CorelDRAWの販売元㈱イーフロンティア社から、CorelDRAW 12のトレーニングソフト「e解説 CorelDRAW 12 ツール活用編」(税込価格5,040円/JANコード: 4528992010365)が11月26日に発売されます。

「ツール活用編」は、現在発売中の「e解説 CorelDRAW 12 機能説明編」の続編で、ベジェ曲線による作図法、オブジェクト���形状合成、スナップ機能、インタラクティブツールやアートメディアツールの使用法、Web用エクスポート機能などを取り上げています。

「機能説明編」は初歩中の初歩を扱っていますが、「 ツール活用編」ではその対象をCorelDRAWの多彩な機能にまで広げたうえで、初心者向けに解説してあります。

もちろん「 ツール活用編」の内容も、私が制作しています。

更新: 2004年10月25日

CorelDRAW Graphics Suite 12 EPSインポート アップデートファイル提供開始

CorelDRAWGraphics Suite 12で、EPSファイルのインポートに関する問題を修正するアップデートファイルの提供が開始されました。日本語版を含む多言語対応(簡体字中国語のみ別ファイル)のアップデートファイル「CGS12EPSMultiPatch.msi」を同社サイトからダウンロードできます。

今回の修正は、「フォントが埋め込まれていないEPSファイルをインポートする際にCorelDRAWでファイルが開かない」問題を解決するそうです。アップデートファイルをインストールすると、「Program Files\Corel\Corel Graphics 12\Programs」フォルダにある「CdrPsi.dll」ファイルが置き換えられ、「1.0.0.537」にバージョンアップします。

更新: 2004年10月21日

Corel社、Jasc Software社を買収

Corel社の発表によると、同社は「Paint Shop Pro」で有名なJasc Software社を買収しました。

「Paint Shop Pro」は初心者もしくはビジネスユーザー向けのビットマップ画像編集アプリケーションで、Windowsのこの分野では古くからシェアウェアとして普及し、現在ではパッケージ版でも販売されています(国内ではP&A社が販売元)。 はっきり言って、国内外での知名度はCorel PHOTO-PAINTよりも上でしょう。このアプリケーションが、今後はCorelグラフィックス製品のラインナップに加わることになります。

今回の買収は、Paint Shop Proを獲得し、デジタルカメラ画像の編集を主とする初心者からビジネスユーザー層への浸透を図るものといえます。このため、今後もPaint Shop Proシリーズは開発販売されることになります。一方、CorelDRAW Graphics Suiteの一角を占めるPHOTO-PAINTも今後とも開発され、PHOTO-PAINTもしくはPaint Shop Proが、お互いの存在に取って代わることはないそうです。

かつて、Micrografx社がCorel社に買収された際、Picture Publisherが消滅してPHOTO-PAINTに一本化されましたが、今回の買収によるアプローチは、これとは異なるようです。実際のところ、Paint Shop Proにはプロフェッショナルユーザー向けの機能は持っていません。PHOTO-PAINTとPaint Shop Proの住み分けは、キッチリと行われるようです。

「Painter」の取得では成しえなかったCorelユーザーの裾野の拡大が、Paint Shop Proの獲得によって今度こそ実現されるかもしれません。

更新: 2004年10月15日

「e解説® CorelDRAW 12 機能説明編」発売

CorelDRAWの販売元㈱イーフロンティア社から、CorelDRAW 12のトレーニングソフト「e解説 CorelDRAW 12 機能説明編」(税込価格5,040円/JANコード: 4528992009956)が10月22日に発売されます。

「e解説」シリーズは、実際の操作をキャプチャしたムービーと解説のナレーションで構成された、パソコンで「見る」解説書です。今回発売される「機能説明編」は、主に初心者を対象として、CorelDRAW 12の基本機能を解説したものです。

ムービー主体のソフトウェアであるため、容量の都合ですべての「基本」機能をこの1本で網羅しているわけではありません。CorelDRAW e解説の第一弾として、もっとも「基本」となる部分から解説を始めています。はじめてCorelDRAWを手にした方に、特にお奨めします。

ちなみに、このe解説の内容は、私が制作しています。

更新: 2004年9月26日

CorelDRAW Graphics Suite 12 Service Pack 1 提供開始

CorelDRAW Graphics Suite 12の修正プログラム、「Service Pack 1」の提供が開始されています。英語版は既に提供されていましたが、日本語版を含む各国語版も、Corel社のダウンロードサイトに掲載され、利用が可能になっています。日本語版は、同サイトから

  • CorelDRAW Graphics Suite 12 SP1 Full/Upgrade (Japanese)

をクリックし、さらに「Continue your download」をクリックしてダウンロードページに進んでください。ダウンロードページではActive Xによるダウンロードプログラムがインストールされ、それを使ってService Pack 1ファイル(CGS12SP1JP.msi)のダウンロード始まります。ダウンロード後に「CGS12SP1JP.msi」を実行して、Service Pack 1を適用してください。

ちなみに、Windows XP Service Pack 2 ではInternet Explorerがアップデートされていて、Active X版ダウンロードプログラムのインストール時に警告が表示されます。このActive Xは信頼して、実行を許可してください。

CorelDRAW Graphics Suite Service Pack 1の修正内容は、こちら(PDFファイル)で確認できます。

更新: 2004年9月4日

Corel社 日本語ニュースグループ開設

Corel社日本語サポートサイトに引き続き、サポートニュースグループも開設されました。 同社ニュースグループ「cnews.corel.com」に追加された、「corel.international.japanese.graphics」がCorelグラフィックス製品を扱う日本語ニュースグループです。

「cnews.corel.com」は、基本的に英語のニュースグループで構成されていましたが、これで日本語によるユーザーの情報交換の場が、公式に開設されたことになります。同社のサポート体制が、向上している証でしょう。

あとは、このニュースグループが、ただの苦情・不満・バグの粗探しといった内容に終始せず、中身のある展開がなされるよう期待するとともに、私も参加していきたいと思います。

更新: 2004年6月17日

Corel社 日本語サポートページ開設

Corel社による日本語のサポートサイトが開設されました。

国内販売元の㈱イーフロンティア社サイトにもCorel製品のQ&Aページ(ユーザーサポート)はありますが、Corel社のサイトは、オンラインでのカスタマサポートを提供する、本格的なものになっています。

同サイトではユーザー登録(製品のユーザー登録とは別です)が必要になりますが、サポート情報が翻訳され、日本語で検索もできるようになっています。さらに、同サイトからのメール送信による質問にも対応し、「Myページ」で問い合わせ状況の確認も可能です。

これまでCorel社のオンラインサポートは、英語での情報提供が主で、同社による日本語でのサポートはほとんどありませんでした。今回の日本語サポートサービス追加で、CorelDRAW Graphics Suiteや他のCorel製品に対するユーザーの“安心感”が向上することを、期待します。

更新: 2004年6月5日

CorelDRAW Graphics Suite 12 印刷問題の修正

CorelDRAW Graphics Suite 12の「印刷の不具合」を修正する、新たな修正プログラム(CorelDRAW Graphics Suite 12 Print Fix update)の提供が開始されました。現在のところ、Corel社ダウンロードサイトに、英語版のみがアップされています。

更新: 2004年6月5日

CorelDRAW 12 解説書 延期のお詫びとお知らせ

下記のお知らせで、当方で企画しているPDF版解説書を6月初旬に発表する旨の情報を掲載しましたが、諸般の事情により、延期させていただきます。誠に申し訳ありません。

諸般の事情とは、

  1. 他の形式でCorelDRAW 12の解説を制作する可能性が出てきたため、そちらに専念
  2. 4、5月中は仕事の教材作成に大幅に時間を取られてしまった

という次第です。

「1」の事情に関しては、近いうちに詳細を公表できると思います。PDF版解説書に関しては、一部内容を「1」へ振り向けるため、より専門的(もしくはマニアック)な内容にまとめ、仕事の夏休み期間(8月上旬~中旬)に完成させたいと思っています。 ちなみに、「CorelDRAW」ページに掲載した「CDGS12セットアップガイド」は、マニアックな「解説」として用意していたものを、小出しにしてみました。

更新: 2004年6月5日

CorelDRAW Graphics Suite 12 日本語版
5月28日発売

Corel製品の国内販売元となったイーフロンティア社の発表によると、CorelDRAW Graphics Suite 12 日本語版は5月28日に発売開始されるそうです。通常版、アップグレード/乗換え版、アカデミック版の3つが用意されており、価格はオープンプライスとなっています。英語版同様、今バージョンではMacintosh対応は見送られ、Windows版のみが提供されます。

また、同社サイトにはCDGS 12の製品情報も掲載されています。

なお、当方で企画しているCorelDRAW 12の解説書は、日本語製品版での動作を確認してから発表したいので、完成は5月末から6月初旬になると思います。

更新: 2004年4月26日

CorelDRAW Graphics Suite 12
ファイル保存問題の修正

CorelDRAW Graphics Suite 12の「ファイル保存の不具合」を修正するプログラムの提供が開始されました。CorelDRAW Graphics Suite 12の「Patches and updates」ページよりダウンロード可能な「CGS12SaveFixEN.msp」ファイル(Windows インストーラ修正プログラム)です。左記英語版のほか、既に発売されているドイツ語、スペイン・ブラジル(ポルトガル)語、フランス・イタリア・オランダ語の各版用および「License Media Pack」用が用意されています。未発売の日本語版用は、もちろん存在しません。

なお、CDGS12には「Corel Update」プログラムが添付されていて、こちらでもアップデートを検出できるのですが、Corel Update経由のアップデートもしくはダウンロードは、試してみたところ、現時点ではサーバのエラーで失敗してしまいました。

今回の修正は、CorelDRAWでのファイル保存時に「ディスクに空き容量が無い」といったエラーが表示され、ファイルの保存ができないという不具合を修正するもの、ということです。なかなか“致命的”な不具合ですが、私の環境では、今まで遭遇したことはありませんでした。

今回の修正は、Service Packという比較的大規模で時間のかかる形式だけではなく、個別の不具合に対してそれなりに迅速に、なおかつこまめに対応しようとするCorel社の姿勢を、体現しているのでしょう。

更新: 2004年3月30日

Corel製品の販売窓口がイーフロンティア社に移管

㈱メディアヴィジョンおよび㈱イーフロンティアの発表によると、国内でのCorel製品販売窓口が本年3月22日よりメディアヴィジョンからイーフロンティアに移管されることになりました。イーフロンティアが販売、製品情報提供、サポートを引��継ぎ、メディアヴィジョンは製品開発(ローカライズ)のみを担当するそうです。

イーフロンティアは、3DCGソフト「Shade」などを取り扱っているソフトウェア開発・販売会社です。CorelDRAWについていえば、英語版と中身がほとんど共通している日本語版(特にCorelDRAW Graphics Suite 12はプログラム本体はまったく同一で、変更可能な多言語インターフェイスのひとつとして“日本語版”が存在するだけです)はCorel本社で開発されているので、“ローカライズ”といってもその比重は低く、今回の決定は、実質的に販売窓口が変わるだけ、ということになります。イーフロンティアがどのような販売戦略を持っているのかわかりませんが、窓口をたらい回ししているだけ、などというような状況は避けてもらいたいものです。

イーフロンティアの販売努力がCorelDRAW Graphics Suite 12の知名度向上に貢献することを望みますが、いずれにしても当サイトでは販売窓口の変更に左右されること無く、下記告知にあるとおり、地道にCorelDRAW Graphics Suiteの情報提供を継続していきます。

更新: 2004年3月18日

解説書「CorelDRAW 12 Design Guide Book(仮)」制作情報

既に英語版CorelDRAW Graphics Suite 12が発売されましたが、予定されている日本語版に向けて、解説書「CorelDRAW 12 Design Guide Book(仮題)」の執筆を準備しています。これは、紙媒体の書籍ではなく、PDF版で自主制作します。提供方法等は未定です。完成は、10週間程度(すなわち、5月中旬)を予定しています。

内容は、以下のようなものになります。

1. はじめに

2. CorelDRAW Graphics Suiteとは

3. CorelDRAW 12の新機能と改良

3.1. 外観

3.2. 正確な図形を描く

ダイナミックガイド
「オブジェクトにスナップ」の拡張
スマート描画ツール

3.3. ツールの改良

Windows XP標準ダイアログ
スポイトツール
インポートカーソル
シンボルマネージャ
3点指定描画ツール
仮想セグメントの削除ツール
オブジェクトデータマネージャ
作業領域のカスタマイズ
インポート/エクスポート
Officeエクスポートの最適化
PDF
SVG
Corelアップデート

3.4. テキスト

テキスト表示
テキストの整列
日本語OpenType対応

3.5. 多言語機能

Unicode対応
日本語入力での対応
テキストへのエンコード指定
インポート/エクスポート時のエンコード指定
「テキストの挿入」ドッキングウインドウ
インターフェイス言語の切り替え

4. 画像の基礎

4.1. ベクトル

4.2. ビットマップ

4.3. 色

4.4. ファイル形式

5. CorelDRAW 12基本操作ガイド

5.1. セットアップ

5.2. インターフェイス

5.3. 環境設定

5.4. ベクトル図形の描き方

パスの作図
塗りつぶしと輪郭線
編集

5.5. ファイルの保存と読み込み

6. CorelDRAW 12機能ガイド

6.1. ファイル

6.2. 編集

6.3. 表示

6.4. レイアウト

6.5. アレンジ

6.6. 効果

6.7. ビットマップ

6.8. テキスト

6.9. ツール

6.10. ウインドウ

6.11. ヘルプ

6.12. 印刷

6.13. PDF

6.14. Web

7. CorelDRAW 12ツールガイド

7.1. プロパティバーの概要

7.2. ステータスバー

7.3. 選択ツール

7.4. 形状の編集ツール

整形ツール
ナイフツール
消しゴムツール
染み付けブラシ
ラフブラシ
自由変形ツール
仮想セグメントの削除ツール

7.5. ズームツール

ズームツール
スクロールツール
ビューマネージャ
マウスホイールの利用

7.6. 曲線ツール

フリーハンドツール
折れ線ツール
ベジェツール
ペンツール
3点指定曲線ツール
インタラクティブコネクタツール
寸法線ツール
アートメディアツール

7.7. スマート描画ツール

7.8. 基本図形ツール

長方形ツール
3点指定長方形ツール
楕円形ツール
3点指定楕円形ツール
グラフ用紙ツール
多角形ツール
らせんツール

7.9. PerfectShapeツール

基本形
矢印形
フローチャート形
星形
コールアウト形

7.10. テキストツール

テキストツール
「テキストのフォーマット」ダイアログ

7.11. インタラクティブツール

インタラクティブブレンドツール
インタラクティブ等高線ツール
インタラクティブ歪曲ツール
プッシュ/プル歪曲
ジッパー歪曲
ツイスト歪曲
インタラクティブドロップシャドウツール
インタラクティブエンベロープツール
インタラクティブ押し出しツール
インタラクティブ透明ツール

7.12. スポイトツール

スポイトツール
ペイントバケツツール

7.13. 輪郭/塗りつぶしツール

「輪郭ペン」ダイアログ
「輪郭カラー」ダイアログ
「標準塗りつぶし」ダイアログ
「グラデーション塗りつぶし」ダイアログ
線形
放射状
円錐
形正方形
「パターン塗りつぶし」ダイアログ
2色カラー
フルカラー(ベクトルパターン)
ビットマップ
「テクスチャ塗りつぶし」ダイアログ
「PostScript塗りつぶし」ダイアログ
「カラー」ドッキングウインドウ
インタラクティブ塗りつぶしツール
メッシュ塗りつぶしツール

7.14. ドッキングウインドウ

シンボルマネージャ
ビットマップカラーマスク
文字の挿入
プロパティ
オブジェクトマネージャ
オブジェクトデータマネージャ
リンクマネージャ
元に戻す
インターネットブックマークマネージャ
アートメディア
レンズ
変形
整形
カラーパレットのブラウザ
カラースタイル
グラフィック/テキストのスタイル
スクラップブック
Webコネクタ

8. CorelDRAW 12 の活用

8.1. 芸術的なイラストを描く

8.2. ページをレイアウトする

8.3. 商業印刷

8.4. Webページを作る

8.5. CorelDRAW 12のカスタマイズ

9. 終わりに

CorelDRAWの解説書はバージョン9以降存在していませんが、そろそろこうした閉塞状況を打開するために、再び“筆を執る”ことにしました。私のCorelDRAW 12に関する知識をすべて投入する他、職業訓練校の講義をしながら身に付けた解説技法やAdobe Illustrator(ただしVer.10)との比較も応用していくつもりです。完成はまだ先になりますが、ご期待ください。

更新: 2004年3月1日

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DRAWings(CorelDRAW DRAWstitch Edition)発表

Corel社の発表によると、CorelDRAWのアパレル産業向けバージョン、「DRAWings —CorelDRAW DRAWstitch Edition—」(英語版)が発表されました。DRAWstitch社の製品としてOEM提供されたものです。既に発売も開始されています。

このDRAWingsは、CorelDRAWの描画エンジンとインターフェイスを備えるとともに、描画したグラフィックスをタブの切替で刺繍ししゆうのイメージに変換するDRAWstitch社の技術が統合されています。さらに、そのデータを織物機器用データとして出力する機能を持つようです。刺繍のデザインをドローソフトで作成し、その実物イメージを簡単に確認・プレゼンテーションできるわけです。さらに、そのデータから実際のアパレル製品を生産するというワークフローが実現できます。

当然、一般向けの製品ではないので、Corel社サイトでの直販価格も999ドル(米国内価格。約10万円)と高価です。とはいえ、こうした形でCorelDRAWの裾野が各種産業に広がっていくことは、興味深いことです。CorelDRAWの建築・設計分野向けバリエーションがCorel DESIGNERであり、さらにアパレル産業向けとしてDRAWingsがファミリーに加わったのです。この製品が普及すれば、アパレル産業界のデザイナーにCorelDRAWユーザーが拡大されるでしょう。これが、国際的な繊維産業の集積地である中国への、Corel製品浸透の足がかりになるかもしれません。

また、刺繍イメージへの変換技術だけでも、「特殊効果」として通常のCorelDRAWに“逆輸入”されれば、表現力の向上に寄与するでしょう。まあ、これは私の希望的観測ですが。

なお、DRAWingsのデモ画面は、Corel社サイトの製品情報ページで参照できます。

更新: 2004年3月1日

CorelDRAW Graphics Suite 11 Service Pack 2 詳細情報

下のニュースで紹介したCorelDRAW Graphics Suite 11のService Pack 2の詳細情報がCorel社サイトのサポートページに掲載されました。

今回提供される修正プログラム「CGS11SP1_SP2.EXE」は、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ブラジル(ポルトガル)語、オランダ語の各Windows版専用 です。CorelDRAW Graphics Suite 11日本語版や単体版などには適用できません。

また、「CGS11SP1_SP2.EXE」は昨年3月に提供開始されたService Pack 1も含んだ内容になっていて、初期出荷の「Ver.11.633」とService Pack 1適用済みの「Ver.11.693」の、いずれにも適用可能です。

主な修正内容は以下のとおりです。

 

Service Pack 2の修正点

 

全般

  • CorelDRAWとPHOTO-PAINT間でのコピー&ペーストの問題を修正
  • 「整列/配置」ダイアログの不整合を修正
  • テンプレートを開くとカスタム作業領域が失われる問題を修正
  • TruTypeとType1フォント間の問題を修正
  • CPTファイルの右クリックによる印刷での問題を修正
  • シンボルオブジェクト選択時に塗りつぶしツールをダブルクリックしたときの問題を修正
  • ブラジル語版での[Page Down]キーによるページ挿入の問題を修正
  • テキストを選択して「選択オブジェクトのみ」保存を行ったとき、テキストが失われる問題を修正

印刷とプリプレス

  • PostScriptフィルタでEPSを保存する際の色の問題を修正
  • 「PANTONE」パレットの検索の問題を修正
  • インポートしたPDFファイルを再エクスポートするときの問題を修正
  • インポートしたIllustratorファイルの印刷の問題を修正

フィルタ

  • SVGエクスポートでオーバーラップの問題を修正
  • DSF(Micrografx Designer)ファイルのインポートで、回転したオブジェクトの輪郭線処理(ラインキャップの処理)の問題を修正
  • 「Webイメージの最適化」によるマスク付きPNGファイルのエクスポートの問題を修正
  • 「PDFに書き出し」でシンボルが重複コピーされる問題を修正
  • HPGLにおける自動ウェルド、プロッタ、拡大縮小、ハッチングパターンの問題を修正

ちなみに、以前から気になっていた、「インタラクティブ押し出しツール」プロパティバーにある「照明」ドロップダウンパネルのグリッドのズレは、残念ながらSP2でも修正されていません。ドッキングウインドウで代用するか、問題の無いCorelDRAW 12を使いましょう。

なお、Service Pack 1での修正点も紹介されているので、列記しておきましょう。

Service Pack 1の修正点

全般

  • CDGSとは異なる言語のOSで使用する際のテキスト入力の改善
  • 作業領域管理の問題の修正
  • Iomega ZIPドライブへのファイル操作の安定性改善

フィルタ

  • 「PDFへの書き出し」でPDF/X-1aおよびPDF/X-3形式の追加
  • 「PDFへの書き出し」で日本語プロポーショナルTrueTypeフォント埋め込み時の問題を修正
  • 「Corel Grafigo」で作成したSVGファイルの読み込みに対応
  • SVGエクスポートで日本語テキストに対応
  • CorelDRAWからのTIFFエクスポートで「透明バックグラウンド」オプションの有効化(ただし、オブジェクト形状はアルファチャンネルとして保存)
  • PNGエクスポートで透明バックグラウンドを正しく処理するように修正
  • CorelDRAWからのPHOTO-PAINTファイルエクスポートで、レイヤを維持した場合のテキスト消失問題を修正
  • CorelDRAWからのPhotoshopファイルエクスポートで、レイヤとテキストを正しく処理するように修正
  • GIFエクスポートでマスク選択範囲による透過設定が正しく処理されるように修正

CorelDRAW 11

  • 作業領域の安定性を改善
  • 作業領域ファイルを半角128文字以上のパス名で保存できるように修正
  • シンボルオブジェクト処理の改善と修正
    コピー&ペーストによる別ファイルへのシンボルの移動に対応
    立体化オブジェクトのシンボル化に対応
    ロールオーバーオブジェクトを含むシンボルの安定性を改善
  • ペンツールによるコントロールポイントのダブルクリックで、ノードが削除されないように修正
  • ベジェツールによる終点ノードのダブルクリックで、パスを延長して描画されるように修正
  • 消しゴムツールがタブレットペンの筆圧に正確に対応するように修正
  • ペンツール使用時の画面表示の問題を修正
  • ロールオーバーオブジェクトを含むファイルでの、「ドキュメント情報」ダイアログの問題を修正
  • 3点指定描画ツールのスナップが機能するように修正
  • 左手用マウス設定でもフォントリストがスクロールするように修正

Corel R.A.V.E. 2.0

  • ファイルのインポート決定に、[Enter]キーが使用できるように修正

PHOTO-PAINT 12

  • 「ゆがみの補正切り抜きツール」での切り抜き時に、指定した範囲が1ピクセルずれる問題を修正
  • ブラシの機能の問題を修正
  • ロールオーバーの処理を改善
  • Web関連のエクスポート機能、「Webイメージの最適化」等の処理を改善
  • 小さなサイズのイメージを処理する際の安定性を改善

といった内容です。

ちなみに、Service Pack 1の一部の修正項目は、CDGS 11日本語版にも取り込まれています。CDGS 11 Service Pack 2の日本語版が提供されるかどうかは怪しいものですが、CDGS 12からはこうした言語間の修正版の差は、大幅に改善されることが予測されます。なぜなら、CDGS 12は本体部分が完全に言語別インターフェイスから切り離されたプログラムになっているからです。英語、日本語等のインターフェイスは、ほとんどがダイナミックリックライブラリ(DLL)ファイルとして言語別にパッケージ化され、本体とリンクする構造になっています。

今回も、英語版ユーザー向けの情報になってしまいましたが、CDGS 12からは、修正版の報告が“英語版限定”にならないことを期待したいものです。

更新: 2004年2月12日

Corel FTPサイト ダウンロード情報

Corel社サイトのダウンロードページより、新バージョン「CorelDRAW Graphics Suite 12」(英語版)の体験版(ファイルサイズは186MB)がダウンロード可能になっています。

また、 同ページにはまだ掲載されていませんが、Corel社FTPサイトより2つの注目すべきファイルがダウンロード可能になっています。

ひとつはCDGS 12向けの追加KPTプラグイン(「KPT Filters.exe」ファイル)で、KPT 5、KPT Goo、KPT effectの一部(ShapeShifter、Hyper Tiling、FraxFlame II、Lightning、Fluid、Goo)を抜粋したものです。

PHOTO-PAINT 12の新機能といえば「補正ブラシ」ぐらいしか目立ったものは無かったので、追加サービスなのかもしれません。CDGS 12製品版のCD-ROMにもこれらの追加プラグインは収録されていません。機能は、KPT製品版と同様です。とくにKPT effectの「Lightning」(稲妻効果)が利用できる点は、特筆に価します。

もうひとつは、CorelDRAW Graphics Suite 11(英語版)のService Pack 2(「CGS11SP1_SP2.EXE」ファイル)がアップロードされています。修正内容等の詳細は、今のところ不明です。新バージョン発売後に旧版のService Packが提供されたのは、CorelDRAWでは初めてのことですので、やはり特筆に価するでしょう。

更新: 2004年2月11日

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Corel DESIGNER 新バージョン
「Corel DESIGNER Professional SG」発表

Corel社は、Corel DESIGNERの新バージョン、「Corel DESIGNER Professional SG」を発表しました。

Corel DESIGNERは、旧Micrografx社の買収によりCorel製品となったドローソフトですが、前バージョン(DESIGNER 10)よりそのオリジナルプログラムは破棄され、CorelDRAWのプログラムをベースにしたテクニカルイラストレーション向けのバリエーションとして生まれ変わりました。

先頃12にバージョンアップしたCorelDRAWにも強力な「オブジェクトにスナップ」機能が追加され、3点指定描画ツールも完全に動作するようになるなど、DESIGNERのテクニカルイラストレーション機能の多くはCorelDRAW 12へ吸収されてはいますが、DESIGNER Professional SGでは3D CADデータの読み込みに新フィルタを追加するといったように、製図・設計分野での対応強化を図ったものといえます。

また、DESIGNER 10はCorelDRAW 11をベースにしていましたが、DESIGNER Professional SGはCorelDRAW 12がベースになっています。このため、CorelDRAW 12の基本的な機能をDESIGNER Professional SGも継承しています。ただし、DESIGNER 10同様、カラー分解出力などの機能は省かれています。

なお、こちらから「Reviewer's Guide」(英語・PDF版)を参照できます。

更新: 2004年2月11日

次期バージョン「CorelDRAW Graphics Suite 12」、
2004年2月発売

Corel社の発表によると、CorelDRAW Graphics Suiteの最新バージョンである「CorelDRAW Graphics Suite 12」(以下、CDGS12)が発表されました。従来どおり、ドロー/レイアウト「CorelDRAW 12」、フォトレタッチ/ペイント「Corel PHOTO-PAINT 12」、Webアニメーション「Corel R.A.V.E. 3」の3アプリケーションで構成されます。

主要な新機能/機能拡張は、以下のとおりです。

  • 新機能: スマート描画ツール(Smart Drawing Tool)
    マウスやペンタブレットでなぐり書き(スケッチ)したものを、楕円形、三角形、矩形、平行四辺形、矢印といった形状のオブジェクトに自動的に変換するツールです。よりテクニカルなラフスケッチを作成する、ラフスケッチからそのままレイアウトを起こす、イラストの構図をベクトルオブジェクトで構成する、といった用途に役立つでしょう。CDGS12はタブレットPCにも対応しているので、ペン入力による作図の可能性が広がります。
    なお、Corel社のタブレットPC向け製品に「Corel® Grafigo」というアプリケーションがありますが、それに搭載されていた機能の一部を移植したといえます。
  • 新機能: ダイナミックガイド(Dynamic Guides)
    基本図形や曲線などで作図/編集する際、他の作図済みオブジェクトのコーナー、ノード、中心点、辺などに作図ツールを近づけると、一時的にガイドラインが表示されるようになりました。ガイドラインの基準となったポイントと、現在のカーソル位置までの距離も表示されます。
  • 機能拡張: オブジェクトにスナップ
    オブジェクトに対するスナップ(吸着)機能が強化れました。11で拡張されたセグメントの中間点のほか、交点、中心点、象限、接線、垂直線、エッジ(輪郭線上)、テキストベースラインにスナップし、カーソルが近づくとそれぞれに応じたマーカーが表示されます。ダイナミックガイドと合わせて使用することで、正確なオブジェクトの配置が可能になります。
    なお、11にあったバウンディングボックスへのスナップは省かれたようです。この機能は、ダイナミックガイドで置き換えられるからでしょう。
    Corel DESIGNER 10のテクニカルイラストレーション向け作図機能が、CorelDRAW/R.A.V.E.にも移植されたといえます。
  • 機能拡張: テキスト機能
    テキスト操作時の表示の改善や、オブジェクトの整列の際、テキストのバウンディングボックスだけでなくベースラインの端を対象にできるようになっています。
  • 機能拡張: Unicode対応
    CDGS12は、テキストの処理をUnicodeで行うようになりました。10や11の独自処理から、より標準的で安定した多言語対応ができます。Unicode専用記号の入力等もでき、「文字の挿入」ドッキングウインドウも改良されています。また、旧バージョンや他ソフトの異言語ファイルをUnicodeに変換するため、読み込み時にコードページを指定できるようになっています。
  • 新機能: オフィスにエクスポート(Export for Office)
    Microsoft OfficeやWordPerfect Officeに最適な画像をエクスポートするためのダイアログが用意されました。「Webイメージの最適化」のOffice版といったところでしょう。ダイアログでエクスポート先(MSかWPか)、画像の最適化(互換性: PNG形式/編集: EMF形式)、出力対象(表示/デスクトップ印刷/商用印刷、つまり解像度)を設定し、プレビューを確認できます。
  • 新機能: 補正ブラシ(Touch-up Brush)
    PHOTO-PAINT 12に追加された、画像の傷や汚れを修復するブラシツールです。11では効果フィルタとしてこの機能が用意されていましたが、12ではブラシ操作で容易に作業できます。

このほか、インポート時に画像情報を表示するようになった「インテリジェント インポートカーソル」、オブジェクトのサイズ・回転・配置(座標)や特殊効果も抽出/適用できるようになったスポイト/ペイントバケツツール、複合パスオブジェクトのサブパスを削除する仮想セグメントの削除ツール(DESIGNER 10より採用)、シンボルをライブラリ化して管理できる「シンボル マネージャ」の搭載(DESIGNER 10より採用)などの新機能/機能拡張があります。

さらに付け加えておくと、CDGS12ではインターフェイスの言語を複数選択し、その切り替えが可能になっています。インターフェイスに応じて、ヘルプも言語が切り替わります。ただし、今回発売される英語版製品に日本語インターフェイスも組み込まれるかどうかは定かではありません。CDGS12の「Reviewer's Guide」に掲載されている画面写真では、「Japanese」オプションは存在するものの、淡色表示になっています。

CDGS12のおおまかな印象は、いわゆる「クリエイティブ」なツールや機能よりも、実務的な面の改良に重点が置かれている感じです。当サイトでも、2月には詳細な情報を提供できると思いますが、いずれにしてもCDGS12には期待できるでしょう。

なお、こちらから「Reviewer's Guide」(英語・PDF版)を参照できます。

更新: 2004年1月13日

2003年

Corel SVG Viewer 2.1

Corel社のダウンロードサイトより「Corell SVG Viewer 2.1」のダウンロードが、少し前(9月上旬ごろ)から可能になっています。ビルド番号は「02.1.0.440」です。

なお2.1でも、CorelDRAW 11で作成した日本語テキストを含むSVGを、正しく表示できません。Adobe SVG Viewerでは同じファイルを問題なく表示できるので、やはりCorel SVG Viewerの処理に問題があるようです。

ただしグラデーションなどの表示品質は、Adobe SVG ViewerよりもCorel SVG Vieweのほうが性能が良いようです、もしくは、CorelDRAWで生成したグラデーションに最適化されているのかもしれません。

更新: 2003年9月24日

Corel DESIGNER 10 Service Pack 1 提供開始

Corel社のダウンロードサイトよりCorel  DESIGNE 10の「Service Pack 1」の提供が開始されました。ビルド番号は、「10.407」から「10.434」に上がります。DESIGNER 10は既に日本語版も発売されていますが、今回提供されているService Packは英語版用だけでなく、日本語版用のもの(「Corel DESIGNER 10 Service Pack 1 - Japanese」)も存在しています。なお、DESIGNERと一緒にインストールされている「Corel アップデート」で「今すぐチェック」を行っても、現在のところService Pack 1は見つかりません。上記サイトから、ファイルをダウンロードする必要があります。

このService Pack 1によって追加される機能は、CorelDRAW 11にある「3点指定曲線ツール」、従来版DESIGNERの機能を補完する「形状プロパティ ダイアログ」(「Geometric Information」ダイアログ)などです。ただし、同ダイアログは日本語化されていません。また、同ダイアログを「ツール」メニュー内に項目として表示させるには、[F8]キーを押しながらDESIGNERを起動し、作業領域を初期化する必要があります。Service Pack 1セットアッププログラムのウィザードに、「アプリケーションのデフォルト設定に戻す」オプションがありますが、これを使用しても「形状プロパティ ダイアログ」は「ツール」メニュー内に表示されません。[F8]キー起動による手動操作を行う必要があります。

更新: 2003年8月4日

メディアヴィジョンサイトに
CorelDRAW 11紹介記事掲載

日本でのCorel製品販売元である株式会社メディアヴィジョンより依頼されたCorelDRAW 11の紹介記事が、同社サイトに掲載されました。また、同社製品案内のメールマガジン「MediaVision  オンラインニュース 2003.08.01」にも掲載されています。

元々はメールマガジン用に執筆した記事だったのですが、予定より文章が長くなってしまい、メールマガジンに載ったのは全体の三分の一程度で、あとは同社サイト記事へのリンクになってしまいました。サイトのほうには、全文が掲載されています。

内容は、読んでいただけると分ると思いますが、「ドローソフト 描画方法の概念」という小難しそうな話から、CorelDRAW紹介へと繋げています。興味のある方は、ご一読ください。

更新: 2003年8月4日

CorelDRAW 11 SVG フィルタ アップデート

Corel社のダウンロードサイトに「CorelDRAW 11 SVG Filter」(Draw11SVGUpdate.exe)がアップロードされています。特に説明はありませんが、CorelDRAW 11英語版(他の言語への対応は不明)用のSVGインポート/エクスポートフィルタのアップデート版です。「CorelDRAW 11 GRAPHICS SUITE」英語版には、問題なくインストールできました。

なお、Corel社ではブラウザでSVGファイルを表示するための「Corel SVG Viewer」も、同ダウンロードサイトで提供しています。現在提供されているものは日本語版も含む正式版です。ただし、Corel SVG Viewerは、CorelDRAWで作成した日本語テキストを含むSVGファイルを正しく表示できないようです。日本語部分は、文字化けしてしまいます。「CorelDRAW 11 SVG Filter」でアップデートしてもこの問題は解消されません。これは、CorelDRAW側ではなく、Corel SVG Viewerの方に問題があるようです。

更新: 2003年6月26日

Corel DESIGNER 10英語版発売開始

Corel社の発表によると、同社のもうひとつのドローソフト「Corel DESIGNER」の最新版である「Corel DESIGNER 10」の発売が開始されました。

価格は469米ドル(アップグレード版は229米ドル)になります。DESIGNERは旧Micrografx社の製品で、Corel社の同社買収により製品ラインナップに加えられました。CorelDRAWが「クリエイティブ」なイラスト制作をターゲットとしているのに対し、DESIGNERは工業製品の図面などといったテクニカルイラストレーションの制作を対象としています。

今回のバージョンアップは、Corel社に開発が移管されてから初めてのものになります。その結果が、下の編集画面です。CorelDRAW 11ユーザーであれば、これが何かピンとくることでしょう。

そうです。この画面からわかるように、新しいDESIGNERは完全にCorelDRAW 11をベースにしたものに生まれ変わっています。実質的にDESIGNER 10はCorelDRAW 11のバリエーションで、主要なインターフェイスとアプリケーションのエンジンはCorelDRAWそのものです。従来の「Micrografx DESIGNER」は、その痕跡を一部に残すだけで、消滅したといえるでしょう。同様に、以前はグラフィックススイートとしてパッケージ化されていた画像編集ソフト「Picture Publisher」の新バージョンも開発されていません。こちらはDESIGNERをCorelDRAWと差別化するような要素は存在しないため、CorelDRAW GRAPHICS SUITEの画像編集ソフト「Corel PHOTO-PAINT」とは別途に開発されることは、もはや無いでしょう。当然、DESIGNER 10のパッケージにPicture Publisherは入っていません。

とはいえ、テクニカルイラストレーションをターゲットとする上で、CorelDRAW 11にはない機能もDESIGNER 11は備えています。たとえばDESIGNERの3点指定描画ツールは、描画中の2点目が固定される(CorelDRAW 11では2点目が可変で正確な描画はできない)完全なものになっています。また、CorelDRAW 11よりもオブジェクトに対するスナップ(吸着)するオプションが拡張されています(図右)。

CorelDRAW 11で搭載された「シンボル」機能も、DESIGNER 10ではさらに拡張されています。CorelDRAW 11ではシンボルをコピー&ペースト等でしか他のファイルに持っていくことができませんが(CorelDRAW 11日本語版、もしくは英語版ServicePack1以降)、DESIGNER 10はそんな“原始的”な手段ではなく、シンボルを専用ファイルとして保存し、「シンボル マネージャ」ドッキングウインドウで管理できるようになっています。このため、DESIGNER 10の「クリップアート」はシンボルファイルとなっており、ドンキングウインドウからの読み込みが可能です(図左)。なお、ハードディスクにインストールされるシンボルのほとんどは、工業部品のテクニカルイラストになっています。

このほか、図形を投影法で変形する「投影法(Isometoric)」機能が「変形」ドッキングウインドウに用意されている(図右)など、CorelDRAWとは一線を画す部分が見受けられます。これらの特殊機能と高度なスナップ機能を組み合わせることで精度の高い図形/図面を制作できるのが、DESIGNER 10の存在理由です。

一方で、CorelDRAW 11で新設された「ラフブラシ」「染み付けブラシ」や、「歪曲」効果などはDESIGNERには搭載されていません。こうした不定形の曲線描画は、製図には必要ないということでしょう。ただし、立体、ブレンド、透明、エンベロープ、等高線効果は、インタラクティブツールとしてDESIGNER 10にも存在します。ブラシツールのうち、イメージスプレーも用意されています。

このようにDESIGNER 10は、CorelDRAWのインターフェイスと描画エンジンの上に、テクニカルイラストレーションのための精度を継承したものといえるでしょう。CorelDRAWインターフェイスの採用でより直感的な操作性を得るとともに、CorelDRAWユーザーにとっては習熟が容易になるメリットがあります。まあ、CorelDRAW 11の不具合も基本的に継承していますので、バグで騒ぎたい人は、その手の話が大好きな一部のCorelDRAWユーザーに情報を当たってみるのも一興でしょう。

既にDESIGNER 10 英語版の製品パッケージは入手済みなので、時間が取れ次第、CorelDRAW 11の比較記事などを当サイトに掲載しようと考えています。

更新: 2003年3月4日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11 Service Pack 1
提供開始

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11 英語版修正パッチ「Service Pack 1」の配布が開始されました。現在のところ、Corel社FTPサイトではなく、www.unleash.comサイトの以下のページからダウンロードが可能になっています。

「Service Pack 1」は実行形式のファイル「CD11SP1.exe」(2003/02/26 14:35:00 6.06MB )として配布されています。第三者のサイトですが、正式なサービスパックです。 また3月4日現在、Corel社の以下のFTPサイトからも「CD11SP1.exe」がダウンロードできるようになっています。

Service Pack 1の詳細は後日レポートする予定ですが、Corel サポートニュースグループでの同社担当者の書き込みによれば、次の追加機能があるうそうです。

  • 「Corel Grafigo」(タブレットPC用グラフィックスソフト)で作成したSVGファイルのインポート
  • PDF X1-aおよびX-3形式のサポート

なお、Service Pack 1適用後のビルド番号は、11.693となります。unleash.comサイトのページに図が掲載されていますが、「Help」メニューの「About CorelDRAW」などから開くダイアログでは、Service Pack 1適用後もビルド番号は「11.633」と表示されます。更新を確認するには、同ダイアログの「System Info」から「Corel EXEs & DLLs」を表示してください。そこで表示されるファイルに「11.693」が含まれていればOKです。

2002年

CorelDRAW Focus Survey Webアンケート

Corel社のサイトに「CorelDRAW Focus Survey」ページが設置されました。これはCorelDRAW GRAPHICS SUITEの、今後の開発ポイントを調査するアンケートです。主要な質問項目は以下のとおりです。

  1. 1日のCorelDRAW使用時間
  2. 使用時間における既存イラストの編集/加工の割合
  3. 使用時間における新規イラスト作成の割合
  4. 主要な作業工程
  5. 使用目的
  6. CorelDRAW GRAPHICS SUITEおよび他社ソフトの使用割合
  7. CorelDRAWで扱っているファイル形式
  8. CorelDRAWで保存(エクスポート)するファイル形式
  9. CorelDRAWでの作業自動化の必要性
  10. PHOTO-PAINTでの作業自動化の必要性
  11. 業務での使用有無
  12. CorelDRAWを使用している職種
  13. Corel社からの電話による追加質問の可否

CorelDRAW GRAPHICS SUITEの将来像にポジティブな関心のある方は、調査に協力してみてください。
https://www.corel.com/draw11/focus_survey/index.htm

更新: 2002年11月21日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11日本語版
11月27日発売開始

浦和レッズがナビスコ杯決勝で敗退したショック(およびそれに続く連敗のショック)により更新が滞っていましたが、最新バージョン「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」の日本語版が11月27日より、いよいよ発売開始となります。価格、アップグレード要件等はメディアヴィジョンのサイトに詳細が掲載されています。

また、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11の評価記事は「Professional DTP」「DTP WORLD」「Web Desining」「MdN」の各誌最新号に掲載されます。ちなみに、これらの記事は私が執筆しました。

もちろん、当サイトでもCorelDRAW GRAPHICS SUITE 11のより詳細な紹介記事を掲載します。誌面(主として字数)の都合により、雑誌媒体では限定された内容しか紹介できないので、当サイトの記事はそれらを補完する以上の内容を予定しています。現時点では5つの項目しかアップしていませんが、順次掲載していく予定です。

更新: 2002年11月17日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11英語版
Service Pack 1は晩秋から初冬に公開

Corel Newsgroup(corel.graphic_apps.cdgs11-draw)でのCorel担当者の書き込みによると、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11 英語版の修正パッチ(Service Pack 1)が、今年の晩秋から初冬の間に公開される予定だそうです。11月から12月にかけて、といったあたりでしょう。

前バージョンのCorelDRAW 10 GRAPHICS SUITEの場合は、発売からService Pack 1公開までの間に半年の期間がありましたが、今回予定通りに公開されるなら、それが半分の3ヶ月に短縮されることになります。10に比べると11は大幅に安定性が向上していますが、さらに迅速なアップデートは製品の信頼性を高める���しょう。

更新: 2002年9月30日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11日本語版
発表会

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11日本語版の発表会が、10月8日にカナダ大使館(Corel社はカナダの企業です)で開催されます。カナダ大使館での発表会は恒例ですが、今回はユーザーサイドの視点から同製品を紹介するため、私がデモンストレーションを担当することになりました。

また、当日はCorel本社のDerek Burney 社長兼CEOも来日し、同社の戦略/展開方針を説明します。Burney氏のみならず、同社社長の公式な来日も初めてのことですから、その内容も注目に値するでしょう。

なお、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11日本語版の発売は、11月になるそうです。

更新: 2002年9月28日

designer.com 充電中、そして新装開店

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11も発売開始となり、それに合わせるようにCorel社運営のデザインコミュニティサイト「designer.com」も 改装を予定しているようです。現在、同サイトにアクセスすると「RECHARGED」というメッセージが表示されます。再開予定は2002年9月3日だそうですので、楽しみに待ちましょう。

 

時の流れは速いもの、そうこうしているうちに9月3日(カナダ現地時間)が訪れ、「designer.com」がリニューアルオープンしました。CorelDRAW GRAPHICS SUITEを中心としたTipsとフリーダウンロードファイルの提供といった基本的な構成内容は変わっていませんが、サイトデザインが一新されフォーラム(Web掲示板)が追加されています。あとは論より証拠、百聞は一見にしかずということで、「designer.com」を覗いてみてください。

更新: 2002年8月28日
部分更新: 2002年9月4日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11
その他の海外評価記事

下で紹介した「ELECTRONIC PUBLISHING」誌「Corel chases the five hundred」の他に、3つの「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11 」評価記事(英語)を紹介します。


ニュースサイト「ZDNet」の評価記事で、編集者は10点満点中「9.4」の評価をしています。ただし、この記事の中ではCDGS11の問題点として、スクリプトとパフォーマンスを挙げています。

VBAスクリプトの問題は、「期待した操作を記録できなかった」ということですが、私はVBAに関してはノーチェックでしたので、詳細はわかりません。まあ、「VBAだけがCorelDRAWを使う最大の目的だ」という人は、注意した方がよいでしょう。

パフォーマンス問題に関しては、「CPU1.2GHz メモリ512MB ディスク120GB Windows XP Professional」の環境で動作が遅かったとされ、修正版の速やかなリリースを期待するとしています。しかし、私の2つの環境(Pentium 4 2GHz メモリ:RDRAM 1GB ディスク60GBおよびPentium III 800MHz メモリ:SDRAM 1GB ディスク:40GB、ともにWindows XP Pro日本語版)ではそうした問題はありませんでした。これは評者のシステムの問題であり、CorelDRAW 11に特にパフォーマンス上の問題があるとは思えません。


こちらはCorelWORLD(Corelユーザーによる国際カンファレンス)の組織者であるR. Altman氏のコラムで、どちらかといえばユーザーサイドの意見です。

「Surprise, Surprise...」(コリャたまげた...)というタイトルのこの記事は、CorelDRAW 11の安定性を「岩のように固い」と評しています。全般的な安定性に関しては、私も同意見です。

ただし、Web関連の機能(HTML書き出しやロールオーバー)で、いくつか不安定な面がありました。まあ、これらも回避できないものではありません。私のようにCorelDRAWをWebグラフィックスやページの作成に“酷使”していると気になりますが、そこまでのWebサイトを国内で見かけたことはありませんので、大きな問題とはならないでしょう。一方で、PHOTO-PAINT 11に搭載されたロールオーバーやスライスといったWeb機能は、非常に安定しています。


このサイトの記事では、4点満点中「3.1」の評価がされています。論調は「ZDNet」のものとほぼ同じですが、CorelDRAW、PHOTO-PAINT、R.A.V.E.の各アプリケーションに分けて記事が書かれています。

CorelDRAW 11に関しては、やはりVBAが問題点として挙がっています。また、新ブラシツールの「ラフ」「にじませ」が、Illustrator 10のリキッドツールに比べ効果のかかる度合いが弱いとされています。たしかにIllustrator 10のリキッドツールの方が“劇的”に反応しますが、これは使い方しだいでしょう。私は「ラフ」と「にじませ」をすでに愛用して作画技法に取り入れていますが、Illustrator 10ではこうした微妙なタッチは作れませんでした。

この記事の最大の問題点はPHOTO-PAINT 11に対する評価なのですが、Photoshop 7に比べパフォーマンスが劣るとして、プロ向けではないとされています。その根拠として「CPU1.2GHz メモリ512MB」のマシンで「180MB」のファイルを開いたところ、Photoshop 7では15秒しかかからないのに対し、PHOTO-PAINT 11は2分12秒かかったという結果を挙げています。私の環境にはPhotoshop 6の簡易版であるPhotoshop Elementsしかないので同等の比較はできませんが、「Pentium 4 2GHz メモリ:RDRAM 1GB」で「29,952×22,464 ピクセル 実サイズ2,018,525,184バイト(約2GB)」のビットマップファイルをPHOTO-PAINT 11とPhotoshop Elementsで開いてみました。するとPHOTO-PAINT 11が約3分、Photoshop Elementsは約15分で、PHOTO-PAINT 11の方が5倍速いという結果が出ました。ちなみに、2GBの画像をCPT形式で保存すると411MB、PSD形式では1.27GBというファイルサイズになります。PHOTO-PAINT 11の方が高い圧縮率がかかっているので展開にも時間がかかりそうなのですが、結果はこの評価記事とは異なります。 また、画像の実サイズが搭載物理メモリ量の範囲内であれば、PHOTO-PAINT 11でも数百MBの画像を数秒で開くことができました。まあ、Photoshop 7でパフォーマンスが圧倒的に改善されたのかもしれませんが、私自身の検証結果に照らせば、プロ向けではないと断言できるほどのパフォーマンスの差は 、これらのソフトの間には無いと思います。

R.A.V.E. 2.0に関しては、Macromedia FlashやAdobe LiveMotionのような高度なFlashアニメーションの作成はできないが手軽で楽しいツール、と評されています。これは、現実的な評価でしょう。


なお、これらの他にもいくつかの評価記事が発表されていますが、Corel社サイトに その一覧が掲載されています。

もちろん他者の評価を引用するだけでなく、製品版CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11を入手次第、当サイトでもより詳しい評価記事を掲載する予定です。

更新: 2002年8月12日
追加更新: 2002年8月14日
追加更新: 2002年8月23日

ELECTRONIC PUBLISHING」誌 コラム記事

Corel社のSupport Newsgroupなどで話題になっていたのですが、「ELECTRONIC PUBLISHING」誌という雑誌にCorel PHOTO-PAINTとPhotoshopを比較した「Corel chases the five hundred」というコラムが掲載されています。タイトルは、「(本の)著者にとって500人と50万人の読者数の違いに意味はない。500人の読者を獲得すれば、その影響力は50万人に及ぶ」という学者(Henry Adams)の言葉を引用して、「Corelはその500人を追い求めるべき」という意味がこめられているようです。

欧米の業界でもPhotoshop偏重の雰囲気が支配的で、PHOTO-PAINTはほとんど顧みられていない状況のようですが、筆者はそれを批判し、PHOTO-PAINTとPhotoshopそれぞれの長短を比較した上で、PHOTO-PAINTの価値を認めています。英語の記事ですが、日本の状況と照らし合わせてみても、読んでおきたい記事です。

なお、筆者のDan Margulis氏は「Professional Photoshop」シリーズや「Adobe Photoshop 5 Certification Exam Prep Guide」(共著)などを執筆しているPhotoshopと色補正の専門家です。

更新: 2002年8月10日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11英語版
発売開始

Corel社の発表によると、次期バージョンの「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」英語版が、8月1日発売開始となりました。CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11(CDGS 11)の内容、新機能等については、当サイトでの既報どおりです。以下のページをご覧ください。

Corel社サイトのCDGS 11ページには、「Corel Designer 9」との機能比較表(PDFファイル)が掲載されています。それによると、CorelDRAWは「Creative Illustration」向け、Designerは「Technical Illustration」向けとの位置付けになっています。また、同ページによるとCorelDRAW 11の単体版も近く発売されるそうです。

CDGS 11発売のニュースリリースの中には、unleash.com 主宰者でCorelDRAW解説書の著者でもあるFoster Coburn氏の、「すべてのユーザーができるだけ早くアップグレードすることを提案します」「私は前バージョンでは一度もそうは言いませんでした」というコメントが紹介されています。 まあ、CorelDRAW 10を薦めなかったという部分に私は同意できませんが、11へのアップグレードに関しては同じ意見です。当サイトでも、なるべく早い時期にCDGS 11のより詳しい機能解説を掲載する予定です。

更新: 2002年8月2日

CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11英語版 追加情報

Corel社サイトの「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」ページにFAQコーナーが追加されていますが、その中にいくつか見落としていた情報がありましたので、ここに挙げておきます。

  • 発売時期
    当初の予定より若干遅れ、2002年8月を予定しています。
  • パッケージ
    Windows版とMacintosh版を同梱したハイブリッドパッケージで発売されます。
  • アップグレード
    CorelDRAW ESSENTIALSからはアップグレードできません。また、体験版、CorelDRAW Select、CorelDRAW Classic、CorelDRAW 8 LE for Macintoshからのアップグレードもできません。
  • 対応言語
    英語、インターナショナル 英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジル)、ポーランド語、中国(台湾)語、日本語版が予定されています。

日本のメディアヴィジョンがどうするかは不明ですが、アップグレードに関してはCorelDRAW ESSENTIALSが除外されている点に注意が必要です。とりあえずESSENTIALSを試してみてから11に乗り換える、という方法は取れなくなりました。

また、日本語版を含め各国言語版の発売時期は不明です。もちろん、最初に発売される英語版は日本語環境で動作し、日本語文字の使用も可能です。メニュー等、インターフェイスの表示を英語から切り替えることはできませんが、機能では日本語版との違いはほとんどありません。

更新: 2002年7月16日

Corel Ventura 10英語版、9月発売

Corel社 の発表によると、同社はページレイアウトアプリケーション「Corel Ventura 10」(英語版)を2002年9月に発売するそうです。

Corel Venturaは欧米ではよく知られているアプリケーションで、Corel社がこのソフトを買収する以前に1度だけ、日本語版が住友金属(現SMI Soft)から��売されたことがあります。今回のバージョンではXMLとの統合性がポイントとして挙げられていますが、ターゲットはビジネスユースに向けられているようです。ちなみに、CorelDRAWやPHOTO-PAINTの英語版公式解説書はVenturaで制作されています。

Venturaの日本語版が開発されるかどうかは不明ですが、その可能性は低いでしょう。日本語のレイアウト環境(日本語組版)は特殊であり、英語版をそのまま“翻訳”しただけでは対応できません。Adobe社「InDesign」のように、日本語版を実質的に別途開発するぐらいでなければ、日本語組版市場では通用しないでしょう。また、たとえそこまで取り組んだとしても、もともと狭い市場であり、写植機メーカーなども専用組版システムを投入していますから、Corel社に利益が上がるとも思えません。

まあ、個人的な希望としては、大日本スクリーン社「AVANAS PageStudio」の組版機能の上に、CorelDRAWの使いやすいインターフェイスを被せた合弁ソフトを作り、それが「Ventura日本語版」として登場すれば、ぜひ使ってみたいと思います。もちろん、それが売れるかどうかは疑問ですが....。

更新: 2002年7月10日

Corel社Webサイト、またも模様替え

>Corel社 のWebサイト「www.corel.com」が、またまた模様替えをしていました。例によって、3つの部門にアクセスするための扉ページになっていて、そこから開く中身は以前のとおりですが、この扉は軽いFlashアニメーションで幕が開き、「A visual idea is more powerful than a verbal idea.」(視覚は言葉よりも強し)という標語が掲げられています。これが、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11の発売を控えたCorel社の、新しいスローガンなのでしょう。まあ、「百聞は一見にしかず」とも言い換えられますが、穿った見方をすると「CorelDRAW GRAPHICS SUITEやprocreate はWordPerfect Officeよりも重要」という示唆かもしれません。

個人的には、視覚と同じぐらい言葉は強い――と思っています。もちろん、私の場合の言葉は「Microsoft Word」で記述されることがほとんどですが。また、ふだん使用するアプリケーションの比率からいえば、当然、CorelDRAWが何よりも強し、です。

更新: 2002年7月6日

タブレット PC用プロジェクト「Coligo」

Corel社の発表によると、同社はMicrosoft社の「タブレット PC」をターゲットとした「Coligo」というプロジェクトに着手しているそうです。

タブレット PCは、ペン入力による操作を主体としたPDAのようなWindows PCで、Microsoft社とそのパートナーによって開発が進められています。その対応ソフトウェアの領域でCorel社が開発しているのが「Coligo」であり、ペン入力で描いたスケッチを、即座に専門的かつ正確(technically-precise)なイメージに変換するそうです。また、「Coligo」で描かれたデータは、Corel GRAPHICS SUITE 11やprocreate™  Painterを含むWindowsアプリケーションで相互利用可能になるそうです。

タブレット PCの用途は、営業・作業現場等での入力業務が念頭に置かれているようなので、「Coligo」もどちらかといえば、そうしたビジネスイラストレーション作成が対象なのでしょう。実際にどれほどの機能があるのか、現物を見ないことにはわかりませんが、一般のグラフィックスワークでもペン入力は重要ですから、CorelDRAW等への技術的な波及も将来的には期待できるかもしれません。いずれにしろ、こうした新分野でのCorel社の活躍に期待します。

なお、「Coligo」はMicrosfot社のC#言語と.NET frameworkを主要部分に用いているそうです。

更新: 2002年6月26日

C.D.R.サイト更新再開

愛猫のハナちゃんが5月21日に亡くなって以来、当サイトの更新を休止していましたが、そろそろ再開することにしました。 この機会にハナちゃんへ哀悼の意を表し、サイトのタイトルイラストをハナちゃんを描いたものに変更しました。 また、「Illustrations」ページにハナちゃんのイラストコーナーを新設しました。このほか、ハナちゃんを記念する「ハナちゃんの足跡」Webサイトを開設しました。

当サイトはCorelグラフィックス製品の情報を提供する場ですが、身近な小動物、とりわけ猫に対する愛情をサイト制作者である私は抱いています。ですから、猫を捨てたり、車ではねても放置したりするような人間には、情報を提供する意思は毛頭ありません。猫を虐待するような輩は論外です。特定することができなくても、そうした人間に閲覧されることは甚だ不愉快なので、「最低の人間」に 該当する方は「C.D.R.」に立ち寄らないでください。当サイトは、ネットスケープやオペラ ブラウザユーザーを排除していることからもわかるとおり、誰にでも開かれたサイトではありません。

更新: 2002年6月17日

Corel社ニュースリリース日本語訳が
コーレル(株)サイトに掲載

Corel社の日本法人、「コーレル株式会社」のWebサイト「ニュースリリース」ページに、英語ニュースリリースの日本語翻訳が掲載されるようになったようです。従来はCorel本社サイトの英語原文のみで、メディアヴィジョン社のサイトではほとんど翻訳掲載されることがありませんでしたが、やっと日本法人設立の効果が現れてきたということでしょう。

これで、企業業績など経営面でのニュースを、当サイトがでしゃばって翻訳する必要はなくなりそうです。ただし、下に掲載した「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」のニュースは、今のところ掲載されていません。CorelDRAWの取り扱い先がメディアヴィジョンだからでしょうか? しかし、「CorelDRAW 10がWorld Class Award受賞」のニュースはしっかり掲載されています。いずれにしろ、グラフィックス製品に関する情報は、引き続き当サイトでもレポートしていく予定です。

更新: 2002年6月17日

Corel、次期バージョン
「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」の概要を公表

Corel社はCorelDRAWの次期バージョン、「CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11」英語版の概要を同社サイトで公表しました。 製品名は10 Macintosh版の「Corel GRAPHICS SUITE」から、再び“DRAW”付きの「CorelDRAW GRAPHICS SUITE」に戻ったようです。価格は529米ドル(アップグレード版は249米ドル)で、7月下旬に発売されるそうです。

パッケージ内容は、CorelDRAW、PHOTO-PAINTがVersion 11、R.A.V.E.はVersion 2となります。また、その他の添付アプリケーションは次のとおりです。

  • CorelTRACE™ 11: ビットマップ画像をベクトル図形に変換するツール(従来どおり)
  • Corel CAPTURE™ 11: 画面キャプチャツール(従来どおり)
  • ScanSoft OmniPage SE: OCRソフト(新規)
  • Bitstream Font Navigator: フォント管理ソフト(Windows版のみ、従来どおり)
  • Kodak Digital Science: カラーマネジメントシステム(従来どおり、Corelカラーマネジメント機能に統合されているものと思われる)
  • Microsoft Visual Basic for Applications 6.3: アプリケーション自動化、カスタム化機能(Windows版のみ、従来どおり)
  • Apple QuickTime Player: (従来どおり)
  • Adobe Acrobat Reader 5: PDFファイルビューア(従来どおり)
  • クリップアート類: クリップアート1万点、写真1400点、TrueTypeおよびType1フォント1000点(見本帳の電子マニュアルを添付)

以上の構成を見ると、Corel TEXTURE、Corel TEXTURE Batcher、Cumulus Desktop LEがラインナップに含まれていません。ScanSoft OmniPage SEは新規添付ですが、SEと付くので簡易版でしょう。フルバージョンの「OmniPage Pro」はHULINKS社が国内販売しています。それによると、このOCRソフトは日本語に対応していません。

また、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11の主なバージョンアップポイントは次のとおりです。

CorelDRAW

  • 「シンボル」(Symbol)のサポート: オブジェクトを再利用可能な部品として登録する機能と思われます。
  • 「ラフブラシ」(Roughen brush)と「染み付けブラシ」(Smudge brush)」の搭載: 筆圧感知のブラシ型ツールで、オブジェクトの輪郭を編集するツールと思われます。
  • 「3点楕円形(3-Point Ellipse)ツール」「3点長方形(3-Point Rectangle)ツール」「3点曲線(3-Point Curve)ツール」の搭載: 3点の座標を指定して楕円、矩形、線の各オブジェクトを描くツールと思われます。同様のツールはAVANAS PageStudio2000で見ることができます。
  • ライブ効果(Live Effect): 従来のインタラクティブツールによる直感的操作が、新ツールにも反映されているという意味だと思われます。
  • SVGサポートの拡張: Web用ベクトル図形形式「Scalable Vector Graphics」でデータ駆動による動的な画像をサポートしたとのこと。SVGについては詳しくないのでよくわかりません。
  • 作業領域のカスタマイズ: 従来からのカスタマイズ機能と思われます。
  • 折れ線ツール(Polyline tool)の搭載: 1ストロークで直線と曲線を描けるツールだそうです。 ちなみに「poly-」とは「多く」という意味で、「マルチ」(multi-)と似たようなものです。

PHOTO-PAINT

  • カットアウトツール(CutOut tool)の搭載: 簡単に複雑な切り抜きマスクを作ることができるツールだそうです。
  • スライス(Image Slicing)機能の搭載: Webで画像を分割掲載するときに使われるスライス機能が追加されたようです。
  • ロールオーバー効果の搭載: PHOTO-PAINT上でもロールオーバーオブジェクトの作成が可能になったようです。
  • 赤目除去ツール(Red Eye Removal tool)の搭載: 10では効果として追加された写真の赤目除去機能ですが、それがツールになったようです。
  • 100以上の効果: 他にも追加された特殊効果があるようです。

R.A.V.E.

  • 「シンボル」のサポート: CorelDRAWと同様ですが、アニメーションもシンボル化できるようです。また、Flashエクスポートにおいてもシンボルが最適化されるそうです。
  • Flashエクスポートフィルタの拡張: 書き出したFlashファイルのサイズが小さくなるよう改良されたようです。
  • ビヘイビア(Behavior)のサポート: アニメーションの動作(ビヘイビア)を指定できる機能が追加されたようです。
  • アニメーション作成機能の拡張: テキスト、テキストのパス結合、パーフェクトシェイプ図形からのアニメーション生成が可能になったようです。

CorelDRAWでは、主として描画ツールが強化されているようです。PHOTO-PAINTは、スライス、ロールオーバーといったWeb画像作成機能の追加が目玉のようです。R.A.V.E.は、より 高度なアニメーション作成機能としてビヘイビアをサポートし、またシンボル機能によってFlashファイルへの最適化が図られているようです。

なお、9から10へのバージョンアップでも分かりますが、ここに挙げられたポイント以外にも、多くの改善点が含まれます。 それらは同サイトにアップロードされている「Reviewers Guide」で窺い知ることができます。いずれにしろ、CorelDRAW GRAPHICS SUITE 11が発売された暁には、このReviewers Guideおよび実際のパッケージを検証して、添付ソフトの有無を含め、詳細を当サイトでレポートする予定です。

Reviewers Guideの私的な日本語訳をこちらのページに掲載しました。

また、発売予定は2002年8月に延期されました。

更新: 2002年6月17日
部分更新: 2002年6月20日
部分更新: 2002年7月16日

procreate KnockOut2 Service Pack1 提供開始

マスキングソフト「procreate™ KnockOut2」英語版の修正パッチ、「Service Pack 1」の提供がCorel社より開始されました。Windows版(「KnockOut2SP1.exe」)、Macintosh版ともに用意され、procreateサイトよりダウンロードできます。

Service Pack 1を適用すると、バージョン(ビルド)番号が「2.77.0.0」から「2.88.0.0」に上がります。主な修正内容は次のとおりです。

  • (とりわけMac版において)全般的なパフォーマンスの改善
  • タッチアップツール(Touchup Tool)の改善
  • プッシュピン(Pushpin)の正確さの向上
  • 注射器ツール(Syringe)の正確さの向上
  • 選択ツールによる選択範囲線の正確さの向上
  • カラーピッカーに存在した問題の処理
  • 100~1000%の間でのルーペズーム(Loupe zoom、[L]キーによる部分ズーム)の機能改善(Windows版)

なお、KnockOut2 日本語版のService Pack 1は、現在のところ提供されていません。

更新: 2002年6月17日

カナダMatrox社「Matrox Parhelia-512」を発表

Corelとは直接関係のない、私的な関心事なのですが、カナダ(これはCorelと共通)のMatrox社が次世代GPU「Matrox Parhelia-512」を発表しました。史上初の512bit GPUで、これを搭載したビデオカードは、初夏には登場するそうです。

ビデオカードといえば、ここ1年ぐらいはATI Technologies(これもカナダの企業)とnVIDIAの2社だけが羽振りがよく、「Millennium」シリーズを擁するMatrox社の影は薄くなっていました。初代Millennium以来、Millennium II、G400、G450と、画質が美しいMillenniumシリーズファンを続けてきたひとりとしては、CorelDRAWが日本で人気がないことの次に、残念な思いをしてきました。

数ヶ月前に新しいパソコンを入手したのですが、そのときはG550がBTOの選択肢に含まれていなかったため、噂されていた「G850」までのつなぎとしてnVIDIA GeForce4 MX 440にしてみました。廉価版にしては高速だったものの、やはり発色は大したことはありませんでした。そこでオーバークロックして遊んでいたら壊れてしまい、さらにつなぎとして廉価なATI RADEON 7500LEに取り替えてみたのですが、これはメモリがSDRのせいか、Windows XPの画面効果がGeForce4 MX 440と比べると極端に遅く、がっかりしてしまいました。まあ、さすがは画質でMatroxと張り合うATIだけのことはあり、GeForce4 MX 440とは明らかに違う深みのある色合いには満足しています。価格も1万円台ですから。

とはいえ、やはりMatrox。数日前、突然同社から送られてきたニュースメールを見ると、同社Webサイトを見ろという謎のメッセージ。そこには5月14日に発表という意味深なFlashムービー。やたらと期待を盛り上げてそれにふさわしい発表となったのが、G850でもG1000でもない、新しい「Parhelia-512」GPUだったわけです。当然、かの2社に対抗するため3D機能が充実しているようですが、グラフィックスユーザーとしては画質も気になります。そこはMatrox、PC初のRGB 各10bit 10億7374万1824色表示を実現するそうです。果たして、人間の目で8bit 1677万7216色表示との差がわかるのでしょうか? それでも、期待します。

そういうわけで、「Parhelia-512」ビデオカードが登場の暁には、その画質を試してみたいという呟きでした。

更新: 2002年5月15日

Corel社Webサイト模様替え

日本でももうすぐ衣替えの季節ですが、Corel本社のWebサイトが模様替えをしました(図右)。ホームページが「COREL」「procreate」「deepwhite」の3ブランドのゲートに変わっています。ここで「COREL」をクリックすると、従来のページが開くだけですが...。

このページ構成から判るとおり、同社の事業は「家庭用もしくは小規模事業者向けのクリエイティブ製品」、すなわちCorel GRAPHICS SUITEを開発する「COREL」部門、「プロフェッショナル向けのデザインツール」、Painter(ほんとうにプロ向け?)やKnockOutを開発する「procreate」部門、「XMLをベースにした企業向けソリューション」を開発する「deepwhite」の、3本柱に分類されています。なんだか、「COREL CORPORATION」という持ち株会社の下に、3つの子会社があるみたいですね。

当サイトが主として取り扱っているCorelDRAW Graphics Suite(次期バージョンからはCorel GRAPHICS SUITE)は、最も間口の広い部門にあるわけですが、これはCorelDRAWというアプリケーションの性格も反映しているのでしょう。より専門的なユーザーに対しては先進的機能を搭載した最新版のGRAPHICS SUITEを提供し、より広く家庭に浸透させる部分では「CorelDRAW ESSENTIAL」を拡販する、といった細分化もなされていくと思います。

procreate部門では、KnockOutやKPTという小粋な小判鮫を“Photoshop”という獰猛なホオジロザメにくっつけて、その世界でもしっかり利益を上げようということでしょう。

deepwhite部門は旧Micrografix社から吸収した企業向け販路の再組織化、ブランド化であり、もしかするとこうした分野こそ、Corel社の屋台骨になるのかもしれません。同様の動きは、PHOTO-PAINTの類似製品「Photoshop」を開発しているAdobe社にも見られます(ちなみに最近同社が法人向け販路拡大のために買収したAccelio Corporation社は、Corel社の近所だそうです)。ところで、“deep white”とはどんな色なんでしょう?

まあ、さすがにdeepwhite部門のことはよくわかりませんが、COREL部門の最先端製品と、procreate部門のKnockOut、KPTの動向と解説を主軸に据えて、当サイトでは今後も情報提供を続けていきます。

更新: 2002年5月11日

procreate KPT effects、KnockOut 2の
各日本語版発売

メディアヴィジョンよりprocreateブランドのビットマップ用特殊効果プラグイン「KPT effects」、マスキングソフト「KnockOut 2」の日本語版がそれぞれ発売になります。KPT effectsの方は3月7日発売なので、たぶん店頭に並んでいるでしょう。KnockOut 2は3月29日発売です。

※メディアヴィジョンの発表によると、KnockOut2の発売は「開発の遅れ」が原因で4月5日に延期されました。

それぞれ、英語版の簡単な紹介は当「Information」コーナーで紹介してあります。以下のリンクをクリックしてみてください。

日本語版が登場する以上、早いところ当サイトにKnockOut 2の解説記事を掲載する予定です。たぶん、4月初旬までには準備できると思います。KPT effectsは、きっと色々なサイトで扱われるでしょうから、上記の紹介だけにとどめます。

更新: 2002年3月10日
部分更新: 2002年3月22日

Corel GRAPHICS SUITE 11 英語版
ベータテスト募集開始

CorelDRAW Graphics Suite の次期バージョン「Corel GRAPHICS SUITE 11」英語版ベータテストの募集が開始されました。Corel社サイトの「Beta Programs」ページのリンク(Apply Now)から、入力フォームを使って応募できます。

Macintosh版CorelDRAW 10が「Corel GRAPHICS SUITE」に改名(「DRAW」が付いていません)されたのを受け、次期バージョンからはWindows版もこの名前になるようです。また、ベータサイトの説明文によると、Corel GRAPHICS SUITE 11にはベクトルイラストレーション/ ページレイアウト、インタラクティブベクトルアニメーション、イメージ編集/ペイントの各アプリケーションが含まれるそうですから、CorelDRAW、R.A.V.E.、PHOTO-PAINTというラインナップは従来どおりのようです。CorelDRAW、PHOTO-PAINTは当たり前として、R.A.V.E.(もしくはベクトルアニメーションプログラム)の開発が継続されることには、ひと安心です。インターフェイスや操作性は優れているものの、他社類似製品と機能面では見劣りしていたR.A.V.E.が、より重要な位置をGRAPHICS SUITE内で占めることを期待したいものです。

ベータテストへの参加には、例によって守秘義務契約の厳守、英語によるレポート提出義務といった“高いハードル”が存在します。導入前の広範なテストを目的とした、いわゆる「プレビュープログラム」ではありませんから、それなりの心構えが必要です。しかし、日本語版の機能のほとんどが英語版ですでに搭載されていることを考えると、Corel GRAPHICS SUITE 11の製品品質向上に寄与するためには、やはり英語版テストに日本語版ユーザーも参加するべきでしょう。製品に対する愚痴を並べ立てるだけでは、話になりません。

それはそれとして、開発がスタートしたことで、11がどのような新機能の搭載、機能強化を図るのか、期待が高まります。「Corel GRAPHICS SUITE」は、常に最新バージョンこそ最高の製品なのですから。

なお、3月22日現在、ベータテストの募集は「Corel GRAPHICS SUITE 11 for Macintosh」に限定されています。Windows版の募集は終了したようです。

更新: 2002年3月8日
部分更新: 2002年3月22日

「コーレル株式会社」誕生

昨年Corel本社がMicrografx社を買収し同社を吸収合併したのに伴い、日本法人の「マイクログラフィックス株式会社」が「コーレル株式会社」に社名変更しました。旧マイクログラフィックス社サイトで告知されています。

このリリースによると、旧Micrografx製品(Designer、Picture Publisher、iGrafx製品)がコーレル(株)の管轄となり、従来のCorel製品(CorelDRAW、PHOTO-PAINT、Bryce、KPT、Painter等)は引き続きメディアヴィジョンが取り扱うそうです。旧マイクログラフィックス社サイトも、「http://www.micrografx.co.jp/index.html」のまま、コーレル社サイトにほんの少し模様替えされて存続するようです。

つまり、当面はマイクログラフィックス社がカタカナの「コーレル社」になっただけで、製品の扱いは以前どおりということですが、なんだかハッキリしない状態です。実質的なCorel日本法人ができたのであれば、そちらにすべて移管してしまえばよいものを、と思うのは私だけかもしれませんが、実際の“ビジネス”はいろいろと難しいものがあるのでしょう。

まあ、とにもかくにも日本の拠点であるコーレル(株)の今後の動向に、注目しておきましょう。

更新: 2002年2月5日

私事: ちょっとした近況報告(弁解)

近頃、当サイトの更新が滞りがちで、せいぜい「質問コーナー」への回答が精一杯というのが実情...という弁解から始まる私の近況なのですが、その背景にはDTP/グラフィックス関連の非常勤講師(職業訓練校)の仕事が増え、実はそれらの授業構成と資料作成、ついでに生徒諸君との飲み会に追われている、などという厳しい現実があるのでした。ちなみに、なんとAdobe嫌いのこの私が、Illustrator 9を教えたりしています。さすがに、Windows版ですが。

そんなこんなで、せっかく入手した「procreate™ KnockOut 2」の評価記事執筆/掲載が遅れてしまったり、Corel R.A.V.E™の記事が中断したり、その他いくつかの企画が宙ぶらりんのままになってしまっています。なるべく早く、こうした記事を仕上げたいと思っていますが、まあ、学校が春休みになる3月末ごろまでに、徐々に進めていきたいと考えていますので、ご容赦ください。

いちおう、Illustratorにも徐々に詳しくなってきていますので、その辺りからCorelDRAWとの比較記事を、今後は掲載できると思います。もちろん、Illustratorを知れば知るほど、CorelDRAWの使い易さ、機能の優秀さがしみじみと我が身に伝わってきていますので、CorelDRAWユーザーの期待は裏切りません。

更新: 2002年1月29日

CorelDRAW 10 Graphics Suite Mac版評価記事

ZDNet JAPANの「MacWIRE-D Online」サイトにCorelDRAW 10 Graphics Suite Mac版(英語版)の評価記事が掲載されています。当サイトはMacintoshと本質的に縁はありませんが、検索のついでに偶然この記事を目にしたところ、驚くほどの肯定的評価にビックリしてしまいました。まあ、「CorelDRAW」を「CorelDraw」、「PHOTO-PAINT」を「Photo-Paint」と表記するところは、まだまだ年季が足りませんが、Windows版にも通じる機能の評価は、Macユーザーサイドにしては上出来です。Windows版ユーザーでも、一見の価値はあるでしょう。

この記事の原文は「MacCentral Online」に掲載されたDennis Sellers氏のもので、日本人が下した評価ではありません。この辺りは、Windows版を取り巻く環境と同じようです。

もちろん、Windows版ユーザーとしては、もはや10ではなく11への期待が大なのですが...。

更新: 2002年1月29日

CorelDRAW 10 VBAマクロ
「Delete Segment Macro Module」

Alexander Vakulenko氏の「Oberon」サイトに、CorelDRAW 10用VBAマクロ「Delete Segment Macro Module」がアップロードされました。同サイトのこちらのページからダウンロードできます。

「Delete Segment Macro Module」は、カーソルでクリックしたセグメント(2つのノードを結ぶ線)を��除するツールです。CorelDRAWの通常操作で同じ結果を求めるには、2つのノードを整形ツールでそれぞれ分割してから片方のノードを削除するという手順を踏む必要があります。これをツール化しているので、連続的なセグメント削除作業に役立つでしょう。

同氏のVBAマクロには、2点のノードをセグメントで連結する「CurveEffects macro module」などの便利なものが多数あります。これらはフリーソフトですが、シェアウェアのVBAマクロも公開されています。

更新: 2002年1月4日

2001年

CorelDRAW 10 クリップアートマニュアル提供開始

CorelDRAW 10クリップアートマニュアル(見本集)の有償配布が、Corel本社サポートより開始されています。本社サポートに電話(+1 800 772-6735)で申し込む必要があり、価格は14.99米ドルです。

CorelDRAW 10では、英語版、日本語版を問わずマニュアルが簡略化され、さらに紙媒体のクリップアートマニュアルは添付されなくなりました。CorelDRAWなどの「スクラップブック」ドッキングウインドウを使うか、「サムネール表示」をインストールすればWindowsエクスプローラでも、見本をパソコン上で確認することはできます。しかし、冊子として手元に置いておきたいという要望が強かったのでしょう。

日本語版のユーザー登録とサポートは、Corel本社ではなくメディアヴィジョンが行っているので、日本語版ユーザーがCorel本社サポートから直接クリップアートマニュアルを購入することができるかどうかは不明です。英語版ユーザーでも、電話で申し込む必要があり、なおかつ送金方法や海外への発送に対応しているかどうかも不明なため、入手は困難かもしれません。

ただし、クリップアート(CD-ROM Disc2、3)の内容は英語版、日本語版を問わず完全に同じものですから、このクリップアートマニュアルはそのまま日本語版ユーザーも利用できるはずです。この辺は、メディアヴィジョンの対応が問われるところでしょう。

更新: 2001年12月22日

procreate KnockOut 2 登場

Corel社の別ブランド、procreateより、ビットマップ画像のマスキングプラグイン「procreate KnockOut 2 For Windows」が発売になりました。Windows 98/Me/NT4.0/2000/XPに対応しています。また、OS Xに対応したMacintosh版もあります。これで、先に発売された「KPT effects」などとともに、procreateのラインナップ3点が出揃いました。

KnockOut 2は「Corel KnockOut 1.5」の後継バーションで、従来は独立したアプリケーションでしたが、 KnockOut 2よりAdobe Photoshop互換プラグインとして動作するようになりました。髪の毛、煙、ガラス、そして液体といった一般のフォトレタッチアプリケーションでは難しい画像の切り抜きを、簡単な操作と高い品質で実行できるという本来の特徴は、もちろんKnockOut 2に継承されています。

元画像

KnockOut 2で範囲指定のみによる切り抜き

KnockOut 2がプラグインとなったことで、使用するためにはホストアプリケーションが必要になります。動作保証されているホストアプリケーションは、以下の通りです。

  • Corel PHOTO-PAINT 8
  • Corel PHOTO-PAINT 9/10
  • Corel Painter 6.1
  • Procreate Painter 7
  • Adobe Photoshop 5/5.5/6

動作保証の対象外ですが、私が試してみた限りでは、Microsoft PhotoDraw 2000日本語版、RIGHThemisphere DEEP PAINT 1.5B英語版(一部機能制限あり)、Jasc Paint Shop Pro 7日本語版(一部機能に問題あり)、Adobe Photoshop Elements日本語版でも動作しました。ホストアプリケーションがKnockOut 2に画像を転送する場合、ホスト側であらかじめ画像をオブジェクト(PHOTO-PAINT以外では「レイヤ」と呼ばれるもの)に変換しておく必要があります。Photoshop 5と互換性のあるオブジェクト/レイヤ機能を持っているアプリケーションに対して、KnockOut 2は比較的懐の広いプラグインといえます。

なお、PHOTO-PAINT 8に関しては、PHOTO-PAINTとKnockOutとでは、表示画像の色味が異なるものになるそうです。PHOTO-PAINT 8が、内部RGBカラースペースを「Corel RGB」に固定していることが原因でしょう。もちろん、これはあくまでも表示における問題であって、画像そのもの色情報が変更されてしまうわけではありません。

プラグイン化以外の新機能としては、次のものがあります。

  • CMYKカラーモデルに対応
  • 「Touchup Tool」を追加
  • 複数回のやり直しに対応
  • 画像を完全に元に戻す「復帰(Revert)」コマンドを追加
  • プロパティバーを搭載

これらのうち「Touchup Tool」は、PHOTO-PAINTの「ブラシマスクツール」と同じようなもので、マスク領域をブラシで追加/削除できるようにしたものです。大雑把な修正であれば、Touchup Toolを使うことで作業効率が向上します。

インターフェイスでは「プロパティバー」が搭載されるなど、Corelグラフィックスアプリケーション的な操作性の向上も図られています。しかし、上の図を見てもわかるように、Corelアプリケーションのインターフェイスとはまだ開きがあります。ドッキングウインドウなどは採用されていないため、PHOTO-PAINTの操作性と比べると見劣りするものを感じるでしょう。それゆえ、procreateブランドなのかもしれませんが...。

KnockOut 2 For Windowsの最低動作条件は以下の通りです。

  • CPU: Pentium 200MHz
  • メモリ: 128MB(ただし編集する画像〈RGB+アルファの計4チャンネルを含む〉の非圧縮サイズに対して3倍以上のメモリが必要)
  • ディスク容量: 30MB
  • ディスプレイ: 800×600ピクセル 24bit フルカラー
  • その他: 2倍速CD-ROM、マウスもしくはタブレット

価格は製品版が329米ドル、アップグレード版が149米ドルになります。1.5のようなダウンロード販売は、行われていないようです。日本語版に関しては、Painterを除くprocreate製品についてメディアヴィジョン社が何の情報も告知していない(2001年12月17日現在)ため、不明です。まあ、KPT effectsやKnockOutは、テキストを操作する必要のないアプリケーションですから、英語版でも日本語環境で十分使用できるでしょう。

ちなみに、KnockOut 2のセットアップにはシリアルナンバーの入力が必要なのですが、製品に添付されている「Product Authenticity Card」のシリアルナンバーの記載には“不備”があります。それは、アルファベットの「O」と、数字の「0」がほとんど同じ文字で印字されていて、判別できない点です。シリアルナンバーはアルファベットの「KO」で始まり、あとは数字とアルファベットの組み合わせです。正規の製品版を入手したにもかかわらず、セットアップ時にシリアルナンバーが違うと表示される場合は、先頭2文字は必ずアルファベットで「KO」と入力し、残りは数字の「0」を入力してみてください。

KnockOut 1.5については、中断したままの解説ページが当サイトに掲載されています。怠けていたら2にバージョンアップしてしまったので、この解説の続きもKnockOut 2に変更して、近日中(たぶん2001年末)にまとめる予定です。

更新: 2001年12月17日

「VISUAL QUICKSTART GUIDE CORELDRAW 10
FOR WINDOWS」紹介

CorelDRAW 10の英語解説書「VISUAL QUICKSTART GUIDE CORELDRAW 10 FOR WINDOWS」を入手しました。Phyllis Davis氏およびSteve Schwartz氏の共著で、Peachpit Press社の発行です。

本書の内容はCorelDRAW 10のみの解説で、R.A.V.E.やPHOTO-PAINTにはほとんど触れていません。また、対象は初級/中級向けとなっていて、記載されている操作ステップを実行し機能を学習するチュートリアル形式になっています。主な内容は、以下の通りです。

  • Chapter 1: The Basic(操作の基礎)
  • Chapter 2: Start-up and File Handling(起動とファイル操作)
  • Chapter 3: Rectangles and Ellipses(矩形と円形図形)
  • Chapter 4: Select, Move, Copy, and Size(選択、移動、コピー、変形)
  • Chapter 5: Complex Shapes(複雑な図形)
  • Chapter 6: Nodes and Paths(ノードとパス)
  • Chapter 7: Lines and Curves(直線と曲線)
  • Chapter 8: Page and Document Setup(ページとドキュメント設定)
  • Chapter 9: Tools for Precision(正確な配置)
  • Chapter 10: Color and Fills(カラーと塗りつぶし)
  • Chapter 11: Working with Text(テキスト操作)
  • Chapter 12: Text Special Effects(テキストの特殊効果)
  • Chapter 13: Stacking and Layers(重ね順とレイヤ)
  • Chapter 14: Object Arrangement(オブジェクト操作)
  • Chapter 15: Special Effects(特殊効果)
  • Chapter 16: Symbols, Clip Art, & Bitmaps(特殊文字とクリップアート)
  • Chapter 17: CorelDRAW and the Web(CorelDRAWとWeb)
  • Chapter 18: Printing(印刷)
  • Appendix A: CorelDRAW Components(付録: その他の添付ソフト)

当然、記述は英語で全244ページモノクロですが、各ページの半分のスペースが図解になっていて、わかりやすい内容です。次期CorelDRAW 11が出た暁には、私もこうした入門書を作ってみようと思っています。

なお、本書は「amazon.co.jp」から2,354円で購入できます。

更新: 2001年12月17日

CorelDRAW 10 Graphics Suite Service Pack 2
提供開始

Corel社のFTPサイト(ftp://ftp.corel.com/pub/CorelDRAW/DRAW10Suite/)より、「CorelDRAW 10 Graphics Suite Service Pack 2」英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ブラジル語(ポルトガル語)版の提供が開始されました。

同サイトに「D10SP2.EXE」(ファイルサイズ14.4MB)としてアップロードされています。D10SP2.EXEは、欧米6ヶ国語版統合パッケージで、セットアップ時に言語を選択してからインストールするようになっています。ただし、リストに日本語版(Japanese)は含まれていません。Corel社によれば、上記6ヶ国語版のみに対応しています。

今回のService Packによる修正は、Corel社のリリースによると、パフォーマンスと安定性における全般的な問題の解決となっています。他に、ロールオーバー表示の問題も解決されているそうです。

また、Service Pack 1でCorelDRAW Graphics Suiteのバージョンは「10.427」(R.A.V.E.は1.0.427)に上がりましたが、Service Pack 2を導入してもバージョン番号は変わりません。CorelDRAW Graphics Suiteの各本体プログラムも変更されていないようです。

ではService Pack 2の実体は何かというと、「CorelDrw100.dll」「cdrfnt100.dll」のライブラリファイルで、これらが10.428にバージョンアップされています。本体ファイルに手をつけなくても修正を施せる項目だけが、リストアップされたのでしょう。時期的に見ても、すでにCorelDRAW 10の改良より、CorelDRAW 11の登場に期待をつなぐほうが賢明といえるでしょう。

更新: 2001年12月7日
部分更新: 2001年12月11日

Micrografx社買収(吸収合併)最終合意

Corel社の発表によると、先に発表された同社によるMicrografx社の買収が、Micrografx社株主との間で最終的に合意されたそうです。また、Micrografx社経営陣の一部が、Corel社に迎え入れられました。

この買収合意によって、Micrografx社はCorel社に吸収されますが、「Picture Publisher 10」「Picture Publisher Digital Camera Edition」「Micrografx Designer 9」といった最新のMicrografx製品は、Corel社がそのビジネスをすべて継続するそうです。

今回の買収では、Micrografx社が近年開拓してきた、企業向けグラフィックスソリューションの市場を獲得することが、Corel社の狙いのようです。MetaCreations社製品の買収とprocreateブランドの創設などは、Macintosh市場を睨んだものでした。従来のPC市場やプロフェッショナル、家庭向けといった分野だけでなく、グラフィックス製品を基盤にして販路を多角化するCorel社の戦略が、徐々に実を結んできている――とは言えないまでも、その輪郭がはっきりしてきたということでしょう。

更新: 2001年10月30日

KPT effects 登場(というか、入手)

procreateの3大ラインナップのひとつとして、「KPT effects 」が発売開始されました。KPT effectsはCorel社がMetaCreations社から買収したアプリケーション「KPT 6」の後継版で、Adobe Photoshop 4互換のビットマップ特殊効果プラグインです。正確に発売された日付はわかりませんが、さっそく英語版を入手したので、その概要に触れてみます。

まず、「KPT 7」ではなく、バージョン番号を消した製品名になっているところが不思議ですが、これは6の効果を変更したのではなく、新たな効果で構成した――というスタンスから来ているのかもしれません。

本題ともいうべき効果の中身ですが、KPT effectsには次の9種類が含まれています。

  • Channel Surfing: 色チャンネルを差し替えて、画像の色味を変更。
  • Fluid: 画像を流動させて変形。歪む過程をQuickTimeアニメーションに書き出し可能。
  • FraxFlame II: 画像に繊維風のテクスチャを追加する効果の改良版。
  • Gradient Lab: KPTお得意の特殊グラデーションパターンを生成。
  • Hyper Tiling: KPTお得意のフラクタルパターンで画像をタイリングする。PHOTO-PAINTの「Terrazzo」効果より劇的。
  • Ink Dropper: 画像の上にインクを落として滲ませる。
  • Lightning: 画像に稲妻の閃光を追加する。
  • Pyramid Paint: 画像の階調を下げて絵画風に変換。水彩画効果に似ていなくもない。
  • Scatter: 粒子風のパターン画像で画像を覆う。

乱暴な解説と適当なサンプルで紹介してしまいましたが、これらの中では、「Lightning」がやはり際立つ効果でしょう。KPT effectsのロゴデザインにも、ふんだんに使われています。またKPT effectsのインターフェイスは、ほぼ従来どおりです。個人的には、非常に使い難く好きではないのですが、これがウリなので仕方ないでしょう。

KPT effectsの動作は、もちろんWindows XP上のCorel PHOTO-PAINT 10で検証してみましたが、特に問題はありませんでした。PHOTO-PAINT 10付属の旧版「KPT 5 - FraxFlame」はオブジェクトに対しておかしな動作をしますが、KPT effectsの「FraxFlame II」は大丈夫です。

なお、KPT effects英語版は「Outpost.com」より入手しました。価格は送料込み184.09米ドル、さらに国内消費税600円(この部分は国内運送業者の代引)です。

更新: 2001年10月29日

Microsoft Windows XP 発売イベントで
CorelDRAW ESSENTIALSをアピール

Corel社の発表によると、10月24日(現地時間)に米ニューヨークで開かれる次期主力OS「Microsoft Windows XP」発売記念イベントにCorel社Derek Burney 社長がMicrosoft社のBill Gates 会長と肩を並べて参加し、XP対応版グラフィックスソフトとして「CorelDRAW ESSENTIALS」をアピールするそうです。

「Microsoft Windows XP」発売記念イベントにCorel社が参加するのは当然として、今、なぜCorelDRAW ESSENTIALSなのでしょう? CorelDRAW ESSENTIALSは実質的に、旧バージョンのCorelDRAW 9にあたります。

とはいえCorelDRAW ESSENTIALSは改名とともに化粧直しし、Pentuim 4プロセッサとWindows XPに最適化された製品になっているそうです。実物を見たことがないのでわかりませんが、XPフォルダの画像管理機能に適合しているのかもしれません。そして、何より低価格です。

Windows XPはWindows 2000の後継製品であるよりも、98やMeに対する強力な次世代OSとして、家庭向け市場を強く志向しています。そうしたMicrosoft社の戦略に合わせた商品が、実はCorelDRAW ESSENTIALSだった――ということなのでしょう。CorelDRAW ESSENTIALSは、すでに「Designed for Windows XP」ロゴの認証も得ています。 このCorel社の戦略が狙いどおりに進めば、CorelDRAWユーザーの底上げが期待できます。もちろん、それは欧米での話しですが...。

あとは、CorelDRAW 10についても、Service Pack 2など(それが開発されるかどうかは不明です)でXPへの最適化を期待したいところです。CorelDRAW 10 Service Pack 1 英語版はWindows XP互換にはなっていますが、「Designed for Windows XP」ロゴを取得してはいません。

なお当日は、Bill Gates 氏をはじめとするイベントに出席した面々が、ナスダック証券市場の取引開始セレモニーも行ったようです。ナスダックのサイトにその写真が掲載されています。2、3段目の写真で、Gates 氏の向かって右隣に写っている大柄の人物が、Corel社の Burney 氏です。

更新: 2001年10月25日
部分更新: 2001年10月27/28日

CorelDRAW 10 Graphics Suite 日本語版用
Service Pack1提供開始

(株)メディアヴィジョンから「CorelDRAW 10 Graphics Suite 日本語版」の修正版、「Service Pack 1」の提供が開始されました。同社サイトからダウンロードできます。サイズは10.8MB、ADSL接続であれば1分程度です。修正内容も同社サイトにアップされていますが、英語版SP1の修正内容とほぼ同じです。アプリケーションのバージョン番号は、英語版と同じく「10.410」から「10.427」(R.A.V.E.は1.0.427)に上がります。

この修正版は単体で発売されているCorelDRAW 10JやCorel PHOTO-PAINT 10Jには適用できません。

なお、その他の言語では、英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、スペイン語版のService Pack 1がCorel社サイトにアップされています。

更新: 2001年09月27日

9月下旬にCorelDRAW 10 Mac版登場

「Corel eNewsletter 2001年9月号」によると、9月26日にフランス・パリで開かれるApple ExpoでMac OS Xに対応した「CorelDRAW 10 Graphics Suite」が発表されるそうです。Mac版にも、CorelDRAW 10、Corel PHOTO-PAINT 10、Corel R.A.V.E.が含まれます。

またprocreateブランドでは、Photoshop互換特殊効果プラグインの「KPT effects」が今月中に、引き続いてマスキングソフト「KnockOut」も近く発表されるとのことです。

更新: 2001年09月07日

オンライン書店とのリンク

当サイト内の書籍紹介に、オンライン書店「amazon.co.jp」へのリンクを導入しました。これは、単にリンクを張っただけでなく、「アソシエイト・プログラム」という同社のアクセス管理システムを使用したものです。ですから、当サイトからのリンクでamazon.co.jpサイトへアクセスすると、アソシエイト・プログラムによって追跡されます。これは、一般的なEコマースシステムで、読者のプライバシーを侵害することはありませんが、こうした広告システムが不快な方は、クリックしないよう注意してください。

主として、「Guide Books」ページとAWGの「トロツキー」ページに、書籍リンクのリストやアイコンを配置してあります。また、amazon.co.jpサイトへのアクセスボタンを、あまり目立たないように各ページの一番下に置いてあります。まあ、当サイトも商業主義に毒されたと思われるかもしれませんが、CorelDRAW関連の書籍情報を検索する利便性の向上や、レオン・トロツキーの著作の普及も目的に入っていますので、ご了承ください。

今までCorelDRAW関連の洋書を入手するのにamazon.comやamazon.co.jpを利用してきたので、同社の価値は認めていますが、AOL傘下――つまり反マイクロソフト陣営に入ったことは、私にとっては不愉快です。ですので、みなさんも必要なときだけamazon.co.jpを利用してください。

更新: 2001年09月05日

さようなら、Linux

Corel社の発表によると、同社はXandros社とCorel Linuxに関する戦略的ライセンス協定に調印し、Xandros社がCorel Linuxの開発を継続することになりました。Xandros社は、当初Corel社がLinuxを売却すると噂されていたLinux Global Partners社傘下の企業です。

ライセンス供与という形で、やっとお荷物だったCorel Linuxを実質的かつ円満に放出することができ、グラフィックス分野とネットワークに傾注するCorel社の体制が、これで整ったといえるでしょう。

更新: 2001年08月30日

Bryce 5およびPainter 7日本語版発売延期

メディアヴィジョンの発表によると、9月28日に予定されていたCorel Bryce 5日本語版およびprocreate Painter 7日本語版の発売は、延期されました。理由は、日本語化作業の遅れだそうです。新しい発売日は未定です。

更新: 2001年08月22日

Corel、SoftQuad Software社を買収

Corel社の発表によると、先のMicrografx社に引き続き、株式の取得によって今回はSoftQuad Software社を買収することになりました。

SoftQuad Software社はグラフィックス関連企業ではなく、XMLをベースにした電子商取引向けソリューションを開発しているそうです。同社XML技術の獲得によって、Corel社は新経営戦略の第2段階(WebをターゲットとしたGraphic Suiteの拡張と改良)を強化できるとしています。また、WordPerfect製品ラインにも、このXML技術を活かしていくそうです。

ところで、このSoftQuad Software社買収のニュースは日本のPC系ニュースサイトでも報じられていますが、

なぜかMicrografx社買収のニュースはこれらの記事の中で触れられているだけで、日本語訳ニュースは報じられないままになっています。私から見ると、Micrografx社買収のほうがインパクトは強かったのですが、いわゆるIT業界ではグラフィックス関連のニュースは価値が低い――ということなのでしょうか。ちなみに、Painter 7発売のニュースでは、「米COREL」と紹介している記事もありました。まあ、欧米人が日本と中国の区別がつかないように、アメリカとカナダの違いは大差ない(※)のかもしれませんが、やはりそれ以前に、Corel社に対する国内の認識が低いことが原因なのでしょう。

※しかし、アメリカが地球温暖化問題の京都議定書批准を拒否し、またキューバ経済制裁を強行しているのに対し、カナダは異なる姿勢を取っている。

更新: 2001年08月08日
部分更新: 2001年08月10日

CorelDRAW 10 Graphics Suite 伊・独語版
Service Pack 1提供開始

Corel社は、CorelDRAW® 10 Graphics Suite イタリア語版・ドイツ語版用Service Pack 1の提供を開始しました。以前の発表では、今夏の早い時期に提供するとされていましたが、若干遅れて真夏になったようです。同社サイトからダウンロードできます。伊・独語版は提供予定が明らかにされていましたが、日本語版はまだ不明であり、メディアヴィジョンからも相変わらず告知はありません。

なお、フランス語版用Service Pack 1も8月22日から提供が始まりました。

日本ではパッとしないCorelDRAWですが、欧米、特にドイツでは高い知名度を誇っているようで、それが独語版SP1提供にもつながっているのでしょう。ちなみに、ドイツのビデオカードメーカーとして最近日本でも知られているELSA AG社(日本法人は株式会社エルザ ジャパン)では、同社サイトで自社ロゴの印刷用データを提供していますが、Adobe Illustrator形式とともに、CorelDRAW形式のファイルも掲載されています。こんなところにも、CorelDRAWの影響力が感じられる、という次第です。まあ、これは夏の余談ということで...。

更新: 2001年08月08日
部分更新: 2001年08月30日

「procreate」製品ブランド誕生

Corel社は、現地時間7月18日のMacworld Expo(ニューヨーク)で、「procreate」製品ブランドを発表します。これは、同社のグラフィックスアプリケーションのうち、今秋にかけて発売が予定されている「Painter 7」「KnockOut 2」「KPT7」を包括する製品ラインの名称です。procreate製品専用のWebサイトも開設されています。

これらは、CorelDRAWファミリーとは出自の異なるビットマップ画像編集ツールをグループ化したブランドといえるでしょう。MetaCreations社から買収したPainterとKPTは、それぞれペイントソフト、ビットマップ用特殊効果プラグインであり、KnockOutはultimatte社が開発したマスキング(画像切抜き)ソフトです。

こうしたブランドの創出は、Macworld Expoで発表されることからも分かるとおり、Macintoshグラフィックス市場を意識した製品の差別化といえるでしょう。procreate製品は、Mac OS Xへの積極的対応も売りものにしています。技術的な区分よりも、販売戦略として考えたほうがよいでしょう。もちろん、procreateの各製品は、Windows版も同時に開発中です。

なお、Corel KnockOut 1.5(英語版)の30日間体験版が同社サイトからダウンロードできます。また、Designer.comには同ソフトのチュートリアルが掲載されています。

更新: 2001年07月18日

Corel、Micrografx社を吸収合併

Corel社の発表によると、同社はMicrografx社の株式を取得し、友好的にMicrografx社を吸収合併することになりました。 これは、Corel社が3200万米ドル相当のMicrografx社の株式を購入する契約によって実現されます。この資金調達の一部として、Corel社は1100万米ドル(予想最大額)の株式を追加発行します。

Micrografx社はドローソフト「Designer」、フォトレタッチソフト「Picture Publisher」を擁するWindowsグラフィックス界の老舗的存在で、両ソフトの日本語版はCorel製品よりも以前から発売されていました。一時期は、Corel社とともにWindowsグラフィックス界の双璧をなしていたMicrografx社ですが、製品のOffice対応や特定業務向け販売に方向転換し、一般ユーザー向けには廉価版の「Windows Draw」ぐらいしか目立たない、といった状態が続いていました。

とはいえ、昨日(7月16日)に「Designer 9」への優待アップグレード案内が日本のマイクログラフィックス社から送られてきたばかりだったので、このニュースは驚きでした。今後の製品ラインナップがどうなるかは分かりませんが、ほとんど製品の性格が重複している以上、実質的にCorelDRAW Graphics SuiteがDesignerやPicture Publisherを吸収していくのでしょう。

Designer 9へのアップグレード案内に同封されていたパンフレットによれば、Designer 9の新機能は次のとおりです。

  • Flashエクスポートへの対応
  • PDFインポート・エクスポートへの対応
  • AutoCAD 2000形式ファイルのインポート対応
  • 指示線ツールの強化
  • Microsoft Installer(MSI)への対応

また、Picture Publisher 9は、次の新機能が挙げられていました。

  • 16ビットチャンネルへの対応
  • チャンネル別編集
  • Photoshop形式レイヤのサポート
  • ベジェ曲線によるマスク作成機能
  • 最大8ヶ所までの色情報取得/表示と2点間の距離を測る「ものさしツール」
  • チャンネルミキサー調整効果
  • 保存画像によるブラシ
  • ハイライト部とシャドウ部の自動検出
  • 自動トーンカーブ補正
  • 複数画像の一括サイズ変更を行うウイザード
  • 照明効果(ライトスタジオ)のPentium III対応
  • スプライン補完モードの追加
  • 5つのマージモード追加

というわけで、CorelDRAWやPHOTO-PAINTと比べて、後追いの印象は拭えません。パンフレット上のその他の特徴的機能を見ても、Corel製品と比べて同等以下のものはあっても、それを凌駕するようなものは見当たりません。強いて言えば、Designerの寸法線やオブジェクトサイズの検出機能が、CorelDRAWよりも精度が高そうに感じられるぐらいです。私も以前はPicture Publisherを使っていましたが、現在の製品概要を見る限り、CorelDRAW 10 Graphics Suiteのほうが性能的に優れた製品といえるでしょう。インターフェイスの面でも、インタラクティブツールとプロパティバー、そしてドッキングウインドウを進化させてきたCorel製品に対し、Micrografx製品には見るべきものはありません。こうした点から、DesignerやPicture Publisherの製品ラインがCorelDRAW Graphics Suite並存していくメリットは、ほとんどないでしょう。それよりも、Micrografx製品の技術をCorel製品に吸収するとともに、Micrografx社が開拓した販路や市場に合わせたCorel製品を提供するほうが、理にかなっています。

先のMetaCreations社Painter等の買収で、Corel社はMacintoshグラフィックス界への橋頭堡を確保し、今回の吸収合併ではWindowsグラフィックス界での主要な地位を独占しました。 かつてのOffice製品買収に端を発した場当たり的な投資やLinuxへの参入、破綻したInprise社吸収合併など、非グラフィックス製品の領域では失敗の多かったCorel社ですが、最近のグラフィックス回帰ともう一方でのMicrosoft社との提携は、順調な成果を挙げています。そうした状況でのMicrografx社吸収合併は、Corel社とその製品の将来に、より大きな可能性を拓くでしょう。Corel社は、同社新経営戦略の推進おいて、今回の合併によるMicrografx社の技術吸収が大きな梃子になると述べています。こうした野心的な戦略によって、Corel社の技術的力量とともに、日本での知名度向上にも期待したいところです。

また、日本のユーザーとして気になるのは、Micrografx社が日本法人の「マイクログラフィックス株式会社」を持っていることです。こうした部門が今後どのように再編成されるのかは分かりませんが、マイクログラフィックス(株)がCorel社の日本法人に転化するなら、サポートや日本語版リリースの面で、今のメディアヴィジョンより期待できるものになるかもしれません。まあ、これは希望的観測ですが...。

更新: 2001年07月17日
部分更新: 2001年07月18日

Corel Cumulus Desktop LE 5アップデート

CorelDRAW 10 Graphics Suite付属のサムネール画像管理ソフト「Corel Cumulus Desktop LE 5」がアップデートされ、バージョンが5.0.10に上がりました。開発元であるCanto社のサイトから、英語版、日本語版、ドイツ語およびフランス語版の「Cumulus 5 Single User Edition Release 5.0.10」をダウンロードできます(Cumulusの製品シリアル番号の入力が必要です)。なお、Windows版とMac版がありますので、注意してください。英語版は約16.3MB、日本語版は約25.1MBのファイルサイズになります。

CorelDRAW 10英語版に添付されているのは「5.0.07」で、最近まで「5.0.09」がCanto社サイトに置かれていましたが、現在では「5.0.10」だけがダウンロードできます。CorelDRAW 10日本語版には「5.0.09」が添付されています。

Cumulus 5.0.10では、次の機能が改良されています。

  • ビットマップフィルタの更新(Windows BMP、OS/2 BMP、MS Windows アイコン、MS Windows カーソルサポート)
  • MP3フィルタの更新
  • MPEGフィルタの更新(MPEG2サポート)
  • Macromedia FreeHandフィルタの更新(FreeHand 5、7、8、9、10サポート)
  • スクリプトコマンドのメニューからの実行
  • その他バグフィックス等
    詳しくは同社ダウンロードページから機能改善リストを参照できます。

ダウンロードされるCumulus 5.0.10ファイルは修正パッチではなく、アプリケーション全体のセットアップファイルです。このため、セットアップを実行する前に旧バージョンをアンインストールしておくことが推奨されています。また、セットアップ時にシリアル番号の入力が求められるので、旧版をアンインストールする前に、メニュー「ヘルプ」-「ライセンス」からシリアル番号を確認しておいてください。

なおCumulus 5.0.10では、起動時のスプラッシュスクリーン等がCorel社向けOEMデザインから、Cumulusのオリジナルに変更されます。

更新: 2001年07月06日

Microsoft分割判決差し戻し

当サイトの趣旨と直接関係はありませんが、米Microsoft社に対する独占禁止法訴訟で、1年前に下された米連邦地裁の分割命令判決が、控訴審(連邦控訴裁)で覆され、地裁へ差し戻されました。分割命令が“行き過ぎ”であることが理由です。また、1審でアンチマイクロソフトの寵児となったジャクソン判事も、偏見の持ち主ということで差し戻し審から排除されることになりました。おめでとう!

Microsoft社の独禁法裁判1審の時点では、Corel社は前社長の下でMicrosoft社と対立関係にありましたが、現在は戦略的パートナーシップを築き、C#言語の共同開発プロジェクトも始まろうとしています。また、こうした関係を米司法省が独禁法違反事例として捉えているとの報道もあり、いちがいに今回の判決がCorel社やその製品ユーザーと無関係であるとはいえません。まあ、CorelとMicrosoftの提携に水をさされる前に、和解等でこの不毛な裁判が決着すればそれに越したことはありません。

ちなみに、昨年の分割命令判決が出たときには、判決が確定していないにもかかわらず、日経新聞などを含めMicrosoft社分割は既定の事実であるかのように報道されていました。だとしたら、今回は「Microsoft勝訴」として報道するのでしょうか? さらにコンピュータ業界の話から外れてしまいますが、報道(マスコミにしろ、ネット上で流布される“論調”にしろ)が持つこうした日和見主義的大衆迎合を把握することができれば、現在の「小泉」人気に踊らされることも、幾分かは防げられるでしょう。

更新: 2001年06月29日

Corel、2001年第2四半期の財務状況を公表

Corel社は2001年会計年度第2四半期の財務状況を公表しました。

それによると、売り上げは3600万ドルで、今年第1四半期(3250万ドル)よりも11%程度増加しました。売り上げ額は昨年同期(3660万ドル)とほぼ同じ結果ですが、純益は230万ドル(1株当たり0.02ドル)で、昨年同期の純損失2360万ドル(1株当たり-0.36ドル)と比較すると改善されています。また、第2四半期終了時点での現金・現金等価物・有価証券の保有額は1億2620万ドルで、やはり昨年同期の980万ドルより改善されています。

第1四半期は、売り上げ額こそ昨年同期を下回ったものの、利益を上げることができました。第2四半期は昨年同期とほぼ同じ売り上げ額の水準で、赤字を出さずにいます。つまり、昨年は全四半期をとおして損失を出していた同社の収益状況は改善され、徐々に増加傾向にあると言えるでしょう。

Microsoftとの共同開発プロジェクトは比較的長期にわたるものでしょうから、当面は秋にかけてのグラフィックス製品のバージョンアップ攻勢で、どれだけ売り上げを増やせるかがポイントになるでしょう。いずれにしても、同社が利益を上げることは、(赤字とリストラの影響をこうむった)製品品質の向上につながるわけですから、ユーザーとしても歓迎できます。

更新: 2001年06月28日

Corel、MicrosoftとC#言語およびCLI開発で協働

米Microsoft社の発表(日本語のニュースリリースはこちら)によると、同社の新プログラミング言語「C#」とそのCLI(Common Language Infrastructure)仕様の開発に、Corel社が共同して取り組むことになりました。

グラフィックスの話題とはかけ離れているため、私のいい加減な理解を基にして解説すると、現在アプリケーション開発の主流を占めているプログラミング言語「C」や「C++」を、より簡素かつネットワークとの親和性を高めたものに改良しようとしているのが「C#」言語です。Microsoft社は「.NET」戦略の開発言語の中心に「C#」据えるとともに、Javaに代わるプラットフォームとして、ECMA(欧州コンピュータ製造者協会。国際規模のコンピュータ技術標準化団体)に標準化を申請しています。また、CLIは 「C#」を含む複数の言語を、さまざまなプラットフォームで動かすための環境で、「C#」とCLIの関係は、Javaとそれを動かすJava VM(仮想マシン)に似ています。というよりも、Javaに対抗するプラットフォームとして、Microsoftが企画したものが「C#」とCLIだというのが一般的な評価のようです。

Javaと異なり、CLIは「C#」以外の言語にも対応できるマルチプラットフォームを目指しています。そのための技術開発と、そしてこの環境に多くの開発者を呼び込むため、Microsoft社は「C#」とCLIを、仕様やソースコードの公開を含む、いわゆるオープンソースにすることを約束してきました。

もちろん、同社の従来の姿勢から、こうした表明には懐疑の念も持たれてきたわけですが、今回の発表は、戦略パートナーのCorel社に開発の援助を求めることで、マルチプラットフォーム対応(Corel社はWindowsはもとより、Mac OSだけでなくLinuxでのアプリケーション開発も行ってきました)の開発を強化し、オープン化の約束履行を証明しようとするものだといえます。今回の発表では、WindowsだけでなくFreeBSD(フリーUNIXのひとつ)でも「C#」とCLIが実行できるよう開発する、とされています。

いずれにしても、より強力なCorel社とMicrosoft社のパートナーシップが構築されるのは頼もしいことであり、Corel社が次世代の標準化技術に深く関わることは、グラフィックス製品ユーザーにとっても将来的なメリットにつながるでしょう。Corel社の技術担当チーフであるRene Schmidt氏は、「このプロジェクトにMicrosoftと共同参加することに、私たちはとても興奮している」と語っています。まあ、“アンチマイクロソフト”が目当てでCorelオフィス製品ユーザーになった人には、半永久的に当てが外れたということで、お悔やみを申し上げるしかありませんが。

なお、「C#」の動向については「ZDNet Japan」「CNET Japan」にいくつか記事が掲載されていますので、紹介しておきます。私のにわか解説より、遥かに役に立ちます。

更新: 2001年06月28日

「KPT7」 ベータテスト募集

Corel社のベータニュースサイトで「KPT 7」のベータテスター募集が告知されています。KPTはAdobe Photoshop互換の特殊効果プラグインで、MetaCreations社からCorel社が買収したグラフィックス製品のひとつです。今回のバージョンより、はじめてCorel社が開発することになります。PHOTO-PAINTのオブジェクト構造との、親和性が高まることが期待されます。興味のある方は応募してみてください。

更新: 2001年06月27日

Corel社「CreativeAnywhere!」をライセンス

Corel社はZamaze Digital Imaging社に「CreativeAnywhere!」Webサービス技術をライセンスしたと発表しました。

耳慣れないCreativeAnywhere――いわば「どこでもクリエイティブ」という技術は、Webベースでデジタル写真に特殊効果を適用するサービスの、エンジンとして使われるそうです。その概要では、

  • 水彩画、スケッチパッド、セピア写真、油彩効果の適用
  • 切り抜き、回転、コントラスト、明度による画像調整
  • 複数イメージを結合するコラージュ
  • ほとんどの種類の画像ファイル変換
  • テキストの自由な追加

といった機能を提供します。Zamaze社のWebサイトで、こうした写真加工サービスが提供されます。

機能の概要から分かるように、「CreativeAnywhere!」技術の背景にはPHOTO-PAINTなどで使われている画像加工技術が存在します。PHOTO-PAINT 10では「コンポーネントアーキテクチャ」が導入され、個々の機能が独立してアプリケーションに組み込まれるようになりました。実際、CorelDRAW 10のプログラムフォルダには、PHOTO-PAINTの各機能をコンポーネント化したDLLファイルが格納されています(図右)。「CreativeAnywhere!」のアイデアが、PHOTO-PAINTのアーキテクチャに反映されていたわけです。PHOTO-PAINTの機能追加では、今のところコンポーネントアーキテクチャが利用されたサービスは提供されていませんが、いわゆるネットワークベースのアプリケーション機能配信として、PHOTO-PAINTやCorelDRAWの技術が「CreativeAnywhere!」として展開されることになるのでしょう。

さらに注目すべき点は、この「CreativeAnywhere!」はMicrosoft社が提唱する「.NET」テクノロジーをCorel社がサポートした最初のステップだと、Corel社筆頭副社長のIan LeGrow氏が述べていることです。「CreativeAnywhere!」自体は昨年4月に発表されたものですが、昨年のMicrosoft社との戦略的提携でCorel社の「.NET」への参画が決まり、それがこの技術を介して形になり始めたということでしょう。新しいフレームワークの下での、Corel社グラフィックス技術の展開に対する期待がふくらみます。

なお、「CreativeAnywhere!」の詳細は、同技術の専用サイト(英語)で確認することもできます。

更新: 2001年06月27日

Corel社「Bryce 5」「CorelDRAW ESSENTIALS」発表

Corel社は、「Bryce 5」「CorelDRAW ESSENTIALS」の2つのグラフィックス製品を発表しました。

「Bryce5」は、3DCG景観作成ソフトの最新バージョンで、Windows 98/Me/NT4.0/2000およびMac OS 8.6以上に対応し、とりわけCorel社初のMac OS X対応製品であると謳われています。また、次の新機能が含まれます。

  • Windows、Macのプラットフォームを問わないネットワークレンダリング
  • フィールド深度などに対応したフォトリアリスティックなプレミアムレンダリングオプション
  • 有機的な樹木の3DCGを作成できる「ツリーラボ」
  • モデリングでのメタボールオブジェクト対応
  • より詳細な照明設定ができる「ライトラボ」

Bryce5(英語版)は、Windows、Mac版ともに309米ドル、アップグレード版は159米ドルで、7月発売予定です。またフランス、ドイツ語版は8月発売予定ですが、日本語版は未定です。

「CorelDRAW ESSENTIALS」は、CorelDRAW 9 Graphics Suite 英語版のリニューアルパッケージです。従来版との違いは、

  • Pentium 4への最適化
  • Microsoft Windows XPへの最適化

が挙げられています。Windows 98/Me/NT4.0/2000/XP対応で8月発売予定、価格は109米ドルです。日本では、かつてメディアヴィジョンがCorelDRAW 8Jのパッケージを詰め替えて、「Special Pack」として再発売していましたが、Corel本社も似たような販売戦術を考え付いたようです。ただ、最新CPUとOSに最適化した修正版として提供するところは、良心的ですね。こちらも日本語版の予定は不明です。

更新: 2001年06月26日

ADSL導入

私事ですが、当サイトの制作環境を含む私の仕事場兼半自宅にADSLを導入しました。猫もビックリ。選択したのは、NTT東日本のフレッツADSLです。ADSLは、環境によって接続速度にバラつきが出てしまうことが一部で不満や批判を呼んでいるようですが、私のところはNTTの収容局が近所ということもあり、800K~1.2M bps程度の速度が出ているので、十分満足しています。また、ADSLモデムの品不足で申し込みから開通まで時間がかかるといわれていましたが、5月上旬に申し込んだところ、1週間程度しか待たされませんでした。NTT東日本のサービスを選んだのは、そのサービス圏内だったから――というのが最大の理由ですが、もちろん私はマイクロソフト、NTTといった独占企業が好きだ、というのも二次的な理由です。まあ、NTT(電電公社)の場合は、JR(国鉄)とともに再び公社化もしくは国有化することを望みますが...。

それはともかく、いわゆるブロードバンド接続(といっても、本格的な映像を“放送”するには力不足でしょう。やっと、ラジオ放送といった段階ですね)の仲間入りをしたわけですが、おかげでCorelDRAW 10 Service Pack 1のような、10MB程度のファイルであれば、まったく躊躇することなくダウンロードできるようになりました。100~200MBぐらいでも、たいして苦になりません。CorelDRAW 10 英語版はダウンロード販売も行っていますが、ADSL程度の環境が普及すれば、店頭でのパッケージ販売の比重が下がることは間違いないでしょう。また、CorelDRAWのように多言語対応のソフトであれば、日本語版を待つまでもなく、英語版の発売と同時にダウンロード購入する、という選択肢も広がるでしょう。

Corelグラフィックス製品では、CorelDRAW 10 のほか、KnockOut 1.5がダウンロードで購入できます。また、Corel製品ではありませんが、PHOTO-PAINT強化ツールとして「Deep Paint」というペイントソフトをダウンロードで購入しました。このソフトについては、PHOTO-PAINTページで後ほど紹介します。

また、アップロードする回線の帯域も500K程度になるので、それなりの画像をWebサイトにも組み込めるでしょう。というわけで、当サイトも画像面でさらに重くなることが予想されます。当面はダイヤルアップユーザーとの“デジタルデバイド”とやらが広がるかもしれませんが、低開発国の貧困には頬かむりをする日本人一般に、それを非難する資格はありません。それに、あと数年もすれば国策で各家庭を光ファイバーで接続するそうですから、そのときにはDSL技術も現在のISDNのように遺物扱いになってしまい、今度は過去にADSLに無駄金を払った私達が見下される番になるでしょう。そんな時代の隙間を縫って、当C.D.R.サイトは内容の量と質の両面で拡充を図っていきます、という告知でした。

更新: 2001年06月08日

PC WORLD.COM 「Best Drawing Software」

先にCorelDRAW 10 Graphics Suiteが米「ZD Net PC MAGAZINE」のEditors' Choiceを獲得したニュースを紹介しましたが、今度は「PC WORLD.COM」で「Best Drawing Software」に選出されました。選考理由は明記されていませんが、「499ドルでIllustratorやFreeHandに匹敵するプロフェッショナルツールのCorelDRAWが目玉である」とのコメントが記載されています。

Corel社サイトにもPC WORLDのロゴ入りで大きく掲載されていますが、このほかにも多くのサイトに掲載されているCorelDRAW 10の評価は、こちらの一覧から見ることができます。日本の外では、CorelDRAWに対する注目度は相変わらず高いようです。

なお、PC WORLDの発行元であるIDGグループは、日本にも(株)IDGジャパンという子会社を持っていますが、そこの出版物ではこうした評価は得られないでしょう...。やっぱり、日本人の耳はロバの耳。

更新: 2001年06月08日

CorelDRAW 10 英語版 Service Pack 1 提供開始

Corel社から、予告どおり「CorelDRAW 10 Graphics Suite」(英語版)の修正パッチファイル「Service Pack 1」の提供が開始されました。同社FTPサイトからダウンロードできます。また、Service Pack 1のリリースノートも同社サイトに掲載されていますので、インストールする場合は初めにそちらを参照してください。

FTPサイトには、「d10sp1en.exe」(2001/05/15日付)という実行ファイルがアップロードされています。Internet Explorerで同サイトを開くとFTPフォルダとして表示されますから、「d10sp1en.exe」ファイルを任意のローカルフォルダにドラッグしてダウンロード(コピー)します。ファイルサイズは約10.6MBもありますので、56kモデムでは1時間ぐらいかかるでしょう。私事ですが、あさっての18日に私の家にもADSL回線が開設されるので、それまで待とうかと思いましたが、やはりCorelDRAWに関することで躊躇はできません。いさぎよくあきらめて、電話回線でダウンロードしました。

今回のService Pack 1は、もちろん英語版専用で、日本語版には使用できません。対象は統合パッケージのCorelDRAW 10 Graphics Suiteで、「Ver.10.410」(R.A.V.E.は「Ver.1.0.410」。リリースノートの表記は誤り)を「Ver.10.427」(R.A.V.E.は「Ver.1.0.427」)に更新します。なお、トライアル版にも使用できません。英語版にはWebダウンロード版があり、はじめから正式版としてダウンロードしたものは問題ありませんが、トライアル版から正式版に変更したものにはService Pack 1を適用できません。このケースに該当する場合は、同社カスタマーサービスに問い合わせる必要があります。まあ、国内でそうした使い方をしている人は、ほとんどいないと思いますが、念のため。

リリースノートには、下記の修正/改善項目が列記されています。すべてを検証したわけではありませんが、とりあえず紹介しておきます。より詳しい検証は、後日、当サイトの「CorelDRAW」ページに掲載します。

Graphics Suite 全般の修正

カスタマイズ

  • アプリケーションの再起動後も、作業領域のカスタマイズが維持されるようになった。
  • 一部のシステム上で発生する「ドッキング・ウインドウ」オープン時のエラーが解決された。
  • カスタマイズで「コマンドバー」にビットマップ効果のツールボタンを配置した際の、メモリハンドルエラーが解決された。

CorelDRAW 10 の修正

全般

  • 輪郭線の幅の制御に関する問題が解決された。
  •  ドッキング・ウインドウが開かれている時の「ズームツール」の問題が解決された。
  • すでにCorelDRAWを実行している場合、WindowsエクスプローラからダブルクリックでCorelDRAWファイルを開いても、別のCorelDRAWが起動しないようになった。
  • 以前のバージョンで作成したCorelDRAWファイルの、「複製との距離」「カーソルキー移動のオフセット」を編集できるようになった。
  • CorelDRAWが適切に終了できない問題が解決された。
  • 全般的な動作パフォーマンスの問題が取り扱われた。

効果

  • ファイルを開くときに、「ロールオーバー」オブジェクト内部に適用された「ドロップシャドウ」効果が維持されるようになった。
  • Windows NT/2000の「Power Users」権限でも、「ビットマップ効果」が動作するようになった。

ファイルI/O

  • 2バイト文字(日本語全角文字等)を使ったファイル名で保存するときの問題が解決された。

テキスト

  • テキストの移動もしくは編集後に、元の位置にテキストが出現する問題が取り扱われた。
  • 「テキストのフォーマット」ダイアログで、適用のロックがONになっていても「行間隔」設定を適用できるようになった。
  • テキストカーソルの表示に関わる問題が取り扱われた。
  • テキスト編集時と選択ツール使用時の動作のくい違いが取り扱われた。
  • 2バイト文字テキストのコピー&ペーストが適切に動作するようになった。

Corel PHOTO-PAINT 10 の修正

全般

  • 「クローンツール」使用時の画面のリフレッシュ問題が取り扱われた。
  • 「マスクブラシツール」がより高速に動作するよう最適化された。
  • すべてのマスクツールは、「減算」モードでアンチエイリアス処理をサポートするようになった。
  • 50~99%の範囲でイメージのリサンプルを実行した際、画像の詳細さが失われる問題が取り扱われた。
  • 「24bit RGB フルカラー」のムービーを 「8bit パレットカラー」に変換する際、すべてのフレームからパレットカラーのサンプルが取られるようになった。

効果

  • 「ビットマップ効果」で発生するランダムなエラーが取り扱われた。
  • 「ガウス フェード」効果は、オブジェクトの境界だけでなく、境界の内側にも適用されるようになった。
  • Windows NT/2000の「Power Users」権限でも、「ビットマップ効果」が動作するようになった。

ファイルI/O

  • シングルプロセッサ(CPUが1個)のコンピュータで「Web イメージオプティマイザ」を使用するときに発生するランダムなエラーが解決された。
  • 「バックグラウンドなし」イメージをサポートするフォーマットにエクスポートするとき、オブジェクトの透明度が適切に処理されるようになった。
  • オブジェクトを含むムービーを「GIFアニメーション」へエクスポートする際、すべてのフレームが書き出されるようになった。

テキスト

  • テキストに適用した「CMYKカラー」が適切に維持されるようになった。

Corel R.A.V.E. 1.0 の修正

概要

  • 「キーフレーム」を追加したとき、アイテムがシフトする問題が解決された。
  • 「キーフレーム」を追加したとき、もしくは「キーフレーム」のプロパティ編集時に発生するエラーが解決された。

効果

  • 「レンズ効果」の不安定性が解決された。
  • 2層目の「パワークリップ」を編集するときに発生するエラーが解決された。
  • インポートした「音声ファイル」が適切にループするようになった。

CorelDRAWR 10 入出力エンジンの修正

印刷

  • 「PPD ファイル」を利用してファイルに出力するとき、「Type1フォント」が適切にダウンロードされるようになった。
  • いくつかのプリンタで「Type1フォント」出力時に発生するエラーが取り扱われた。
  • カラープロファイル適用時、「グレースケール」のオブジェクトが墨(K)版のみに出力されるようになった。

インポートフィルタ

  • PDF:  「1bit モノクロ」ビットマップを含むPDFファイルを適切に読み込めるようになった。
  • DCS: 分割(分版)されたDCSファイルを適切に読み込めるようになった。

エクスポートフィルタ

  • PDF: 文字間隔の問題が取り扱われた。「レジストレーションマーク(中トンボ)」が墨(K)版以外でも表示されるようになった。
  • GIF: アニメーションの第1フレームだけではなく、すべてのフレームからカラーパレットが作られるようになった。

Web イメージ オプティマイザ

  • CorelDRAW からエクスポートするとき、 デフォルトでアンチエイリアス処理が適用されるようになった。
  • CorelDRAW でオブジェクトが選択されているとき、ページ上の全オブジェクトではなく選択オブジェクトのみをエクスポートするようになった。
  • ダウンロード時間の予測がより正確になった。

以上、多くの修正/改善点がありますが、CorelDRAW 10のすべての問題がこのService Pack 1で解決されたわけではありません。たとえば、「多言語機能でロシア語を入力すると大文字が日本語(JP)として認識されてしまう」という不具合は残っています。修正しきれていない問題、もしくはService Pack 1によって加わった不具合は、(開発されるとすれば)Service Pack 2 か、CorelDRAW 11までの課題ということになるでしょう。

こうした積み残しや、日本語版10.410での問題との比較は、私個人の問題意識による調査ではすべてをカバーしきれるとは思えませんので、当「C.D.R.サイト」に新設した「質問コーナー」へご質問いただければ、時間の許す範囲で検証させていただきます。

なお、日本語版Service Pack 1のスケジュールがどうなっているかはわかりませんが、過去のバージョンの英語版および日本語版Service Packリリーススケジュールを掲載しておきます。

CorelDRAW 8 英語版(1997年10月27日発売)

  • CorelDRAW 8 Revision B: 1998年5月29日
  • CorelDRAW 8 Service Pack 2(Revision C): 1999年1月5日
     
  • CorelDRAW 8J (Revision B相当): 1998年9月発売
  • CorelDRAW 8J Service Pack 1(Revision C相当): 1999年5月19日

CorelDRAW 9 英語版(1999年4月7日発売)

  • CorelDRAW 9 Service Pack 1: 1999年8月9日
  • CorelDRAW 9 Service Pack 2: 1999年12月21日
     
  • CorelDRAW 9J (Service Pack 1相当): 1999年10月(9月?)発売
  • CorelDRAW 9J Service Pack 2: 2000年5月3日

CorelDRAW 10(Ver.10.410)英語版(2000年11月10日発売)

  • CorelDRAW 10 Service Pack 1: 2001年5月15日
     
  • CorelDRAW 10J (Ver.10.410): 2001年4月6日発売

このスケジュールからわかるとおり、CorelDRAW 10の日本語版は、従来とは異なりService Pack 1以前に(つまり、英語初期バージョンを基にして)リリースされています。従来どおりであれば、Service Pack 1を待ち、その2~3ヵ月後に日本語版が発売されていました。ですから、日本語版は英語版の1年ほど後に発売されるのが常でした。10では、それが5ヶ月に短縮されたわけですが、その結果、Service Pack 1より先にリリースとなり、英語圏ユーザーとともに新機能と不具合を共有できるようになったわけです。メリットとデメリットを秤にかければ、早目に日本語版が発売されるようになったのは、よいことだと思います。初期バージョンだろうが、Service Pack 1が基になっていようが、新バージョンには賞賛とともに、懐疑の声が上がるのが常ですから。

問題は、日本語版Service Pack 1をメディアヴィジョン(コーレル・ジャパン)がきちんとリリースするのかどうか、その告知をしっかり行うかどうかでしょう。「CorelDRAW 9J Service Pack 2」は、Corel社のサイトにひっそりとアップされているだけで、メディアヴィジョンからのアナウンスは一度もありませんでしたし、同社サイトからはダウンロードできません。“知らぬが仏”状態といったところでしょうか。また、9JのベータテストはCorel社のベータサイトで募集していましたが、10Jではメディアヴィジョンが行っていました。これは、ローカライズがCorel本社からメディアヴィジョンへ移管されたことを意味しているようです。こうした体制の変更で、日本語版Service Pack 1開発スケジュールがどうなるのか、予測は難しいところです。まあ、以前の日本語版がService Pack 1を基にして英語版から1年遅れたことから単純に考えると、今年の11月ぐらいには出るかもしれません。ゆっくり構えていて、それより早くリリースされたほうが、人間心理的には嬉しいでしょう。

更新: 2001年05月16日

CorelDRAW 10 英語版 Service Pack 1は5月中に配布予定

Corel社の発表(「Corel eNewsletter: May 2001」)によると、CorelDRAW 10 Graphics Suite Service Pack 1(英語版)が今月中に同社サイトから、無償ダウンロードできるようになるそうです。

Service Pack 1では、ドッキングウインドウ表示、輪郭線幅の制御、ビットマ���プ効果、および全般的なパフォーマンス等の改善と、ユーザーの要望に応えたいくつかの機能拡張が含まれる予定です。Service Pack 1が登場しだい、当サイトで詳細を報告します。

また、ドイツ語版とイタリア語版のService Pack 1が2001年夏の早い時期にリリースされることがアナウンスされていますが、日本語版の時期は不明です。

更新: 2001年05月03日

(いまさらながら)CorelDRAW 10J発売

4月6日、メディアヴィジョンはCorelDRAW 10 日本語版の発売を開始しました。しかし、わが浦和市内のパソコンショップでは、売り場で姿を見かけることすらできませんでした。

私は、仕事上の用事がなければ原則として浦和市域外に足を踏み出さないようにしているので(別に、引きこもっているわけではありません。世界一すばらしい街である浦和市内なら、どこでも出かけます)、なかなかCorelDRAW 10Jと対面できなかったのですが、一昨日秋葉原近辺まで出かける仕事があったので、やっと手に入れることができました。

日本語版のビルド番号は「10.410」で、昨年11月に発売された英語版と同じです。従来とは異なり、Service Packが適用される以前の製品が日本語化されています。また、日本語版で追加された機能はまったくありません。この内容で、なぜ5ヶ月ものブランクが英語版との間にあったのかは、疑問が残るところです。

英語版との相違は、「Aveo Attune」「Bitstream Font Navigator 4.0」「AGFAnet Print ServiceSoftware」が省かれている点です。Aveo AttuneとAGFAnetは、日本向けサービスが行なわれていないので、お役御免となったのでしょう。Font Navigatorは日本語フォント未対応が仇となったようですが、欧文フォントの管理には利用できるという声もあるので、削除してしまったのはやりすぎかもしれません。

その他の添付ソフトでは、「TRUMATCH SwatchPrinter Software」がひっそりとDisc 1の「Trumatch」フォルダに収められている点は、なぜか英語版と同じです。Disc 2、3のクリップアート類は、英語版と同内容です。Disc 2の「Extra Fonts」フォルダにも、和文フォントを含め英語版とまったく同じフォントが収録されています。

機能面でも、多言語に対応しているCorelDRAW 10では英語版と日本語版に差はほとんどありませんが、「リリース ノート」によると「Visual Basic for Applications」のインストールはカスタムセットアップで行なうのではなく、Disc 1の「Corel\Graphics10\Config\Redist\VBA6」フォルダにある「vba6.msi」ファイル(Windows Installer Packageファイル。実行形式なのでダブルクリックして起動できます)からセットアップするようになっています。

なお、メディアヴィジョンが「アップグレードのご案内」で紹介していた内容のうち、先に述べたようにFont Navigatorは削られています。Canto Cumulus LEは、やはりVer5日本語版が添付されています。

PDF書き出しオプション

PDF書き出し機能については、日本語版のデフォルト設定のおかげで、フォントがMS PゴシックやMS P明朝に置き換わってしまう原因がつかめました。英語版は「PDF for Document Distribution」(「PDF ドキュメント配布用」)がデフォルトのPDFスタイルですが、日本語版では「CorelDRAW デフォルト」になっています(このスタイルは英語版にはありません)。この2つのスタイルで異なるオプションのひとつに「オブジェクト」(Objects)タブの「フォントのサブセット」(Subset Fonts)項目があります。「PDF for Document Distribution」ではON、「CorelDRAW デフォルト」ではOFFになっていて、「PDF for Document Distribution」でもこのオプションをOFFにすることで指定したフォントが埋め込まれるようになりました。しかし、これだけでは一部の文字で字間が詰まってしまう問題は回避できません。最も確実な回避法は、日本語(アジア系)に等幅フォント(全角仮名文字にプロポーショナルがかかっていないもの。たとえばMS ゴシック)を、欧文(ラテン語)には欧文フォントを指定し、半角英数字にはすべて欧文フォントを適用します。こうすることで、多くのフォントをPDFに埋め込めるようになります。ただし、中にはどうしても字間のおかしくなるフォントがあります。これは、使用を諦めるしかありません。

一部の問題は解決できたものの、英語版に由来する障害は、日本語版にも存在します。しかし、これらはService Packが登場することで、改善されていくでしょう。CorelDRAW 10Jは、PC MAGAZINE誌の評価を持ち出すまでもなく、最も優れたグラフィックスソフトであることに、私は太鼓判を押します。

更新: 2001年04月15日

Corel社の最新動向(2001年3月)

Corel社は、今年のアプリケーション発売予定を明らかにしました。それによると、夏の初め(6月頃?)から秋にかけて、3DCGソフト「Bryce 5」、Macintosh版「CorelDRAW 10」、ペイントソフト「Corel Painter 7」、マスキングソフト「Corel KnockOut 2」、ビットマップ特殊効果プラグイン「KPT 7」の順に、発売していくそうです。これらはすべてインターナショナル英語版およびドイツ語版で、Bryce、Painter、KPTはフランス語版も発売されます。日本語版は不明です。まあ、ここに挙げたソフトは、英語版でも構わないものばかりですが...。

また、同社は2001年第1四半期の財政状況も公表しています。第1四半期の収入予想は3250万ドルと、同社内の予測を下回りそうなものの、純利益は最高50万ドル程度になるそうです。これは、4410万ドルの収入を上げながら1240万ドルの純損失を出した昨年の同期間と比べると、対照的な結果である――と報告されています。なお、金額の単位は米ドルです。

昨年のグラフィックスソフトの野心的な買収、マイクロソフトとの提携、経営陣の一新、そして今年の年頭で明確になった企業戦略が、結果を出しつつあるということでしょう。極東の片隅にいる一コーレルファンとしても、うれしいかぎりです。今夏から秋にかけてのグラフィックスソフト(「クリエイティブプロダクト」と同社では定義しています)のバージョンアップ攻勢で、Corel社が再び業界リーダーとしての地位を取り戻すことを期待しています。

更新: 2001年03月25日

PC MAGAZINE Editors' Choice

Corel社サイトのホームページに、CorelDRAW 10 Graphics Suiteが米「ZD Net PC MAGAZINE」のEditors' Choiceを獲得したとの記事が掲載されています。これは「PC MAGAZINE」(Webマガジン)が「Image Makers」と題して行なったグラフィックスソフトの比較検証記事(2001年3月2日付)で、CorelDRAW 10についてはこちらの記事で評価されています。なお、記事はすべて英文です。

比較されているのはCorelDRAW 10 Graphics Suiteのほか、Adobe Illustrator 9.0、Adobe Photoshop 6.0、Canvas 7、Macromedia Fireworks 4、Macromedia FreeHand 9で、これらのうちCorelDRAW、Photoshop、Fireworksが、Editors' Choiceを受賞しています。各アプリケーションの比較表は、こちらで見ることができます。

CorelDRAWの記事を見ると、やはりその操作性が高い評価を受け、それに加えてGraphics Suiteの統合性、DTP機能、カラーマネジメント機能などが支持されています。冒頭の総評記事でも、CorelDRAWは取り上げられたソフトの中で最も柔軟性のあるベクトルイラストレーションツールであり、Illustratorを上回っていると評されています。比較表では、「インターフェイス」「イラストレーション」「統合性」「プリプレス」「テキスト操作」で5段階評価の5、「使いやすさ」「画像編集」「Webグラフィックス」では同じく4と高得点をマークし、「総合評価」は4となっています。

また、CorelDRAWの弱点としては、PHOTO-PAINTのオブジェクト操作やレンズ機能がPhotoshopと比べ能力不足であること、Fireworksと比べWeb用機能が限定されていること、が正しく指摘されています。

こうした点から、ドローソフトではCorelDRAW、画像編集ソフトではPhotoshop、WebグラフィックスソフトではFireworksが最優秀であると判断され、この3ソフトがEditors' Choiceに輝きました。

IllustratorよりもCorelDRAWの方が優れているという評価に日本のユーザーは驚くかもしれませんが、「使いやすさ」「インターフェイス」「統合性」「Webグラフィックス」で3点というIllustratorに対する評価は、妥当でしょう。とくに操作性の面で、Illustratorは自ら囲い込んだ(習熟度の高い)ユーザーに対してのみ優秀であるという点は、このソフトの評価記事からも伺えます。極端な表現をすれば、「日本にはアドビ牧場に飼いならされた羊の群れがたくさんいる」と言えなくもありません。太宰治の『ダスゲマイネ』という小説で、ヨオゼフ・シゲティという著名な音楽家が日本公演で相手にされず、「日本人の耳はロバの耳」と嘆いて帰ったという逸話が創作されていますが、CorelDRAWの日本での現状を振り返ると、この短編の一節を、私はいつも思い出してしまいます。

それはそれとして、当サイトや私が過去に執筆した記事や書籍でも力説してきたとおり、CorelDRAWは現在の最高レベルのグラフィックスアプリケーションだということに、PC MAGAZINEも同意したと言えるでしょう。もちろん、これでCorelDRAWの進化や改良が止まってしまっては意味がありません。さらに、PHOTO-PAINTやR.A.V.E.が、将来他のソフトを凌駕するまで、より多くのユーザーの要求と、Corel社の開発努力が求められる、と手堅くまとめて終りにします。

更新: 2001年03月17日

CorelDRAW 10J 「アップグレードのご案内」

昨日、「CorelDRAW 10シリーズ アップグレードのご案内」がメディアヴィジョンから郵送されてきました。ちなみに、私は6本分のライセンスを持っているので、忠実に6通も封書がポストに入っていて、年賀状かと驚いてしまいました…。

同封のチラシにはCorelDRAW 10Jの新機能や強化点がリストアップされていますが、その内容は英語版10の機能と比較して、いくつか疑問点があったので、この場を借りて指摘しておきましょう。

CorelDRAW 10

  • リアルタイムプレビューを実現:
    「リストボックス上にハイライトされている設定が、適用される前にリアルタイムにドキュメント上でプレビューすることができる」とありますが、これに対応しているのは、CorelDRAWでは「テキストのパス結合」のみです。他のツールや効果には、実装されていません。
  • インタラクティブドロップシャドウツール:
    「シャドー部分のみを切り放すこともできるようになりました」とありますが、これは9J以前でも可能です。
  • WEBブラウジング:
    「CorelDRAW10内でWEBをブラウズすることができます」というのはそのとおりですが、厳密にはドッキングウインドウ(Web Connector)内で表示します。
  • PDFファイルの書き出し: 「日本語もテキストとして書き出し可能」とありますが、英語版と同等の機能のままであれば、フォントはすべてMS 明朝かMS ゴシックに置き換わってしまい、実用性は低いでしょう。

PHOTO-PAINT

  • 赤目修正ツール:
    「ワンクリックで赤目の修正ができます」とありますが、はじめにマスク選択範囲を作成する必要があります。
  • WEBイメージオプティマイザー:
    PHOTO-PAINTのツールとして紹介されていますが、CorelDRAWでも使えます。

その他のサポートアプリケーション

  • BitstreamFontNavigator4.0:
    特に触れられていませんが、このツールは日本語フォントやショートカットで登録したフォントを管理できません。
  • CantoCumulusDesktopLE4.0:
    英語版には「5 LE」が添付されています。4は9Jに添付されていたバージョンで、Windows 2000では動作しません。これはたぶん誤植で、日本語版にも5が付属するのだと思います。

あとは、CorelDRAWの紹介で「エフェクトのリアルタム表示」による作業効率のアップが強調されていますが、「テキストのパス結合」のみでそれが実現できるのかどうかは、疑問です。もちろん、CorelDRAWのインタラクティブツールは元々、非常に効率的なインターフェイスですが、これは10Jの新機能というわけではありません。アピールすべきポイントを、間違っているような印象を受けます。

もちろん、私がCorelDRAWに対し否定的評価をすることはありません。ここでの指摘は、CorelDRAW 10Jへの誤った期待を避けたかったからです。というわけで、結論はもう目に見えていますが、CorelDRAW 10のより厳密な機能��知りたい方は、当サイト記事「CorelDRAW 10 English グラフィックス・スイートの概要」「CorelDRAW 10 English 全新機能/強化ポイント一覧」をご覧ください。まだ、R.A.V.E.の詳細は、探究しきれていませんが...。

更新: 2001年03月15日

Corel Painter 7 英語版 ベータテスター募集

Corel社のベータニュースサイトで、「Corel Painter 7」英語版(Windows/Mac)のベータテスター募集が告知されています。私はもちろん“PHOTO-PAINT派”ですが、グラフィックス製品への回帰を目指すCorel社の戦略の中で、この著名でユニークなソフトと、CorelDRAW Suiteとの連携や統合には興味があります。

もちろん英語版のベータテストですから、英語によるレポート提出等の難関がありますが、この製品に関心があり、なおかつベータテストの守秘義務契約を守れる方は、参加してみてはいかがでしょうか。同ページの「Apply Now」から、登録フォームが表示されます。

なおCorel Painter 7は、Windows 95には対応しないそうです。

更新: 2001年03月14日

Matrox Millennium G400/G450 最新ドライバ

G400Matrox社のビデオカード「Millennium G400/G450」シリーズの最新ドライバVer.5.51.005(Windows 2000版)が、同社サイトにアップロードされました。

私も「Millennium G400 SingleHead AGP 32MB」を愛用しているのですが、実はCorelDRAW 8J、9J、10英語版の立体化効果で「ビットマップの押し出しモード」を使うと、同カードの「g400icd.dll」(OpenGLドライバ)が必ずエラーを引き起こし、CorelDRAWを強制終了させていました。画面の色数は「32bit フルカラー」です。これは、OSがWindows 2000、Windows Meを問わず、発生していました。

Ver.5.51.005ドライバを導入すると、やっとこの障害から解放されました。Millennium G400/G450を使用していて、「ビットマップの押し出しモード」のエラーに遭遇した場合は、このVer.5.51.005ドライバを試してみてください。なお、Windows Me版のVer.6.50.008ドライバもアップされています。

G450と紹介した矢先に、ビデオカードを「Millennium G450 DualHead AGP DDR 32MB」に買い替えてしまいました。ほんとうはG800が出るまで待つつもりだったのですが、バルク品を見て、思わず買ってしまいました。こちらのカードでWindows 2000およびWindows Meの上記最新版ドライバを試したところ、「ビットマップの押し出しモード」のエラーは発生しませんでした。元々問題があったのかどうかは不明ですが、とりあえず、G400/G450と最新版ドライバの組み合せでは、「ビットマップの押し出しモード」の立体化効果を使うことができます。

更新: 2001年02月28日
部分更新:2001年03月01日

CorelDRAW 10 英語版体験版

Corel社のサイトから、CorelDRAW 10 英語版の体験版(Trial Version)が入手可能になりました。30日間の期間限定フリーライセンスです。まず56KBのヘルパーアプリケーションをダウンロードし、それを使って本体270MBをダウンロードする仕組みのようです。

ヘルパーアプリケーションによって、ダウンロードの中断/再開ができるとのことですが、270MBはT1回線なら23分、56Kモデムでは11時間(!)との注意書もあり、さすがに電話回線でのダウンロードは無謀でしょう。4月に日本語版が発売される予定ですが、それまで待てない、そして高速回線接続が可能な方は、試してみてはいかがでしょうか。

更新: 2001年02月17日

米マイクロソフト社の投資が独禁法調査の対象に

2001年2月15日付の「日本経済新聞」朝刊に、めずらしくコーレル社(「コレル」と表記されていましたが...)に関する記事が掲載されていました。それによると、昨年のコーレル社と米マイクロソフト社と戦略的提携締結に伴う、マイクロソフト社からの1億3500万ドルの投資が、ワープロソフト分野での競争阻害にあたる可能性があるとして、米国司法省が独占禁止法上の調査を開始した――という内容です。ニュースソースは、2月14日付の米「ウォールストリートジャーナル」紙となっています。

コーレル社の財政的苦境を救い、クリエィティブ製品(グラフィックス製品)への回帰をもたらす遠因となった今回の戦略的提携が、米司法省の横ヤリで妨害されないことを望みます。

1月に発表されたコーレル社の新経営戦略では、同社のワープロソフト「WordPerfect」について、同社の“旗艦”アプリケーションであると位置付けているものの、今後は既存英語版ユーザーのアップグレード需要に対応し、Microsoft Wordとの正面対決は放棄した形になっています。各国語版の開発も取り止められました。このことが問題なのかもしれません。しかしそれは、オフィス製品を外部から買い込み、その販売不振のあげく活路を“ネットワークコンピュータ(もはや、死語?)”やLinuxに求めて、危うく経営破たんを招きかけた前社長コープランド氏の、経営判断上の失策だったわけです。その前経営者は一線を退き、再びクリエィティブ製品の業界リーダーを目指そうとするコーレル社の新しい経営戦略は、理にかなっていると思います。それを支援するのがマイクロソフト社の資金だったとしても、グラフィックス製品のユーザーにとっては、何の問題もありません。逆に、この戦略を修正される方が、ユーザーの利益を損ねます。

まあ、よくある米国政府の行動ですが、かつてキューバの革命家チェ・ゲバラは「米国は人類最大の敵」と語ったそうで、その米国政府と次元は違うものの闘いつづけているキューバやマイクロソフト社には、連帯の意を表したい――、というのは半分冗談ですが、半分はホンネです。

更新: 2001年02月15日

メディアヴィジョン、CorelDRAW 10 日本語版の発売を発表

2001年2月13日、メディアヴィジョン社はCorelDRAW 10 日本語版の発売を発表しました。それによると、発売日は2001年4月6日(金)を予定しているそうです。販売価格は以下のとおりです。

  • CorelDRAW 10 Graphics Suite 通常版:88,000円(税別)
  • CorelDRAW 10 Graphics Suite 店頭アップグレード版:38,000円(税別)

その他、単体版等の価格はメディアヴィジョン社のサイトで確認できます。「製品の特徴」も紹介されていますが、まあ、これは当C.D.R.サイトのほうが詳しいので、こちらをご覧ください。

更新: 2001年02月13日

Corel社、ロゴを変更

新経営戦略の発表に伴い、Corel社の企業ロゴが変更されました。同社Robert Travers氏の手によるもので、従来のロゴをデザインし直しています。図案の中心には、思考する人間の頭脳が描かれ、“陰陽”が表現されているそうです。

更新: 2001年01月24日

Corel社、新経営戦略を発表

現地時間の1月23日、Corel社は予告どおり当面の新経営戦略を発表しました。新経営戦略は、「Linux」「WordPerfect」「Creative Products」の3部門に分けて、今後の展開を提示しています。

売却が噂されたLinux部門では、CorelDRAWとWordPerfect Officeの開発継続が表明されています。Linux版のアプリケーション開発は今後も行われるようですが、ディストリビューションの「Corel Linux」については、その行方は不明です。

WordPerfect部門も、現在のユーザーに製品を提供することに収益上のメリットが見いだせることによって、今後も維持されることになります。そして当面は、北米および国際市場での「英語版」製品の販売促進に、重点投資するそうです。

Creative Products部門は、「グラフィックス製品」部門ということになりますが、やはりCorel社はこの部門に回帰するようです。他の部門とは異なり、3つの段階に細分化して、今後の展開が明示されています。

第1段階(今後3~12ヶ月)では、次の項目が挙げられています。

  • CorelDRAW 10へのアップグレードを推進
  • CorelDRAW 10 Macintosh版の発売
  • Corel KnockOut、Painter、Bryce、KPTの新バージョン開発
  • 販売促進活動の展開

そして第2段階(1~2年後)は、主にWebをターゲットとしたGraphic Suiteの拡張と改良に取り組み、第3段階(2~3年後)ではマイクロソフトの「.NET」プロジェクトとの連携を含めて、Graphic Suiteのコンポーネント化によるWeb配信を実現し、新規市場の開拓を図る、ということになっています。

というわけで、グラフィックス製品を基軸にしたネット技術への展開が、今後のCorel社の戦略といえるでしょう。切り捨てられることはありませんでしたが、LinuxとWordPerfectという“キーワード”は後景化し、グラフィックス製品に「.NET」の彩りを添えて事業展開していくことが、明確になりました。今後CorelDRAWの形態がどうなっていくかはまだわかりませんが、PHOTO-PAINT 10(英語版)で導入された機能のコンポーネント化は、こうした戦略のプロローグなのでしょう。いずれにしても、グラフィックス製品とその市場へ傾注するCorel社の新戦略は、期待できるものです。

更新: 2001年01月24日

CorelDRAW 10 "THE OFFICIAL GUIDE"

CorelDRAW 10 (英語版)の公式解説書、「CorelDRAW 10:THE OFFICIAL GUIDE」が出版されました。写真を見てもわかるとおり、878ページの大著で、その厚さはCorelDRAW製品パッケージと同じぐらいです。こうした分厚さを目の当たりにすると、あらゆるものを重量で経済指標としたソヴィエト連邦の計画経済を彷彿とさせますが(あくまで余談。ちなみに、岩波文庫からトロツキー著「ロシア革命史」「わが生涯」が刊行されています)、カラーページはわずか16ページです。

CorelDRAW 10 THE OFFICIAL GUIDE「THE OFFICIAL GUIDE」はCorelDRAW 8版以来、毎回購入していますが、体裁はほぼ従来どおりであるものの、著者がSteve Bain氏に代わったため、全面的に書き改められています。CorelDRAW 9版ではほぼ黙殺されていたVBAに関する記述も、“地球を代表するVBAエキスパートの一人(VBA script experts on our planet)”と紹介されている英国人Nick Wilkinson氏の寄稿によって、章立てで載っています。便利な内容では、巻頭にCorelDRAWデフォルトのショートカットキー一覧表が付いています。また、付属CD-ROMには、本編とは別の6章がPDFで収録されているほか、チュートリアル用としてVBAマクロも入っています。

主な内容(書籍)

  1. Installing CorelDRAW and Finding Help (インストールとヘルプの使い方)
  2. What's New in CorelDRAW 10? (新機能の紹介)
  3. A Primer on Using CorelDRAW 10's Interface (インターフェイス入門)
  4. Opening and Saving Files (ファイルの操作)
  5. Controlling Documents and Pages (文書とページの操作)
  6. Measuring and Drawing Helpers (描画支援機能の使い方)
  7. Zooming and Viewing (表示機能の使い方)
  8. Essential Object Commands (オブジェクト操作の基礎)
  9. Basic Shape Creation (基本図形の作成)
  10. Drawing with Line Tool (線の引き方)
  11. Cutting, Shaping, and Reshaping Objects (オブジェクト形状の編集)
  12. Managing and Arranging Objects (オブジェクトの操作法1)
  13. Object Organization Resources (オブジェクトの操作法2)
  14. Envelope and Distortion Effects (エンベロープと歪曲効果の使い方)
  15. The Power of Blends and Contours (ブレンドと等高線効果の使い方)
  16. Appling Lens and Transparency Effects (レンズと透明効果の使い方)
  17. Creating Depth with Shadows (ドロップシャドウ効果の使い方)
  18. Drawing and PowerClips (パワークリップ効果の使い方)
  19. Creating Depth with Perspective Effects (遠近効果の使い方)
  20. Extruding Vector Objects (立体化効果の使い方)
  21. Applying Bitmap Extrude to Objects (ビットマップの押し出し効果の適用)
  22. Manipulating 3D Models (3Dモデルの考察)
  23. Using Bitmap Commands (ビットマップ編集機能の使い方)
  24. Applying Bitmap Filter Effects (ビットマップ用特殊効果の適用)
  25. Under the Hood of the Print Engine (印刷機能の使い方)
  26. Import and Export Filter (インポート/エクスポートフィルタの紹介)
  27. CorelDRAW 10's Web Resources: Introducing Corel R.A.V.E. (R.A.V.E.を含むWeb対応機能の紹介)
  28. Take Control Through Customization (カスタム機能の使い方)
  29. Adventures with Scripts and VBA (スクリプトとVBAの探究)

主な内容(CD-ROM)

  1. Mastering Text Properties (テキスト設定の使い方)
  2. Linking Text to Objects (テキストとオブジェクトのリンク方法)
  3. Resources for Perfect Writing (テキストの作成方法)
  4. Mastering Objects Outline Properties (オブジェクト輪郭線の考察)
  5. Filling Objects with Color (オブジェクト塗りつぶしの考察)
  6. CorelDRAW 10's World of Color (CorelDRAW 10の色の世界)

発行はCOREL PRESS、出版は全世界でCorelDRAW公式解説書の独占出版権を持つOSBORNE/McGraw-Hill社です。ちなみに同社には日本語翻訳書を出す予定がなかったので、CorelDRAW 8J公式解説書が日本で“乱立”することになりました。まあ、過去の話ですね。書籍データは次のとおりです。アマゾン・ドット・コム(http://www.amazon.co.jp/)から入手可能です。

  • 書名:  CorelDRAW 10: THE OFFICIAL GUIDE
  • 主な著者: Steve Bain
  • 出版: OSBORNE/McGraw-Hill
  • 定価: 49.99米ドル
  • ISBNコード: ISBN 0-07-213014-8

CorelDRAW 10ではマニュアルが簡略化されていますから、この公式解説書の必要性は高いといえるでしょう。マニュアルの比重を落として、有料の解説書を販売する方法には批判があるかもしれませんが(マニュアルはヘルプで代用できるので、私は批判しませんが...)、それよりもPHOTO-PAINT 10やR.A.V.E.の公式解説書が今のところ出版されていないことの方が、ちょっと問題ですね。

更新: 2001年01月14日

Corel、Linux部門を売却?

ここ数日来、いくつかの海外ニュース・サイト(「CNET News.com」「ZDNet」「ZDNet日本語版」「Slashdot」)で、「Corel社がLinux部門を売却」という報道が流れています。

Linux Global Partners(LGP)という持株会社にLinux部門を売却するとの内容ですが、この報道に対しCorel社は、「収益と成長を確保するため経営のすべての部門を再検討中であり、新年の早い時期に企業戦略を策定する」旨のコメントを12月15日付で出しています。

なお、この企業戦略の発表は、現地時間の2001年1月23日午前11時にオタワ会議センター(Ottawa Congress Centre)で行われることになっています。

まだ、“憶測”の段階に過ぎない報道のようですが、個人的には、Corel社はLinux部門など売却してしまって(ついでにOffice部門も...)、グラフィックス/DTP部門に専念してくれることを望みます。つまり、この報道のとおりになればいいな、という期待表明のニュースでした。

更新: 2000年12月16日
部分更新: 2001年01月14日

2000年

CorelDRAW 10 英語版 発売開始!

11月10日、CorelDRAW 10英語版の発売が開始されました。このバージョンから、Web用ベクトルアニメーション作成ソフト「Corel R.A.V.E. 1.0」が、グラフィックス・スイート(統合パッケージ)の一角を占めています。

CorelDRAW 10は英語版ですが、多言語ドキュメントに対応し、日本語OSでも動作します。当サイトでも、製品版を実際に使用して、新機能や強化ポイントを紹介していく予定です。

なお、CorelDRAW 10日本語版の予定は、まだ不明です。

更新: 2000年11月10日

Corel社とMicrosoft社、戦略的提携を発表!

Corel社の発表によると、2000年10月2日にCorel社とMicrosoft社が戦略的提携関係を締結しました.基本的な提携内容は、Microsoft社の新しいネット戦略「.NET」へのCorel社の参加です。Microsoft社は「.NET」において、Corelアプリケーションの知名度、ネット配信技術、グラフィックスとインターフェイスに関心があるようです。

「.NET」戦略への参加とともに重要な点は、この提携によって、Microsoft社が1億3500万米ドル相当の投資をCorel社に対して行ったことです。この投資は、株主投票権のない(経営への参加は意味しない)1株5.625米ドルのCorel社の株券を、Microsoft社が2400万株購入する形で行われました。このところ、財政状況の悪化が指摘されていたCorel社にとって、これは大きな助け舟になるでしょう。

それ以上に“マイクロソフト・ファン”の私としては、ここ数年、Corel社のOfficeアプリケーション市場参入で対立ばかりが強調されていた両社の関係に、友好的かつ建設的な協力体制が生まれることを望みます。

しかし、これも前Corel社CEO、コープランド氏が“辞任してくれた”おかげでしょうか? Corel社の将来を覆っていた暗雲も、やっと晴れてきた感じです。あとは、「CorelDRAW 10」の発売が待たれるところです。

なお、Corel社の発表は、「Press Release」ページの「Oct. 2, 2000 Corel and Microsoft Announce Strategic Alliance」に掲載されています。また、Microsoft社の「.NET」については、こちらに日本語ホームページがあります。

更新: 2000年10月03日

Corel Users' Club メーリングリスト

CorelDRAW日本語版販売元のコーレル・ジャパン(メディア ヴィジョン・第1事業本部)主催で、NIFTYのコーレル ユーザーズ フォーラム(FCOREL)が運営する「Corel Users' Club」が発足しました。

主な活動はメーリングリストの運営で、Corel製品ユーザーや興味のある人たちのための情報交換の場になるそうです。FCORELはNIFTY会員専用のフォーラムですが、Corel Users' Clubとそのメーリングリストは、NIFTY会員に限らず、誰でも参加できます。

10月1日からは、Corelグラフィックス製品(CorelDRAW、PHOTO-PAINT、Painter等)対象の「Corel Graphic Users' Club」メーリングリストが始まります。申し込みはこちらからできます。

更新: 2000年10月01日

CorelDRAW 10(英語版)始動

Corel社の発表によると、次期バージョンCorelDRAW 10(英語版)の概要が「Seybold」(コンピュータ・グラフィック/デザイン/出版関連の展示会/米国サンフランシスコで開催)で明らかにされました。

それによると、CorelDRAW 10の“目玉”は、統合版に追加される「Corel R.A.V.E.」という新アプリケーションです。R.A.V.E.は“Real Animated Vector Effects”の略だそうで、つまりWeb用の「Macromedia Flashアニメーション」を制作することができます。

CorelDRAW 9にはFlashエクスポートフィルタが追加されましたが、アニメーションはリンクに対するロールオーバー効果だけに限られていました。キーフレームによる本格的なWebアニメーションを制作するには、「Macromedia Flash」を使わなければならなかったのですが、CorelDRAW 10ではCorel R.A.V.E.が加わることによって、Macromedia Flashは不用になります。Corel R.A.V.E.はCorelDRAWと同じインターフェイスを持ち、過去のバージョンのCorelDRAWファイルにも対応するそうなので、Webグラフィックスに関しても、画像ファイルの扱いと操作性において、一貫した制作環境を手に入れることができるでしょう。

主役がCorel R.A.V.E.に奪われてしまったようですが、CorelDRAWやPHOTO-PAINTにはどのようなバージョンアップが施されるのでしょうか? 同社の発表では、次のポイントが挙げられています。

CorelDRAW 10

  • リアルタイム・プレビュー
  • Webグラフィックス制作ツールの追加
  • 文書ファイルと自動スペルチェックの複数言語対応
  • Web出力時におけるGIF、JPEG、PNG画像の最適化
  • AutoCAD 2000、Microsoft Visio 5、Macromedia Freehand 8ファイルのインポート
  • 印刷、PDF書き出し、Web出力、SVGやFlash(SWF)エクスポートのプリフライト表示対応

Corel PHOTO-PAINT 10

  • テキストツールのWeb対応強化
  • 操作ステップ数の削減
  • 表示、ズーム、切り抜きの高速化
  • マスク機能の強化
  • Web出力時におけるGIF、JPEG、PNG画像の最適化
  • 作業領域のカスタマイズ
  • Intel 「Pentium 4」プロセッサへの最適化

Corel R.A.V.E.

  • キーフレーム対応
  • 長いパスでのTweening
  • Tweening対応
  • アニメーション化されたインタラクティブ・ロールオーバー
  • 音声サポート

CorelDRAW 10全般

  • 新しいカラーマネジメント・インターフェイスの採用
  • 数百にのぼる各種機能のプリセット
  • PostScript出力における「In-RIPトラッピング」「「In-RIPカラー分解」オプションの追加
  • カスタム作業領域のE-Mailによる交換

注目すべき点は、CorelDRAWファイルの「複数言語対応」といったところでしょう。これによって、日本語版の開発期間が短縮されるかもしれません。まあ、現物を見ない限り、なんとも言えませんが...。Adobe Illustrator 9などもそうですが、やはりグラフィックス・ソフトもWeb対応の強化が、バージョンアップのポイントになるようですね。“CorelDRAWを持っていれば、Macromedia Flashや(PDF出力のために)Adobe Acrobatを買わなくてもOK!”というのが、ウリといったところでしょう。そして、最も先進的なCorelDRAWインターフェイスで作業ができることも魅力です。

また、CorelDRAW 10 グラフィックス・スイート(プロフェッショナル エディションのこと)には、画像管理ソフト「Canto Cumulus 5 LE」も同梱されるとの発表もありました。 9Jに付属したCumulus 4 LEは、Windows 2000では動作しなかったので、5で対応していることを望みます。

なお、英語版製品の発売予定は今年の11月で、価格は569米ドル(バージョンアップは249米ドル)になるそうです。日本語版はいつ?

更新: 2000年08月31日
部分更新: 2000年09月01日

CorelDRAW 9J サービスパック2 添付雑誌情報

CorelDRAW 9J プロフェッショナル・エディションの修正プログラム「サービスパック2」が公開されて、はや3ヶ月になろうとしていますが、その“巨大”なサイズにもかかわらず、Corel本社の英語版サイトからのダウンロードしか用意されていません。

というわけで、私がこの度執筆したムック「Let's DTP 2000」(工学社発行)の添付CD-ROMに、無理をいって収録させていただきました。

「Let's DTP 2000」はWindows DTP初心者のための入門書です。CorelDRAWだけでなく、「MET'S G.CREW」「AVANAS PageStudio」「Adobe PageMaker」等も使い、Windows全般のDTPについて解説したムックになっています。DTPレイアウトのサンプルとして、Microsoft Word、Adobe PageMaker、AVANAS PageStudio、G.CREW、そしてCorelDRAWで制作したファイルを添付してあります。CorelDRAW 9J などの体験版も添付されていますから、CorelDRAWを含む、Windows DTPの入門書にしていただければ幸いです。

Windows DTPの本でありながら、実際にはMac DTPで同書は作られていますが、ほとんどのページの図版はCorelDRAW 9J(もちろん、Windows版)で私が制作しています。CorelDRAWでEPS形式に出力したものを、Mac上のレイアウトソフトで貼り込んでいる次第です(もちろん、Mac DTPに私はタッチしていません)。

と、自己宣伝になってしまいましたが、もしダイアルアップ接続でのダウンロードに躊躇して、サービスパック2の導入を見送っていらっしゃった方は、本書を購入していただくのもひとつの手だと思います......。

  • タイトル: 「I/O別冊 Let's DTP 2000」
  • 発行: (株)工学社
  • 発売日: 2000年8月25日(金)
  • 価格: 本体1900円+税
  • 判形: A4変形判
  • コード: 雑誌61478-64 (ISBN4-87593-866-7 C9455 ¥1900E)

なお、同書「CD-ROMの使い方」ページには全く記載がありませんが、CorelDRAW 9Jの「サービスパック2」は、「特別付録CD-ROM」の「トライアル版」-「CorelDRAW9」-「Patch」フォルダに入っている、「gr9sp2jp.exe」ファイルです。インストール方法や修正内容の解説は、本サイトのこちらのページを参考にしてください。

また、この「サービスパック2」はCorelDRAWとPHOTO-PAINTの統合パッケージである「プロフェッショナル エディション」の専用修正プログラムです。CorelDRAWやPHOTO-PAINTの単体版には使用で���ませんので、ご注意ください。

更新: 2000年08月21日
部分更新: 2000年08月28日

Corel社CEO辞任

Corel社によると、同社最高経営責任者(CEO)マイケル・コープランド Michael Cowpland 博士の辞任が2000年8月15日付で発表されました。

コープランド博士は今後、Corel社の経営には関与しませんが、技術アドバイザーとして残るそうです。後任として、デレク・J・バーニー Derek J Burney 氏(現筆頭副社長)が暫定CEO兼社長に選出されています。

辞任の弁で、コープランド博士はLinuxへの熱意を語っていますが、これを機会にOfficeやLinux分野への肩入れを止めて、CorelDRAWを中心とするグラフィックス事業の強化に軌道修正していただけたらうれしいな、なんて思うのは私だけでしょうか。

ともあれ、今後のCorel社の動向に注目しましょう。

更新: 2000年08月18日

Corel KnockOut 1.5 ダウンロード販売開始

5月30日、マスキング・ソフト「Corel KnockOut 1.5」のダウンロード販売が、Corel社サイトで開始されました。

Corel KnockOut 1.5は独立したアプリケーションで、抜き合わせ処理を行なうためのマスクをビットマップ画像に作成するツールです。Corel PHOTO-PAINTをはじめとするフォトレタッチ・ソフトでも、もちろんマスクの作成はできますが、ぼやけた輪郭や、髪の毛、煙、水、ガラス、影といったものをマスキングするには、相当の手間と根気が必要になります。ついでに言えば、手先の器用さも必要でしょう。Corel KnockOut 1.5は、単純な操作で、なおかつ高品質に、こうしたオブジェクトのマスキングができるようになっています。

KnockOutは、ultimatte社が開発しCorelブランドで販売されます。前バージョンの1.0は日本語Mac版が報映産業(株)より発売されていましたが(価格98,000円!)、ライセンスの移行により販売は終了しました。Corel KnockOut 1.5はいくつかの機能の追加とともに、PHOTO-PAINT形式(CPT)のビットマップを扱えるようになっています。そして、価格239ドルでオンライン販売されることになりました。支払いにはJCBを含むクレジットカードを利用します。また、製品パッケージの郵送ではなく、ファイルをダウンロードする形になります。ファイル・サイズは約31MBになるので、ダイアルアップ接続では根性が要ります。なお、Windows 95/98/NT4.0対応のWindows版のほか、Mac版もあります。

というわけで、さっそく根性でCorel KnockOut 1.5をダウンロード購入してみました...。先日のサービス パック2といい、軒並み電話代が......という愚痴はさておいて、宣伝文句どおりのマスク切抜きができるのか、人柱となって試してみました。詳細は、近日中に「Corel PHOTO-PAINT 9J」ページで紹介します。もちろん、使用するのはWindows版です(ただし、動作条件に入っていないWindows 2000で当然、使用)。

更新: 2000年06月01日

短信: Corel、Inprise社との合併を中止

5月16日付けのCorel社の発表によると、本年2月に発表された米Inprise社とCorel社の合併協定は撤回されることになりました。

Inpriseは旧称Borlandの方が馴染み深いですが、主としてプログラミング・アプリケーションを開発しています。最近ではLinux環境にシフトし、同じくLinuxに力を入れていたCorelとの接点になったようです。

資金面の問題で今回の合併は中止に追い込まれたようですが、個人的には、CorelがLinuxに傾倒するよりも、MetaCreations社からのPainter買収のように、“本業”であるグラフィックス・アプリケーションの開発強化を望んでいます。ですからInpriseとの合併中止は、“正解”であると言っておきましょう。Corel Linuxよりも、CorelDRAW/PHOTO-PAINTの性能向上と進化を、グラフィックス・ユーザーは求めています。

更新: 2000年05月17日

CorelDRAW 9/Corel PHOTO-PAINT 9 日本語版 サービスパック2 提供開始

CorelDRAW 9/Corel PHOTO-PAINT 9 日本語版の修正バージョン、「サービス パック2」がCorel社のサイトにアップされ、ダウンロードできるようになりました。「Filename:」が「GR9SP2JP.exe」、「Language」に「Japanese」と表示されているものが、日本語版サービスパック2です。

サービスパック2を適用できるのは9Jの「プロフェッショナル エディション」で、CorelDRAWとPHOTO-PAINTの修正が含まれています。ファイルサイズは約26.8MBと巨大なため、56kモデムではダウンロードに1時間半近くかかりました...。

なお、リリースノートには「サービス パック 1を事前にインストールせよ」との記述がありますが、市販されているCorelDRAW 9日本語版はサービスパック1が適用されているバージョン「9.397」なので、サービスパック2を直接インストールすることができます。バージョン番号は、メニュー「ヘルプ」-「バージョン情報」から確認できます。サービスパック2を適用すると、バージョンは「9.439」に上がります。

基本的には不具合の修正が中心ですが、スポイトツールへのショートカットキーの割り当て、日本語版Macromedia Flashフィルタの追加など、一部機能強化も含まれています。詳細は、追って紹介していきます。

  • 注意
    さっそくインストールしてみたところ、既に英語版のMacromedia Flashフィルタをインストールしてある環境にサービスパック2を適用すると、Flashファイル・エクスポート時にエラーが発生するようです。サービスパック適用後に、再度英語版Flashフィルタをインストールし、そのうえで日本語版フィルタ・ファイルと差し替えることで回避できます。
    手順は、次のとおりです。
  1. サービスパック2を適用後、「Program Files¥Corel¥Graphics9¥Filters」フォルダにある「IESWF91.flt」ファイルを別のフォルダにコピーして保存
  2. 英語版のFlashエクスポート・フィルタをインストール
  3. 「Program Files¥Corel¥Graphics9¥Filters」フォルダの「IESWF91.flt」を任意の名前に変更(例: IESWF91 English.flt )
  4. 手順1で別フォルダに保存した「IESWF91.flt」ファイルを「Program Files¥Corel¥Graphics9¥Filters」フォルダにコピー

手順1で、日本語版フィルタを別フォルダに確保しておくことを忘れないでください。なお、この方法は、Corel社が保証しているものではありません。個人の責任で、上記の操作は行なってください。エラーが発生しない場合や、英語版フィルタをインストールしていない場合は、そのままサービスパック2を使用してください。

更新: 2000年05月13日

新PC到着(私事)

今週、告知されていた納期よりも2週間ほど早く、新しいPCが到着しました。

今回は、エプソン・ダイレクトの「Endeavor Pro-600L」を選択しました。シングルCPUに後退したものの、やっと最新のIntel Pentium IIIプロセッサを導入し(ちなみに、私はインテル派)、動作クロックも800MHzとこれまでの4倍になったので、CorelDRAWやPHOTO-PAINTを快適に使うことができます。

ショップブランドに近い「メーカー製PC」ですが、前機のハードディスク等を引越しし、プリインストールのOS設定をすべてカスタマイズして再インストールするのに数日かかってしまいました。

というわけで、マザーボードが壊れてご臨終となったPentium Proマシンを手厚く葬り、新PCでサイトの更新を再開できる運びとなりました。めでたし、めでたし(しかし、財政状況は最悪....)。

更新: 2000年05月13日

CorelDRAW 10 英語版 Beta テスト募集開始

次期バージョンである CorelDRAW 10、Corel PHOTO-PAINT 10、CorelTRACE 10、CorelCAPTURE 10 ほかのBetaテスター募集が、Corel Beta News サイトで始まりました。英語版のBetaテストですから、英語でレポートを提出しなければなりませんが、興味と熱意のある方(もちろん、守秘義務を守れることも条件です)は、ぜひ応募してみてください。

なお、同サイトの内容を見ると、Version 10 で改良されるポイントは、以下のとおりです。

  • カラーとカラー・マネジメント
  • 効果のプリセット
  • ユーザー・インターフェイスと作業領域のカスタマイズ
  • 生産性とパフォーマンス
  • クリエイティブ・ツール
  • ビットマップ効果

また、CorelDRAWの位置付けは、再び「ドローとページレイアウトの結合(the premier combination for drawing and page layout)」とされていて、期待が持てます。クリエイティブ・ツールの改良では、「メッシュ塗りつぶし」や「アートメディア・ツール」など、Ver 9で追加された効果の使い勝手の向上が望まれます。もちろん、新しい効果も追加されるとうれしいですね。

Painter買収により動向が注目されるフォトレタッチ/ペイント製品ラインですが、Beta テストに含まれることから、PainterだけでなくPHOTO-PAINTの次期バージョンも開発されることになります。その次がどうなるかわかりませんが、長年のPHOTO-PAINTファンとしては、やはりPHOTO-PAINTをベースにPainterの機能を統合してもらいたいものです。

更新: 2000年04月15日

Corel、MetaCreations社の主要グラフィックス・アプリケーションを買収

Corel社およびMetaCreations社の発表によると、2000年4月10日、MetaCreations社は主要グラフィックス・アプリケーションをCorel社に売却することに合意したそうです。

対象となるアプリケーションは、Painter、Painter Classic、Painter 3D、Art Dabbler、KPT、KPT-X、Vector EffectsおよびBryce 3Dです。

Painterシリーズは画材をシミュレートした「Natural Media」技術で有名なペイントソフト、KPTシリーズはAdobe Photoshop互換特殊効果プラグイン、Vector EffectsはIllustrator用特殊効果プラグイン、Bryceは景観作成をメインにした3DCGソフトです。

この結果、Corel社はグラフィックス業界での地位を向上させ、MetaCreations社は同社の「MetaStream technology」を利用したe-commerce(電子商取引)事業に専念するとのことです。

つまり、MetaCreationsはソフトをCorelに売り払って、アプリケーション開発・販売から撤退してしまうようです。一方、Corelは、世界的に知名度の高いPainterを自社ラインナップに加えることができ、とりわけMacintoshグラフィックスの領域に大きな橋頭堡を得られる、ということになります。

先頃、Linux版 Corel PHOTO-PAINT 9が無償配布されることになりましたが(ちなみに、このニュースには関心が無かったので“黙殺”しました)、これはPainter取得を前提とした、伏線だったのでしょうか? 当面、Corel社はMetaCreations製品の開発を次期バージョンまで約束していますが、将来の「CorelDRAW Professional Edition」には、CorelDRAW、Painter、Bryce 3Dが同梱されるようになるかもしれません。もしくは、“Corel PHOTO-PAINTER”なんて名前になっているかも...。

Painterと競合するCorel製品はもちろんPHOTO-PAINTですが、フォトレタッチ部分はPHOTO-PAINTの、画材をシミュレートした部分はPainterの技術を融合させ、より高度なアプリケーションに進化させることは可能だと思います。ただ、個人的には、ブラシの設定を除いては、PHOTO-PAINTのインターフェイスを活かし、CorelDRAWとの統一性を高めてもらいたいですね。何も知らないMacユーザーには、CorelDRAW系インターフェイスはMicrosoft Office互換程度にしか理解されていないようですが、インタラクティブツールをはじめとする直感的な操作性のすばらしさを、Painterを介して普及させれば、CorelDRAWの評価も上がるでしょう。Mac由来のインターフェイスが先進的なんていう過去の神話も、そろそろ終わりにしてよい頃です。

KPTに関しても、あのインターフェイスにはうんざりですが、それはともかく、最新版はPHOTO-PAINTのオブジェクト構造に対応する形で開発されるようになることを望みます。

プラグインがなくても十分な特殊効果を備えているCorelDRAWに、Vector Effectsを利用するためのプラグイン・インターフェイスは不要かもしれませんが、逆にIllustratorユーザーが、Corel社の技術の恩恵を受けられるかもしれません。まあ、開発をやめてIllustratorの利用価値を落とす――なんて戦略も無きにしもあらずですが...。

Bryce 3Dは、中途半端なOEM製品に終わったDREAM 3Dの後を継ぐには、十分過ぎる機能を持つ3Dソフトです。ほんとうに、Professional Editionとして統合パッケージ化されるとうれしいのですが、価格が引き上げられてしまうかも知れません。

と、勝手な予想と要望を並べ立ててみましたが、いずれにしても、MetaCreationsの技術が統合されるわけですから、Corelグラフィックス製品ユーザーにとっては朗報です。日本でのCorel社の知名度も、これで向上するかもしれませんね。

更新: 2000年04月11日
部分更新: 2000年04月12日

CorelDRAW 9用Flash!(SWFファイル)エクスポート・フィルタ登場

Corel社サイト(https://www.corel.com/draw9/flash.htm)にMacromedia Flash!(SWF形式)ファイルを書き出すCorelDRAW 9用エクスポートフィルタがアップされました。こ���は、先に発表があったMacromediaからのライセンス供与によるもので、やはりエクスポートフィルタという形で機能が追加されました。

ダウンロードした「SWFfilt.exe」を実行すると、自動的にCorelDRAWがセットアップされているフォルダにフィルタがコピーされ、エクスポート・ダイアログの「ファイルの種類」リストで「SWF - Macromedia Flash!」を選択できるようになります。フィルタ自体は英語版のため、オプション設定ダイアログは英語で表示されます。

論より証拠ということで、CorelDRAW 9Jで制作したイラストをエクスポートしてみました。ここをクリックするとベクトル形式のイラストが表示されます。イメージの再現性など、詳しいレポートは、「CorelDRAW 9J」ページのコラムに掲載してあります。

とりあえず、CorelDRAW 9もFlash!に対応したということで、グラフィックソフトとしてのWeb対応が前進しました。めでたし、めでたし。あとは、アニメーション・ボタン用のJava Scriptの自動生成機能などが追加されると、うれしいのですが...。

更新: 2000年03月24日

中部DTP協会カンファレンス

3月8日、名古屋で開かれた中部DTP協会主催のカンファレンス(後援: (株)メディアヴィジョン)で、「Windows DTPにおけるCorelDRAWの可能性」と題した講演を行なってきました。

講演のアウトラインは、「CorelDRAW 9J」ページのコラムに掲載してあります。以前、札幌でのカンファレンスを記事にすると約束して未だ果たさずじまいでしたが、このアウトラインを元に、今度こそ解説記事としてまとめる予定です。

余談ですが、札幌、名古屋、いずれも大都市ですね。同じ「県庁所在地」ですが、我が浦和市は、都市としての規模は比較になりません。浦和と隣接する与野市、他1市を合併したがっている方々の気持ちは、こんなところからも来ているのか、と思ってしまいました。しかし、街の規模は小さくても、浦和には世界に冠たるサッカーチームとサポーターがいることを、忘れてもらっては困りますが。......あ、カンファレンスとはまったく関係ない話でした。

更新: 2000年03月09日

Windows 2000 Professional と CorelDRAW 9J

遂に次世代 OS、「 Microsoft Windows 2000 」が発売されましたが、仕事が忙しくやっと昨日セットアップすることができました。気になる CorelDRAW 9J の対応状況ですが、基本的には RC2 と同じです。

  • 「印刷」ダイアログ-「プリフライト警告」の文字化け
  • Cumulus Desktop LE J 4.0 のセットアップ・エラー

が目につく程度で、あとはほとんど問題ないようです。

なお、Cumulus Desktop は、セットアップが不正終了し「プログラム・グループ」へショートカットの登録がうまくいかないものの、プログラム本体はハードディスクにコピーされます。そしてプログラム・ファイルから起動できることも確認しました。ただし私の環境では、起動および終了に1分以上と、異常に長い時間がかかってしまいます。あまり、正常に動作するとはいえないようです。

また、Cumulus Desktop、Corel TEXTURE 9、TEXTURE BATCHER 9は、インストールしたユーザー・アカウントでなければ動作しません。また、Corel Versions は、管理者(Administrator)権限を持つユーザー・アカウントでなければ動作しません。

Windows 95/98 から初めて NT ベースの OS に切り替えた方には誤作動と映るかもしれませんが、これらは、OSのセキュリティ設定とアカウント管理の方法にアプリケーションが対応していないため、起きる問題です。Windows 2000のセキュリティに関しては、「CorelDRAW 9J」ページのコラムで解説します。

更新: 2000年02月25日

Corel、 Macromedia から「Flash」をライセンス  

Corel社の発表によると、Macromedia社のベクトル・グラフィック・フォーマット「Flash」をCorel DRAW 9 および Corel Linux に導入するライセンス契約が、両社の間で2000年02月09日に結ばれたそうです。

「Flash」は、動きのあるWebサイトの制作に使われる軽量ベクトル・グラフィックとして広く認知されていますが、このライセンス供与によって CorelDRAW から直接 Flash画像(SWF形式ファイル)を書き出せることになるようです。

CorelDRAW 10 ではなく CorelDRAW 9 で導入するということですから、エクスポート・フィルタが追加されるのかもしれませんが、まだ具体的な提供方法は発表されていません。

Adobe Illustrator には最近 Flash 書き出し用プラグインが開発されましたが、さすがはCorel社、それに遅れをとらないように手を打ってくれたわけですね。

更新: 2000年02月10日

CWDC オンライン審査への参加

第10回 Corel 世界デザインコンテスト(CWDC)の作品審査に、オンラインで参加ができるようになりました。

CWDCサイトから「Register To Vote」(投票登録)ページに入り、氏名、e-mail アドレス、国名を登録すると、数分後に登録者別投票サイトのアドレスを記載したメールが届きます。そして、このアドレスへアクセスし、オンラインで投票できるしくみになっています。

登録および投票サイトのフォームはすべて英語ですが、それほど難しいものではありません。「審査員」としてCWDCに参加するのも、一興ではないでしょうか。

更新: 2000年02月06日

掲載記事情報

CorelDRAWとは直接関係ありませんが、Windows 2000について私が執筆した記事「Microsoft Windows 2000ってなんだろう?」が、1月20日発売の「WIN DTP 2000」誌 Vol.1(発行: 工学社)に掲載されています。計12ページで、特集並みのボリュームがありますが、なるべく一般的なアプリケーション・ユーザーの視点で、わかりやすく解説したつもりです。発売が間近に迫ったWindows 2000に興味のある方は、ぜひ御一読ください。でも、立ち読みはしないでくださいね。

なお、この記事の扉は、CorelDRAW 9Jを使って私がデザインしました。ただし、出力はEPSに書き出しているはずです。本文中のカット(遮光器土偶君とみみずく土偶君)も、私がやはりCorelDRAW 9Jで創作しています。

更新: 2000年01月21日

短信

Corel社サイトのBeta ニュースページに「Corel Graphics Suite for Linux: CorelDRAW 9」(英語版?)のテスター募集が告知されています。私は“Windows 2000命”なので関係ありませんが、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか?
と、書いたのもつかの間、1月24日に再度このページを訪れたら告知がなくなっていました。後日募集が復活するかどうかはわかりませんので、関心のある方はときどきチェックしてみてください。Linux版よりも、はやくCorelDRAW 10のテストが始まらないかな~。(部分更新: 2000年01月26日)

CorelDRAW 8/9のパッケージを飾っていた俳優ヘディ・ラマーさんが死去されたそうです。享年86歳。ご冥福をお祈りします。(日経新聞1/20夕刊より)

更新: 2000年01月20日

Windows 2000 Professional RC2 と
CorelDRAW 9J

近頃、Corel社はLinuxに力を入れているようですが、次世代主力OSはやはりMicrosoft Windows 2000だと私は思います。一般パソコン雑誌の付録としてWindows 2000 Professional RC2が配布されはじめていますので、とりあえず現時点でのCorelDRAW 9Jの対応状況を、私が個人的に確認したレベルで報告しておきます。Windows 2000 Professional RC2はハードディスクをフォーマットして新規インストールし、そこにCorelDRAW 9Jをインストールしました。

セットアップ: Windows 2000のシステムファイル保護機能によって、一部のファイル(フォントなど)がコピーを拒否されることがあるが、特に問題なし。

CorelDRAW/PHOTO-PAINT 9: 「印刷」ダイアログ・プリフライトの警告内容本文が文字化けしてしまう。他は特に問題なし。なお、イメージスキャナはWindows 2000用ドライバ(INFファイル)がないとシステムに認識されない。EPSON製スキャナは今のところドライバがないので、結果的にCorelDRAW/PHOTO-PAINTでも使えない。

  • Corel CAPTURE 9: 特に問題なし。
  • CorelTRACE 9: 特に問題なし。
  • Corel TEXTURE/TEXTURE  BATCHER 9: 特に問題なし。
  • Corel SCRIPT Editor: 特に問題なし。
  • Adobe Acrobat Reader 4.0: インストール中にエラーメッセージが表示されるが、無視すれば問題なし。
  • Cumulus Desktop LE J 4.0: インストールが不正終了。アプリケーションも起動できない。

Bitstream span Navigator、Apple QuickTime 3.0はインストールしていないので、対応はわかりません。というわけで、使用上問題があるのはCumulus Desktop LEです。やはり、Macからきたアプリケーションは、NTバージョンアップへの対応が悪いようですね。ちなみに、CorelDRAW 8J SP1は特に問題なく動いています。PHOTO-PAINT 8Jはインストールしていないのでわかりません。

なお、「CorelDRAW 9J」ページにWindows 2000とCorelDRAWに関する記事を、近日中に載せる予定......でしたが、すでに2月になってしまったので、製品版が出てから掲載します。

※Windows 2000 RC2は開発途中のバージョンですから、最終製品では対応が変わる場合があります。また、上記の検証結果は黒住浩司個人によるもので、Corel社が確認しているものではありません。

更新: 2000年01月
部分更新: 2000年02月04日

1999年

「字多楽」フォントの話

またまた拙著「CorelDRAW Professional Edition Technical Guide Book」の記載内容についてです。

同書096ページの「Windows NTと縦書き表示」の項目で、Windows NT 4.0では使えないTrueTypeフォントとしてニィス社の「字多楽」パッケージに収録されている「JTCウィンシリーズ」を挙げましたが、この「字多楽」が1999年9月にWindows 95/98/NT対応版にアップグレードされていました。新しい「字多楽」は、NT4.0でも縦書きに対応しています。現在はWindows 2000 RC2 で使っていますが、こちらでも縦書きに問題はありません。

しかし、ひとつだけ注意しなければならない点があります。新しい「字多楽」は、文字と行の送りが旧バージョンとは異なるのです。システムへの登録名は同じですが、まったく違うフォントと考えた方がよいでしょう(フォント・ファイルの名称は変わっています)。

ですから、旧バージョンのJTCウィン・フォントを使ったファイルを、新バージョンのフォント環境で開くと、大幅にレイアウトが崩れます。「Design Guide Book」シリーズは本文に「JTCウィンS1P」を使っていますが、1行につき約3文字、1ページにつき約4行、文字が詰まってしまいました。

CorelDRAWで組んだレイアウトはプリンタ・ドライバには依存しませんが、フォントそのものの中身が変わってしまっては、レイアウト崩れに対処することはできません。特に注意が必要になるのは、出力センターなどにCorelDRAWデータを出すときでしょう。相手先のフォントのバージョンを確認する必要があります。パッケージ名が「字多楽1」になり、「NT対応」と明記されているのが新バージョンです。

こうした点を注意さえすれば、NT環境でも縦書きでJTCウィン・フォントを使えるようになったメリットは大きいと思います。

更新: 1999年12月

CorelDRAW 9J 魚眼レンズ効果の怪

拙著「CorelDRAW Professional Edition Technical Guide Book」の第3章で、「奥行きのあるロゴ」の制作方法を紹介していますが、ここで取り上げた「魚眼レンズ」効果をCorelDRAW 9Jでは再現できません。

これは、9Jの同効果に不具合があるためと思われます。具体的には、サブパスを持つオブジェクト(文字を含む)が、魚眼レンズ効果をかけると部分的に欠落してしまいます。ベクトル・オブジェクトを使った場合、この不具合を回避する方法はないようです。
「奥行きのあるロゴ」に限れば、インタラクティブ・エンベロープ・ツールの「単一弧」を使い、文字部分を似たような形状に湾曲させることはできます。

CorelDRAW 9Jのバージョンは、9.397. J4です。なお、CorelDRAW 8Jでは不具合は発生しません。

いちおうコメント:魚眼レンズだけがCorelDRAW 9Jのすべてではないので、この不具合だけで9Jの価値が損なわれるとは思いませんが、なるべく早く直してほしいですね。

「奥行きのあるロゴ」の状態

CorelDRAW 8(正常) CorelDRAW 9(異常)

単一弧エンベロープで
代用

 

更新: 1999年11月

北海道デジタルカンファレンス

(株)メディア ヴィジョン主催で11月22日に札幌で開かれた、北海道デジタルカンファレンス「CorelDRAWの可能性」で講演してきました。その内容をもとに、「商業印刷におけるCorelDRAW」という記事にまとめ、当サイトに掲載する予定です。

追伸:札幌「大塚商会αランド時計台店」は良いお店です。そして、がんばれコンサドーレ札幌!

更新: 1999年11月

COREL 10th ANNIVERSARY
WORLD DESIGN CONTEST

Corel社が毎年開催している、Corel世界デザインコンテスト(CWDC)の応募作品受付が10月より始まりました。今回のCWDCは10周年記念で、2000年夏にカナダ・オタワで開催されます。コンテストの概要は、以下のとおりです。

※正式な募集要項は、Corel社のCWDCサイトで確認してください(英文)。この情報は、あくまで概要です。

作品制作ソフト
CorelDRAW, Corel PHOTO-PAINT, CorelDREAM 3D, CorelXARA, Corel VENTURA, Corel Web publishing software の全OS全バージョン。あたりまえですが、Corel社のグラフィックス・ソフトを使って作品を制作しなければなりません。なお、現在日本語版があるのはCorelDRAW, Corel PHOTO-PAINT, CorelDREAM 3Dです。

応募カテゴリ

  1. 人物・植物・動物 (People, Plants & Animals)
  2. 抽象画 (Abstracts)
  3. テクニカル・ドローイング (Technical Drawings)
  4. ページレイアウト・広告 (Page Layout & Promotional Works)
  5. 企業/団体や製品のロゴ (Corporate & Product Identification)
  6. Webデザイン (Web Design Splash Screen)
  • 前回と異なるのは、「風景・名所」「特製品」「ビジネスソリューション」がなくなり、「Webデザイン」が新設された点です。

審査方法

10-11月、12-1月、2-3月、4-5月、6月の計5回、月間予備審査がカテゴリごとに行なわれ、各1名の月間優勝者が決まります。その中から各カテゴリごとにグランプリ受賞者が選ばれ、グランプリ受賞者から最優秀賞「Best of Show」が選出されます。

賞品

  • 月間優勝 $1,200相当の賞金/賞品 (オンラインで応募した場合は他に$500相当の賞品)
  • グランプリ 約$14,000相当の賞金/賞品
  • 最優秀賞 約$26,000相当の賞金/賞品

…だいぶ安くなりましたね。

応募方法

  1. フォントをすべて曲線化した作品ファイル
  2. 作品を24Bit RGB カラー、原寸、解像度150dpi のTIFF形式のビットマップ画像に変換したもの
  3. 作品のコメントと氏名・住所・電話番号・添付ファイル名・応募カテゴリを記載したテキスト・ファイル

上記の3つのファイルを、すべて同名(例:dogu.cdr, dogu.tif, dogu.txt)にして、Internet経由もしくは郵送で送付します。

Internet経由 (オンライン・コンテスト)
Corel社のCWDCサイトでフォームに記入し、応募します。添付ファイル・サイズが10MB以下の場合に限ります。

郵送
所定の応募用紙に必要事項を記載し、下記の住所に3.5フロッピー、CD-ROM、ZIPディスクのいずれかで郵送します。応募用紙はCWDCサイトにPDFファイルが用意されています。なお、MOディスクの使用をWDCに問い合わせたところ、上記3つのメディアのみ対応で、MOは不可。可能であれは、圧縮分割ファイルでフロッピーに入れてみてくれ、とのことでした。う~ん、CD-Rを買おうかな…。

オフライン・コンテスト宛先
The Corel 10th World Design Contest, Corel Corporation, Corporate Headquarters,
1600 Carling Ave., Ottawa, Ontario, Canada K1Z 8R7

募集期間
1999年10月から2000年6月30日まで(締め切りは2000/6/30、米国東部標準時午後11:59)。

※正式な募集要項は、Corel社のCWDCサイトで確認してください(英文)。この情報は、あくまで概要です。

更新: 1999年11月


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脚注
ここに掲載した記事は、以前のC.D.R.ニュースコーナー、「Information」の内容をまとめたものです。その際、一部内容を割愛したものがあります。また、リンクに関しては再確認や修正を行っていないので、表示できないページやサイトがあることをご了承ください。